最終面接の壁。鉄道系IT企業の選考から得た気づき(多浪の就職活動編#13)
こんにちは。実質多浪の社会人ロクです。
実質6浪で大学に入学し、大学3年生から新卒として就職活動を開始。初めの頃はエントリーした企業のほとんどが書類選考で不合格。2社のみ次の選考に進みましたが年齢が理由で不合格となってしまいました。
「多浪では就職できないんじゃないか…」と心は一度折れかけましたが、大学のキャリアセンターで職員が見せてくれた、私と同じく多浪という境遇にあった先輩の就活体験記に励まされ、就職活動を再び頑張ることを決意しました。
就活開始からすでに70社以上にエントリーし、その頃から書類選考を通過するようになりました。志望するIT業界の中で、大手鉄道会社のSIerの一次選考を突破し、次の最終面接に挑みます。
前回の話はこちら。
最終面接の対策を練る
大学3年生の10月に本格的に就職活動を開始してから4ヶ月。その間一度だけ最終面接を経験しましたが、最後の最後で年齢を理由に不採用となってしまいました。
対策を十分練って挑んだものの、
「最終まで行ったのだから受かるんじゃないか」という慢心がありました。
そのため、翌日その企業からお祈りメールが届いた時はひどく落ち込みました。
今回は人生で2度目の最終面接。前回の悔しい経験を踏まえ、手を抜かずに企業研究や面接対策をします。
鉄道系SIerの面接会場に向かう
最終面接に挑む会社は、鉄道会社のシステムを担うSIerです。大手鉄道会社の子会社です。
親会社の本社と同じビルに入っており、とても立派な高層ビルでした。
面接会場に到着すると、待合室には2~3人の学生が待機していました。若い人事担当者が面接の流れを丁寧に説明してくれます。
最終面接から交通費が支給されました。また、人事担当者の穏やかで優しく丁寧な対応がとても印象に残っています。
人事担当者は会社の雰囲気や風土を表す存在だと感じました。そこから、とても安定していて余裕のある会社だという印象が強く残っています。
最終の役員面接に挑む
そうこうしているうちに、私の出番が回ってきました。人事担当者に声を掛けられ、最終面接である役員面接に向かいます。
人事担当者からの「頑張ってください!」という前向きな声掛けがとても励みになりました。
緊張しながら面接室のドアをノックします。
最終面接の雰囲気に気圧される
面接室に入室すると、会社の役員と思われる面接官が2人座っていました。
一次面接の穏やかな雰囲気とは対照的に、重苦しい空気が漂っていました。面接官の表情はどちらも非常に厳しそうでした。
年齢は二人とも50歳代。親会社である鉄道会社から出向してきた役員です。ザ・昭和な雰囲気を醸し出す役員でした。
面接が始まり、自己PRや志望動機などの基本的な質問に答えていきます。面接は次第に進んでいきました。
…しかし、私の回答にほとんど反応しない役員。
表情は厳しいままです。
重苦しい雰囲気の中で回答を続けましたが手ごたえを全く感じませんでした。
面接の終盤、面接官からこんな質問をされました。
面接官「君は本当にうちのシステムエンジニアとして働きたいの?本当は親会社のブランドだけで志望したんじゃないの?きっとそうだよね?」
もちろんそうではありません。
私は「ここで負けてはいけない」と思い、なぜこの会社でシステムエンジニアとして働きたいのかを力強く説明しますが、私の回答に対し面接官はため息をついていました。
面接官「鉄道会社のブランドだけで志望したとしか思えないね~…」
親会社、鉄道会社のブランドの話など私からは一切触れておらず…なぜ面接官がこの部分にこだわっているのか分かりませんでした。
まさに圧迫面接でした。
この雰囲気に圧倒されてしまい、本来の実力を発揮できないまま面接は終了しました。
手ごたえもなく、散る…
最終面接の面接室を出た後、さきほどのとても感じの良い人事担当者が声をかけてくれました。
人事担当者「お疲れ様でした!感触はどうでしたか?」
私「いえ…。かなり厳しい手ごたえです。せっかく面接前に声をかけてくださったのに申し訳ありません。」
人事担当者「そうですか…。」
その後、人事担当者から交通費を受け取り面接会場を後にしました。
そして、最終面接から3日後。
私の元に会社からメールが届いてました。
お祈りメールでした。
しかし、この結果は納得です。
何度も不採用通知を受け取るうちに慣れてしまい、以前ほどショックを受けなくなりました。
「次は頑張ろう…!」と気持ちが高まってきました。
最終面接で得た大事な気づき
この会社での最終面接の時のことを振り返ります。
何がダメだったのか?冷静に考えました。
最終面接では、面接官から「親会社に惹かれて志望したに違いない」というほとんど言いがかりのような質問をされました。
…よく考えましたが、どのように説明しても面接官を納得させられるイメージはつきませんでした。
ただ、面接官から言われた
「君は本当にうちのシステムエンジニアとして働きたいの?」
…という言葉が引っかかりました。
「私は本当に、IT企業でシステムエンジニアとして働きたいのだろうか?」
もともと私は、IT企業は「年齢に優しく、多浪でも就職しやすい」という情報をインターネット掲示板で見つけたため、IT業界一択で就職活動を進めてきました。
しかし、この役員の言葉をきっかけにして、IT業界以外の会社もエントリーしてみようと思いました。
単純で短絡的な思考…とも言えるのですが、この鉄道系SIerの選考で受けたことで鉄道会社に興味を持った私は、鉄道会社にエントリーすることにしました。
役員の言葉通り、
本当に鉄道会社のブランドに惹かれて受けることにしました。
この圧迫面接での役員の言葉が、私の転職活動の大きな転機になろうとは、この時点ではまったく想像もしていませんでした。
続く。