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台風23号

いつものごとく、舞台観劇へ。
今月は3回と、行き過ぎである。

今作は、少しリアルで、
考えさせられるような内容だった。

とても印象に残っている。
せっかくだから、書き残しておこうと思う。


先立って概要を少しだけ。

今作のタイトルは【台風23号】
10月の海沿いの小さな街が舞台となっている。

あらすじといえば、特には無い。と感じた。
戦後最大級の台風23号が迫るこの街の
それぞれの人間模様を描いたストーリーである。

W主演、森田剛くんと間宮祥太朗くん。
その他、佐藤B作、木村多江、藤井隆、等
錚々たるメンバーが集結。
作/演出は、赤堀雅秋。


(⚠️ここより下の部分は、ネタバレを含みます。
観劇予定の方は、自衛してください。)

登場人物は、それぞれ、色々な事情を抱えている。
前半は、全員がうまくやっているようにみせ、

実は思いやりがある人なんだ、という人がいたり、
ヒステリックになっていく人がいたり、
だんだんと人間性が見えてくる。

その街に入り込んだような、没入感を感じた。

介護や高齢化のこと
結婚・不倫・再婚のこと
仕事との向き合い方のこと
などなど随所に盛り込まれている、登場人物の境遇が、
あまりにリアルで….

熟考しながら、観劇するのに必死で、
どっと疲れた。


たくさん観劇している私的に、面白いなと感じたのは、
観客(観客)の反応。
世代によって、笑いどころや反応が、違うように感じた。

周りの人は笑ってるけど、若者への皮肉のような気がして、
自分は笑えなかったり。
そしてまた、逆も然り。

それらも含め、
印象に残っている場面を、少し詳細に残しておこうと思う。

印象に残っているシーン。

(⚠️セリフ部分はニュアンスです。記憶です。)

【みんな「長生きしてね」と言う。
でも目の奥は笑っていない。できるだけ早く死にたいよ】
【人に迷惑をかけながら生きていることだってわかっている!】
【結局、死ぬまで生きるしかない】

ストーリーの中で、介護されているおじいちゃんがいる。
そのおじいちゃんのセリフだ。

20代の私。あまり深くまでは入ってこなかった。
でも、いつかそう思ってしまうのかなあ。と想像すると、
哀しく、心に響いた。

客席には、うんうんと頷いたり、ジーンとそのセリフを聞く人もいた。

【そういう生き方もいいと思うぞ】
【がんばれ〜〜〜〜〜〜〜〜!】

上のシーンが終わった後の、若者に対するおじいちゃんのセリフ。

なんか。すごく感動した。

【誰も褒めてくれない!褒めてくれたっていいじゃないですか!】
【でもやるんです。仕事だから!!!!】

間宮くんが壊れるシーン。

幕が開いてすぐは、とても楽しそうに見せていたのに。
実は、とんでもない事件を起こしていた犯人であり、やばいやつだった。

でも見ていると、
元はやばい人ではなくて、やばい人になってしまった。
の方が、正しい。気もする。

私はすごく、この間宮くんのシーンが刺さりました。
もしかしたら、これも受け取り手により、感じ方が違うのかなと感じた。

台風23号

このタイトルの真意は。

間宮くんのセリフで、
【台風来なかったですね。ちょっと期待してました。
一回リセットしたいな。って。】

というセリフがある。
この街の登場人物の、心情がこのセリフにのっているのかなと感じた。


そして結局、この街には、台風23号は来なかった。

この先も、そのまま日々は続いていくのだ。

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