留型(とめがた)とPB(プライベートブランド)
共通点
特定の小売店でのみ販売するために、小売店とメーカーが仕様等を合意して製造される。
相違点
ブランド表示が異なる
留型:メーカーのブランドを表示する。
PB:小売店のブランドを表示する。
個人的な感想(一消費者としての目線も加味して)
PBの理想と現実
PBは、メーカーよりも消費者に近い小売店が、消費者の嗜好・志向を踏まえて主導的に仕様を決めるもので、既存のNBにはない価値をつけることに本来的な意味がある。
既存のNBにはない価値をつけるとは、例えば品質を上げる方向での価値づけ(潜在的需要としては存在するが市場にその価値を実現した商品がない場合など)だったり、値段を下げる方向での価値づけだったり、これらの混合だったり、色々あり得る。
もっとも、PB本来の目指すべき状態とは裏腹に、実際にはNBとほとんど仕様が変わらない、少なくとも消費者目線で違いが分からないPBも少なくない。メーカーが提案する仕様をほぼそのままPBにしている場合もある・・パッケージが違うだけじゃん、みたいな。
留型の現状
留型は既存のNB(ナショナルブランド)商品をベースに、ほんの少し仕様を変えるイメージ。よくあるのは分量を変える方法。自社の小売店では単身者が多いのでファミリー層を想定した既存のNBではイマイチ売れないが、分量と価格を下げたらもっと売れるだろう、という意図で分量と価格を下げた留型を作る場合など。留型が増えてきた背景には、上記のようにNBとの違いがよく分からない、なんちゃってPBが増えたので、だったらいっそメーカーのブランドのままでNBのマイナーチェンジの商品を作ろう、という考え方が背景にあるような気がする。マイナーチェンジなので、消費者の需要・動向の分析、用途の絞り込み、仕様の練り込みといった小売店側の労力も含めて、PBよりは開発にかけるコストは低いと思われる。ただし、その分価値づけも大したことはないので、大ヒット商品は少ない印象。