【読書まとめ】なぜヒトは心を病むようになったのか?小松正 著 ~VOl.2~


「戦争」

同じ集団のメンバーに対する高度な利他性はヒトの特徴である。この特徴や敵と味方の境界を動かすことが可能である点を踏まえると、外集団に対する敵対心をなくし、戦争回避につながる実効性のある新たな仕組みを開発することも不可能ではない。

「宗教」

近年の宗教に関する研究を調査すると、神を信仰することは個人にとっても集団にとっても有益であったという可能性がある。
ヒトは自分が観察されていることを意識した状況では、利他的に行動する。いつでも自分を見ている絶対的他者としての超自然的行為者(神やそれに類似したもの)が存在すると仮定することは、誰も見ていないという楽観的な考えを打ち消し、自身の反社会的行為を抑制する効果を持つと期待できる。

「組織」

【心理的安全性】チーム内で率直に自分の意見を述べても他のメンバーから拒絶されたり攻撃されたりすることなく、対人関係の悪化の心配はないという信念が共有されている状態。①話しやすさ、②助け合い、③挑戦、④新奇歓迎を要素とする。
心理的安全性を低下させる4つの不安は次のとおり。
⒈無知と思われる不安
⒉無能と思われる不安
⒊邪魔になるのではないかという不安
⒋ネガティブになる不安

ジェンダーの多様性を高めることで、地位を巡る対立が集団の心理的安全性に及ぼす悪影響を低減できる可能性がある。
また、倫理的リーダーが存在する組織は、従業員に職場での不確実性を低減する情報を提供する意味で、心理的安全性の高さを関連がある。

【ヒューマンセントリック】ヒトが機械に合わせるのではなく、機械の方をヒトの特性に合わせたものにするという発想。科学によって、人間本来の自然な状態を実現しようという取り組みがなされていることは、科学が「自然派」(人間本来の自然な状態に還ろうという考え方)と対立するものではない。


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