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表現
何かかきたくて、心の中にある様々な言葉を選んではこれじゃないと投げ捨て、選んでは投げ捨て…そうやって心という部屋の中をさらに散らかしている。
私はそんな状況によく陥る。
なら、思ったことをそのままかいてしまえば…なんて思っても何故かそれだと手が止まる。
話す時もそうだ。何かを伝えたい…しかしそのまま何も考えず発すれば相手がどう受け取るだろう。
私の何気ない一言でその人の何かが変わってしまうかもしれない。
私の足りない言葉で変に誤解を生んで溝を深くしてしまうかもしれない。
そうやって起こることのないであろうことまで考えて、結局口を紡いでしまう。
口が開いたとしても、私ではないワタシがその人が求めているであろう言葉をただただ口にする。
だからよく「意見がない子」「意見を言わない子」として見られることが多かった。
もしかしたら、私自身周りにそう見せていたのかもしれない。
正直意見を言わない方が、何も考えない方が楽だと心の片隅で思っていたから。
でも不安や不満の入ったカゴは徐々に埋まるばかり。
苦しくて、でも吐き出せなくて辛かったこともあった。
そんな時ある人に出会った。
その人はちゃんと自分の意見を自分の言葉で丁寧に、ゆっくりと自分のペースで伝える人だった。
「そっか、自分の言葉を自分のペースで伝えていいんだ。」
私は、求められた時にいかにはやく、そして分かりやすくこたえるかが大切だと思っていた。
でもそれは一つの考えにすぎなくて、完全にそれが満点なものではなかった。
授業を受けるにも、そもそも学校に入学するにも、そしてアルバイトをするにも、面接や話し合いというものがあって沢山自分の意見を求められる。
「いや、求めすぎでは」
なんて、パーにした手を突き出したいが、それが出来ないのが現実で…。だから、本当にその人の出会いがなければ、今もずっと意見を求められることに苦を感じていたかもしれない。
表現をするにも色んな方法があって、それは全部正解で。だから当たり前なんてものはなくて、色んな考えがあっていいんだって…。
あぁ、また心の部屋が散らかりそうだ。でも今度は早めに片付けられそう。
とにかく、私は私らしくもっと私という人間を表現していきたいと思う。
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