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225.コロナよりも恐ろしい「ネット感染症拡大」どんどんと企業も汚染されていく、これに効くワクチンは法的制裁しかないのでしょうか?
1.「ネット上の生贄に総攻撃」
ある日、あなたの知らないところで、あなたの悪口や批判が他人のフェイスブックやツイッターなどのSNS投稿に掲載されていたとしたらどう感じるだろう?
悪口や中傷ぐらいなら気にしないという人もいるかもしれない。
そんなもの、見なければいいのに、と言う人もいる。
だが、気になってしまう…
では、身に覚えのない中傷やまったく事実に反することだったりしたらどうだろう?
それでも気にならない人もいるかもしれないが、仕事や私生活について勝手に公表されていたらどうだろう?
自分は何も発言していないのに名前を載せられ、あたかも自分の意見として公表されていたらどう思うだろう?
家族の生活が脅かされ、仕事の信用を失い、名誉を失う。
中傷は、個人にかなりの衝撃を与える場合がある。
当時の、ひろゆき2ちゃんねるがまだ見れる状態
私と私の知人が「2ちゃんねる」で中傷された。
25年前のことだ。
当時は、なんの規制もなかった…。
個人名、会社名、会社内容、銀行口座を勝手に公表し、会社の批判、加えて「詐欺師」とまで掲載されていた。
このことに怒りを覚えた知人は、中傷文の掲載されている「2ちゃんねる」の掲示板で討論を始めることにした。
周囲の人たちは、そんな相手などする必要はないと忠告したが、本人としては、ありもしないことを書かれ、会社にも損失を与えられ、このまま泣き寝入りするわけにもいかないという思いで掲示板にメッセージを送った。
しかし、まったく話し合いにならないことから、知人は感情的な文を送った。
「堂々と顔を出せ~匿名なんて人としての資格がない、出てこい~」と。
すると、一斉に彼への個人攻撃が始まった。
匿名で何が悪い、
偉そうな口を叩くな
何様だ
ふざけるな
殺すぞ
家族のことを何でも知っている
子どもの学校に行くぞ
取引先にばらすぞ
その他…。
ありもしないことばかり…。
みんな便乗して攻撃をし始めた。
最終的には、その攻撃は収拾が利かなくなり、
彼はネット上で孤立してしまった。
何を説明しても、きちんと対応しても歯止めがかからない。
挙句に「バカ」「詐欺師」「詐欺集団」「人を騙して商売している」「うそつき」と掲示板が炎上となった。
その後、知人は真面目に対応したことが裏目に出てしまったと反省していたが、会社の信用を失ってしまったことは深く遺憾の様子だった。
ブログ炎上の被害者は、しばしば個人情報を割り出され、自宅や会社、時には本人の顔写真や家族の写真、自宅の写真、プライベートなものまで勝手にネット上にさらされてしまう。
(今でこそ『殺すぞ~』などいえばすぐに警察のお世話となるが、当時は警察は動かなかった。もちろん、主催団体のひろゆきしも一切表に出ない…)
インスタ、ツィッター、その他のSNS投稿、ホームページやブログのすべては、著作権、著作者人格権、肖像権、プライバシー権、個人情報、名誉毀損、その他の権利のカタマリともいえるもので、一般マスコミの評論や記事などをみていると、この中の「名誉毀損」のみがスポットを浴びているが、このように複雑な権利関係が絡み合っていることを知る必要がある。
最近のSNS投稿を見ていると、他人の悪口や中傷文がかなり目立ってきている。子どもたちのスマホの世界でも同じようなことが起きている。それはねメールやラインの世界でも。
今までは、個人のインスタやツィッターの内容は、一般的な信憑性はないといわれてきたが、見も知らぬ他人の言葉で触発されてしまったり、事実を無視した憶測だけで他人を攻撃したりと無法地帯となっていることがよくむわかる。
また、ネット上では不特定多数の人たちの目に触れるわけだから「個人的な利用」とはいえない。
むしろ「公なメディア」ともいえる。
言葉は他人を威嚇したり、傷つけたり、恐怖に落とし込んだりすることも可能だ。これを「暴力」と言わずしてなんと呼ぶのだろう…。
警視庁の狙いは事実無根の書き込みが拡散し、新たな中傷を生むネット社会の悪弊に歯止めをかけることだという。
ネット先進国と呼ばれている韓国では2009年(平成21年)、ネット上の中傷を苦にして自殺した人気女優を契機に「サイバー名誉毀損」という法律を新設させた。
日本も頑張って欲しい…。
2.サンリオキテイちゃんが著作権侵害で訴えられた
2008年(平成20年)5月15日のこと。日本では、『冬のソナタ』に始まった韓国ドラマブームがまだまだ続いている。
当時、テレビドラマで大ヒットを飛ばしていた『宮廷女官チャングムの誓い』『チュモン』『ファン・ジニ』の版権を持つ韓国KBS、NBC(地上波放送局)と製作及びキャラクター事業代行3社が、ソウル中央地方検察庁へ、ハローキティの韓国事業権社であるサンリオ・コリアとキャラクター代行・デカリオを相手に、商標権侵害と不正防止法、営業秘密保護に関する法律違反などの疑いで告訴した。
