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【#7 読書記録】 琥珀の夏


理想の教育のためと謳い、大人たちが築いた場所で翻弄され続けた子どもたち。真実は…。どうしてあの子が死んだのか。
どうして、誰も教えてくれないのか。


『琥珀の夏』 辻村深月


人それぞれタイミングは違うけど、必ずやってくる大人の本当の姿を知る時期。


教育に一生懸命になる親は、本当に「子供のため」を思う気持ちだけなのだろうか。
そこに自分のエゴが入っているとしっかり、理解できている大人はどれくらいいるのだろう。


「自分の将来のためでしょ」と、”子供の将来”という曖昧なものを大事にして、彼らとの今を蔑ろにしたことはないだろうか。


子供には、いつもキレイゴトを話して、頭を撫でて、抱きしめて守ってあげている裏で
その子たちとあまり年齢が変わらない子たちの裸や制服姿を、ひとりの時間の楽しみにしていないだろうか。


誰かのためと築いた、高尚な理念を掲げたものを神格化しすぎて、それを守りたいがために、大切な誰かを犠牲にする本末転倒さ。


大人の嘘
大人が他人に責められているところ
大人の罪
大人の本性
大人の本音
大人の人間関係
大人の性事情


子供心になんだか、見ちゃいけない、知っちゃいけないと
目を瞑りたくなること。


大人が子供に教えたくないことって、なんで教えたくないんだろう。
聞いちゃいけない雰囲気を、なぜ子供はしっかり感じるんだろう。
なぜそれを、なんの疑いもなく、自分の子供へ、次の世代へ渡すんだろう。


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最初の方は、
物語のあらすじにある通り、静岡県で女児の白骨遺体が発見され、それに関わりのある人物や、その人たちの過去のお話がメインでした。

高尚な理念を掲げる「ミライの学校」は物語の最初の方こそ、読者にすら「画期的なすごいところだな」と思わせるほど、普通の学校とは異なる教育をしている場所です。

女児の白骨遺体が発見されたことにより、
当時そこで暮らしていた、または夏休みの間だけ合宿に来ていた人間が、約30年の時を経て繋がり、その「ミライの学校」と白骨遺体の事件の真相にせまる物語です。


物語の中では、
親と子
教師と子供
子供同士
大人同士
大人と子供


難しい関係性の中で、みんな知っている、経験したことある、見たことがある
だけど知らないふりをしていたり、自分は違うと目を瞑ったりしている問題とたくさん対峙させられます。


重い話が、後半たくさん出てきて
読後は精神的に疲弊した、感じです。(いい意味で)


最後まで読んで、もう一度最初から読むと、
印象や感じ方が異なりそうです。忘れないうちに、機会があったら読み直そうと思います。





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ここまで見ていただき、ありがとうございます。

\ わたしのこと /
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