第二話 続き
「まずお菓子を作る前に、お菓子の国に行って、お題を聞きに行こう!何のお菓子を作るのかがわからなきゃ、どうもできないからね。」
その時、いちごの頭には、ハテナマークが浮かびます。
「えっ・・・えっ!!!ちょっと待って、お菓子の国ってさ、一体どうやって行くの?」
「こっち。」
ゴロゴロゴロ、パフェが近くにあった本棚を引くと、光り輝く扉が現れたのです。
「ここが、お菓子の国への入口よ。審査員さんに、会いに行きましょう!さあ、この中に入って!!」
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キィィ・・・バタン
「うわあっ!すごい!」
そこには、ロリポップの木、あめで出来たベンチ、チョコレートの家、お菓子のお城など、すてきな世界が広がっていました。
「審査員さんは、チョコレートの家の中にいるからね。」
「そこに行ってみよう!」
パフェは、ドアをノックしました。
「こんにちは。『スター・パティシエール』の、試験をしてもらいたいの。」
「どうぞ。」
中から、審査員さんの声が聞こえました。
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「ガチャ」
中は、ガラリとしています。
「あれ・・?さっき声が聞こえたはずなんだけど・・・」
「ここです!!ここですよ!!」
びっくりして、いちごは下を向きました。そこには、なんと、小さなクッキーの人形がいたのです!!
「えっ!?クッキー人形!?」
「こんにちは。ぼくは、スター・パティシエール試験の審査員の、クッキーと申します。あなたの名前は、何というのですか?」
「か、河井いちごです・・・」
「スター・パティシエールのことについて、少しご説明いたしましょう。」
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「今回のお題は、『クッキー』です。五日後の、十月十五日までに提出してくださいね。」
「わ・・・わかりました」
いちごは、少し緊張しながら言いました。
「スター・パティシエールの証として、このバッチをもらえます。最初は一つ星で、どんどん星が多くなっていくんです。ちなみに、パフェさんは今、四つ星ですよ!
それでは、五日後、よろしくおねがいします!」
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「・・・あれ!ここ、スイートツリーハウスじゃない!?」
気がついたら、ツリーハウスまで帰ってきていました。
「そうと決まれば、早速、クッキーづくり、進めていきましょう!」
「よーし、がんばるぞー!!」
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~審査当日~
「チーン」
オーブンの音とともに、甘い香りが部屋中にただよいました。
「うーん、いい香り!!!」
二人は、声を合わせてそういいました。
「クッキーさんが小さいから、クッキー自体も小さくしたのは、いいアイデアね!あとはこれを出すだけ!」
パフェといちごは、クッキーを袋に詰めて、ドアへはいりました。
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「それでは、さっそくたべさせていただきます!!」
審査が始まりました。
「・・・・・・・・・・」
一瞬だけ、あたりが静かになりました。
「・・・とっても、幸せで楽しい味がします!そして、ぼくに合わせて、小さくしてくれたのは、あなたたちだけでした。」
「河井いちごさん、あなたを一つ星スター・パティシエールに任命します。」
〈終わり〉三話へ続く!!!