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今、サンリオのデザインしたハローキティは、日本全国のご当地キャラクターとして各地の特色を活かしたキャラクターに変化している。
キャラクター自体は変わらないが、衣装であるとか、名物を模ったりと演出効果によるご当地キャラクターとして愛されている。
最近では、映画のイメージなどを取り入れた新しいキテイちゃんなども登場しはじめ、大人気の韓国ドラマのキャラクターを無断で使用しているとして損害訴訟を起こされた。
また、この訴訟で注目されていたのは損害賠償額の大きさでもあったが、なんと、2月の段階で15億ウオン、検察捜査により収益規模が明らかになれば、追加損害賠償額が100億ウオンを超えるともいわれていた。
サンリオ・コリアとキャラクター事業代行のデカリオは、2004年からネット販売や全国免税店などを通して、人形やチャングム携帯ストラップ、ハンカチ、チュモン・ソソノボールペンなど20種類の商品を許可なく販売していた。
サンリオ・コリアはそれを黙認していたとして告訴対象に含まれたという。
キティちゃん商品は、現在、世界60数カ国で毎年約1500億円の収益を上げ、韓国では年間70億円から100億円の収益を上げている。
いまやミッキーマウスとともに世界的なキャラクターである。
そもそもキャラクター本体は変えず、衣装や髪型、持ち物やイメージ利用によって何にでも変化させてしまうというのは、キューピーちゃん人形も同じ。最近ではケンタッキー・フライドチキンのカーネル人形やペコ・ポコちゃん人形なども衣装によって変身させている。
もともとの発祥は日本だが、10年ぐらい前だろうか、漫画家・長谷川町子さんのサザエさんと漫画家赤塚不二夫さんのバカボンパパを合体させた「サザエぼん」、ドラえもんとバカボンパパを合体させた「ドラエぼん」などの合体キャラがその走りといえる。
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しかし、それを作った関西の業者は、最終的に著作権侵害で大量の返品と在庫を抱えて倒産してしまったという経過がある。
しかし、この場合は関西の業者の著作物ではなく、他人の著作物との合体キャラクターだったため侵害行為となったが、キテイちゃんの場合はれっきとした著作権者であり、他人のものは衣装とか小物にすぎない。
あとは他人のイメージ利用である。
韓国の裁判所がどう最終判断を下すのか注目が集まった。
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3.前回のコメントより
私たちの、日常の生活や仕事場、それ以外の人の集まる葉所でも、悪口、陰口、暴言、中傷、誹謗だらけのような気がします。友だちや、同僚、上司と、これらをデジタル文字でまとめただけでも大変な数となります。これが、裏ではなく、表立って直接言えばパワハラやセクハラにもなります。誰もが不満がある以上は止められないものですが、ネット上は不特定多数、たくさんの人が目にするのですから、まるで違うものですね。
これからの時代は、さらに言葉に注意がとても必要な時代ですね。
私たちはもう歳なので今さらとは思うのですが、この時代には子どもたちがこのネット情報に振り回され、陰湿なネット上の苛めが現実には終わりのない世界です。もう、スマホを手放せない子どもたち、大人も同じ。その情報を鵜呑みにして、知らず知らずに洗脳され、動かされています。真実ってネットやマスメディアにすら存在していないのに、それでも信じ込む。そのための弊害が、誹謗中傷、嫌がらせ、虐め、悪ふざけになっている気がします。そのために子どもたちがいのちを落とすのですから。
私たちは、大人はこの事実を正しく伝えていく必要を感じています。
相変わらずの壊れた競争社会、勝ち負けの世界。
他人を常に意識する世界。
そう、仕向ける社会と拝金主義。
犠牲になるのはいつも子どもたちと弱い人たち。
人を攻撃する人の心理は、優越感しかありません、人間や動物の虐待も同じ。強い者には怖れを抱き、弱き者わ恐れさせ、自分を誇示したり、自分に服従させることが彼らの優越感です。私たちからみれば異常なのですが、自分たちもそうされているにも関わらず、同じ真似をしてしまうのです。自分だけ、自分がよければいい…。そんな輩が増えているのも事実です。
まさに、距離を置くこと。
コロナよりも恐ろしい「ネット感染症拡大」ですね。
目立ちたい、有名になりたい、注目されたい、もてたい、好かれたい、愛されたい、恰好つけたい、お金が欲しい、儲けたい、という自分軸を失う人間たち。ものごとのすべては他人事。そして何でも自分事。
どんどんと企業も汚染されていく、感染拡大。
これに聞くワクチンは法的制裁しかないのでしょうか?
どんどんと、みんなが訴え続けることしかないと思うのです。
※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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