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ワイナリーあるある#6

「終わらない草刈り」

本編

僕…6月は需要が減るため、出荷が少なく少し暇。
酒田さん…醸造作業に疲れたら、畑作業で気分転換する。

季節は梅雨の時期。

僕「今日は雨振らないみたいだから、畑行くかー。
何すればいいですか?」

酒田「草伸びてきてるから草刈お願い。」

僕「あれ?つい最近草刈やってませんでした?」

酒田「雨も降ったし、あっという間に草伸びちゃってるんだよね。この時期の草刈りはエンドレスだから。」

僕「えぇ、本当かなぁ。」

軽トラに草刈機を積んで畑に行く。

畑に着くと、草が伸びてモサモサしている光景が!

僕「本当だった」

解説

草刈りは畑作業の中でも大事な作業です。
作物に関わる主たる作業ではないものの、草を刈ることにより
・歩きやすくなって作業効率UP
・病害リスクの減少
といった効果があり、これを怠ると自分たちの畑だけでなく、隣接する周りの畑にも被害が出るため、グリーンシーズンはこまめに草刈りを行います。

畑の大部分は、乗用モアと呼ばれるゴーカートみたいな乗り物に乗って草刈りをやります。
他の農家さんは簡単そうに乗りこなして見えるのですがやってみると意外と難しく、スピードが早すぎるとバンパーで倒した草が起き上がる前に通り過ぎることになってしまい、キレイに刈れません。
かといって遅すぎると時間がかかってしまうので、草刈機のパワーや草の伸び加減を見極めて微妙にスピードを調節しながら、草がきちんと刈れる1番早いスピードで乗用モアを乗りこなしていきます。

そんなこんなで最適解を導き出して理論上最短時間で畑をまわっても、ワインぶどうの畑は広大なので1周目が終わる頃には最初の方は草が伸び始めてきます。
また、乗用草刈機だけではなく、刈払機(皆ビーバーと呼ぶ)で木のすぐ根本周りも刈らないといけないのでさらに時間がかかります。
特に梅雨の時期は伸びるのが早いです。

ワイナリーによってはほぼ草刈り専門になっている人員がいるとかいないとか。

ちなみに「ビーバー」は山田機械工業のブランドなのですが、他社のでもビーバーって言っちゃいます。
クロネコヤマトの「宅急便」みたいなものですね。

そんな苦労が詰まっている、日本ワインを飲んで応援してください!

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