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#19 誠に残念ながら

うつは、そんな簡単に治る病気じゃない。

数ヶ月から数年かけてじわりじわりと自己肯定感を崩壊させていく。

何をやってもダメなような気がして、

何をやっても誰かの迷惑になっているような気がして、

それでも一応はちゃんとやろうとする。

そして自分を目一杯殺して頑張れば、ちゃんとできてしまうことも多い。

だから「大丈夫だった。また明日頑張ろう」と思ってしまう。

咳や腹痛みたいに体がアラートを鳴らしてくれる事はない。

毎日毎日体と頭が悪い方向に麻痺していくから自分自身でもうつの変化に気付けない。

普通の人の辛さとうつの人の辛さがどう違うのかは簡単に答える事はできない。
だって僕自身、この辛さはみんなが毎日抱いている普通の辛さだと思って生きていたのだから。
その違いについては、書けそうな時にまた書こうと思う。


 誰も助けてくれないのなら、僕はどうすればいいのだろうか。

このまま黙って死ぬのを待つか。

それも悪くないけれど、そう簡単には死ねない。

まだ僕は36歳で体もほとんど健康だ。

病気になっても最新の医療で治されるし、
延命措置を希望しないような親でもない。

親も高齢だけど生きているし僕が死んだらきっと、ずっと悲しむだろうしそんな悲しみは与えたくない。

友達だってきっと多少は悲しんでくれる。

正直いうと僕はこの世界をいつ辞めてもいいのだけれど、

そうはいかない理由がたくさんある。

だから今の所は生きるしかないのだ。

生きる事は決まっている。

誠に残念ながら。

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