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255.住宅地図ゼンリン無断使用は許さない!グーグルマップもね~
1・NHK放送番組「武蔵MUSASHI」は「七人の侍」の盗作だとして提訴された
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2004年(平成16年)2月21日、NHK放送総務局長の定例会見が行われた。
これは昨年放送のNHK番組「武蔵MUSASHI」初回の演出が黒沢明監督の映画「七人の侍」の盗作だとして提訴された内容と一部で史実を無視した内容だと批判されている今年の「新撰組!」の両大河ドラマについての質疑があった。
NHK放送総務局長の関根昭義氏は「武蔵MUSASHI」については「著作権侵害はない」とこれまでの主張をくり返した。
同放送の出田幸彦副総務局長は一般論と断った上で「制作にあたり大昔の映画や本のイメージに影響を受けることはある」として、それが必ずしも著作権侵害に当たるとはいえないとの認識を示した。
また、新撰組の史実に関しては「時代考証に二人の専門家がついているが史実としてあり得ないことは描けないが、可能性としてあり得るなら作家が描くことはある」とした。
しかしNHKのこの発言はかなりあいまいだ。
黒沢監督の長男、久雄氏の訴えによると、「武蔵」の第一話で村人が侍を雇って野武士と対決するストーリーのほか、8カ所が酷似しているという。
その中で特に、地面に抜き身を突き立て、激しい闘いで刀が折れたとき、その抜き身を抜いて、再び立ち回るシーンは「七人の侍」の三船敏郎の名場面としてあまりにも有名な部分。
この第一話放送後、週刊誌で盗作疑惑が指摘されると、NHKの番組制作局長は「黒沢明監督に対する尊敬の念で入れてしまった」と謝罪を入れたのに、著作権使用料を久雄氏が請求したところ、このように態度を豹変させてしまった。
また、「武蔵」の脚本を書いた鎌田敏夫氏は「俺たちの旅」「金妻シリーズ」を手がけた作家だが、著作者の声が一切聞こえてこないこともおかしい。
黒沢氏側は、NHKや鎌田敏夫氏に対し、損害賠償1億5400万円と、再放送やビデオ化の差し止めを求めている。
しかし、その後…。
2.住宅地図ゼンリン無断使用は許さない
住宅地図といえば日本最大といわれる東証二部上場企業「ゼンリン」が著作権侵害で二社を提訴した。
その1社はパイオニアの100%子会社の「インクリメント・ピー」。
この著作権侵害はゼンリンのパソコン用地図ソフトを一本だけ購入して、社内2000台のパソコンで共有、自社製のカーナビ用地図ソフトに流用したとして、ゼンリンは地図ソフトの元データの廃棄と12億6000万円の損害賠償を求めた。
2社目の相手は北海道の同業者「北海道地図」という会社。
この会社は自社製の住宅地図帳にゼンリンの地図をスキャンして流用していた。
しかしゼンリン側にも困った問題、課題が残る。
ゼンリンの地図は、全国の不動産業が現地案内にコピーして利用したり、営業マンが訪問先周辺の地図をコピーしたりする程度は黙認しているらしいが、最近は不動産屋が、地域のマップを作成したり、自社のホームページ上に地図を掲載するにあたっては、正式にゼンリンに許可を得て利用するところもある。
また、その反面、ゼンリンに無許可で勝手に利用しているところもあり頭をかかえているという。しかし、今回の2社の場合は、ゼンリンの地図を勝手に使用し、ましてやゼンリンの競合品を作って売るのだから、これではたまらない。
そこで2社を訴えることにしたという。
しかし、そこまでゼンリンに情報網があるのかといえば、2社ともその会社の従業員からの内部告発がきっかけで、その事実をつかんだという。
通常は、無断利用された場合、抗議すると大抵はお詫びとともに収まるケースが多いが、提訴する場合は相手がそれでも聞き入れない場合。
この2社の場合は相手方が抵抗し、聞き入れなかったという。
では抵抗の理由とは一体何だろうか。
インクリメント社は、「ゼンリンのソフトは競合他社製品を研究する目的で購入したもので、サーバーに置いたのは事実だが、自社製品には流用していない」と反論している。
ゼンリンでは、2002年(平成14年)より同社の地図をコピーして使うユーザーから、複製許諾料金を徴収し始めている。
3.女子十二楽坊の曲は無断使用
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「女子十二楽坊」といえば、今日本で最も人気のある中国の音楽グループ。
シンガポール人作曲家のアンドリュー・ラム氏(38)は、2004年2月26日にこの女子十二楽坊を「著作権侵害」で訴訟を検討していると発表。
これは女子十二楽坊のアルバムに自分が以前発表した曲が無断で使われ、勝手に曲名を変えられて使用されたという。
これに対し中国側プロデューサーは「著作権問題はすでに解決済み」とし、日本のアルバム販売元は「使用許諾を得ている」としていた。
しかし、ラム氏によれば、女子十二楽坊が中国デビュー時に発売したアルバムに、ラムの氏が台湾アーティストに提供した三曲が無断で使われ、うち二曲は曲名も変えられてしまっていた。
2003年日本で発売されて大ヒットしたアルバム「ビューティフル・エナジー」にも、このうちの一曲「無詞 (NOWO RDS)」が、改変された曲名のまま入っている。
友人から無断使用を知らされたラム氏は2003年、中国音楽著作権協会に抗議したところ、その協会からは「3曲分で6百元 ( 約7,800円 ) を受け取れる」といわれたという。
また、日本音楽著作権協会との間では、販売元から最低でも22万シンガポールドル (約1,400万円)を受取る権利があることを確認したという。
中国で女子十二楽坊を育てたプロデューサー王暁京氏は、「当初は作曲家が分からず、著作権料は中国の法律に従いCD発行元に支払った。
その後作曲家がわかったので、日本分は日本の発売元が支払っているはずだ」と説明。
これで著作権問題は解決済みと主張した。
しかし、中国での著作権料は、わずか7,800円に対し、日本の著作権料は当然大ヒットを飛ばしたのだからといっても約1,400万円受け取れる差があまりにも違いすぎる。
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※注 この著作権noteは1999年からの事件を取り上げ、2000年、2001年と取り上げ続け、現在は2002年に突入。今後はさらに2003年から2020年~2022年に向けて膨大な作業を続けています。その理由は、すべての事件やトラブルは過去の事実、過去の判例を元に裁判が行われているからです。そのため、過去の事件と現在を同時進行しながら比較していただければ幸いでございます。時代はどんどんとネットの普及と同時に様変わりしていますが、著作権や肖像権、プライバシー権、個人情報なども基本的なことは変わらないまでも判例を元に少しずつ変化していることがわかります。
これらがnoteのクリエイターさんたちの何かしらの参考資料になればと願いつつまとめ続けているものです。また、同時に全国の都道府県、市町村の広報機関、各種関係団体、ボランティア、NPО団体等にお役に立つことも著作権協会の使命としてまとめ続けているものです。ぜひ、ご理解と応援をよろしくお願い申し上げます。
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