インストラクショナルデザインとコーチングの融合:効果的なコーチングプロセスを目指して
私は「インストラクショナルデザイン」と「コーチング」という2つの分野に取り組んでいます。インストラクショナルデザインは日本語で「教授設計」と訳され、教育やトレーニングの効果を最大化するための設計手法を指します。一方で、コーチングは学習支援や問題解決のための手法として広く活用されています。
コーチングの「GROWモデル」
特に注目しているのが、ビジネスコーチングの中で有名な「GROWモデル」です。これは、目標設定(Goal)、現状把握(Reality)、選択肢の検討(Options)、意思決定と行動(Will)という4つのステップで構成されています。
インストラクショナルデザインの動機づけモデル「ARCSモデル」
私はこのGROWモデルをさらに効果的に展開するために、インストラクショナルデザインの「ARCSモデル」を組み合わせることを考えました。ARCSモデルは、学習者のモチベーションを高めるための手法として知られています。
これをGROWモデルと融合させることで、コーチングプロセスをより効果的にできるのではないかと考えています。
GROWモデルとARCSモデルを融合したコーチングプロセス
オープニング(導入)
Attention(注意): コーチングの重要性とセッションの目的を説明し、クライアントの関心を引きます。
例: 「今日のセッションでは、あなたのキャリア目標を具体化し、そのための道筋を描きます。」
目標設定と現状把握
Goal(目標): クライアントと共に具体的で明確な目標を設定します。
Relevance(関連性): 目標がクライアントにとって重要であることを示します。
Reality(現状)とGap(問題): クライアントの現状を確認し、目標達成の障害を把握します。
選択肢の検討と意思決定
Resource(資源)とOptions(選択肢): 目標達成のための様々な選択肢や戦略を考えます。
Confidence(自信): クライアントが選択肢を実行する自信を持てるようサポートします。
行動計画の策定と実行
Will(意思): 選択肢を実行に移すための具体的な行動計画を立てます。
Satisfaction(満足感): クライアントが目標達成に向けた進捗を感じ、満足感を得られるようにします。
クロージング(締めくくり)
Summary(まとめ): 今日のセッションで話し合った内容と決定事項をまとめます。
Next Steps(次のステップ): 次回のセッションの予定と準備することを確認します。
Positive Reinforcement(ポジティブな強化)とGrowth(成長): クライアントの努力を称え、ポジティブなメッセージで締めくくります。
このプロセスは、クライアントの目標達成とモチベーションの向上を同時にサポートする効果的なコーチング方法として機能するでしょう。私自身もこれから実践を通してその効果を確認していく予定です。もし職場でコーチングの機会がある方は、ぜひ参考にしていただき、感想をお聞かせいただけると幸いです。
この記事は、弊社のメルマガ「KOJO井戸端会議」の過去の記事からピックアップし、note用に再編集したものです。
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