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194.「カメラマンに無断で写真をデジタル化」小学館に賠償命令!

※注 この著作権noteは2004年からの事件を取り上げ、2005年、2006年と取り上げ続け、現在は2007年に突入。今後はさらに2008年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
                           特非)著作権協会

1.「インド式計算ドリル」のブームに便乗した関連本ズラリ


 2007年7月18日のことですが、最近、本屋に行くと「インド式計算ドリル」という本がいっぱい並んでいる。
実際、どれが本家で、分家なのだかはわからない~
まさに便乗商法だともいえる。
2022年、現在はさらに無限に増え続けている不思議なドリルである。

中村亨著 監修 加々美勝久 晋遊舎 (2007/3/1)より



×など2けた以上のかけ算が簡単に解けるという「インド式計算」がブームとなっている中で、同タイトルや似たような表紙の本が複数発行されていることに対し本家発売元は、「購入者に誤解を生じさせ、明らかに著作権法に違反する」として、販売中止を求める抗議書を送った。

抗議したのは、本年3月に『インド式計算ドリル』(中村亨著、加々美勝久監修)を出版した普遊舎だ。

インドの子どもたちは高い数学力を持っている。
そして、2ケタ同士のかけ算を九九のように暗唱できるといわれている。
それにちなみ、2ケタのかけ算方法を「インド式計算」と独自に命名し、題名にもつけて出版したところ、20万部のベストセラーになった。

そこにブームに便乗して、関連「インド式」と名乗る算数・数学本が約20冊に膨れあがってしまった。

それでも微妙に違うタイトルに関しては静観していたが、この年の6月になって、『頭がよくなるインド式ドリル』遠藤昭則著(KKベストセラーズ)と『インド式 東大生が教える!超計算ドリル』山根道彦監修(メディアボーイ)は、ほとんど同じタイトルで店頭に並んだのだ。

よく見てみると、2冊ともよく似ている。

それに、あまり似ているため、誤って買ってしまう恐れもある。
一体、この結末はどうなるのだろう? 


KKベストセラーズ側も、メディアボーイ側も、「対応は弁護士に任せているためコメントできない」としている。

両者とも弁護士をいれるほどヤバイということなのだろう! きっと。

2.「カメラマンに無断で写真をデジタル化」小学館に賠償命令


 2007年5月30日。小学館に賠償命令が下る。

これは、有料データベース作成の準備のための無断複製で、写真の著作権を侵害されたなどとして、フリーカメラマンが小学館を相手取り、約3200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。

清水節裁判長は、「たとえ準備段階での複製行為でも著作権侵害に当たる。」として、小学館に対して紛失フィルムの損失分も含め328万円の損害賠償を命じた。

判決によると、フリーカメラマンは1998年より2003年6月ごろまで、小学館発行の雑誌「サライ」に掲載するための写真を小学館からの依頼で撮影した。

小学館は、その掲載した写真を有料データベースに利用しようと、カメラマンの許可なしに写真(ポジフィルム)計407枚をスキャナーでデジタル化しサーバーに取り込み複製していた。

この話もよくあることだが、代金を支払った写真は自分のもので自由に利用できるという勝手な考え方が多い。

そのため、許諾は必要ないと考えてしまっている。
雑誌の写真掲載の契約のもとにデジタル化の約束があるか、デジタル化するときにカメラマン (著作者)の許可を取っていれば、このような問題は起こらない。

また、写真の著作物を第三者に譲渡してあったとしても、著作者には著作者人格権が残っているために、再利用する場合には必ず許可が必要だ。




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