たまたま見始めた『鴨乃橋ロンの禁断推理』が当たり作品だった
何かのアニメにハマると、推しキャラの声優さんのことも推すようになり、推し声優さんの別の作品を漁るようになる。
そこで最近見始めたのが『鴨乃橋ロンの禁断推理』というアニメ。
どんな内容かさっぱり分からない状態で「阿座上さん出てるから見るか」みたいなほぼ惰性のように見始めたら、私が最も弱いバディ探偵ものだったから大変だ。
しかも頭の良い方が凡庸な方へクソデカ感情を持っているとなったらもうダメだ。
見続けるしかない。
そもそも<天才的な推理力を持った男が、大した能力のない男へ執拗なまでの感情を持っている>構図は、シャーロックとワトソン以来、関係性萌えする人間にとっては鉄板ネタなのだ。
あとは作品内容の良し悪し次第で評判の度合いが変わる。
『鴨乃橋ロンの禁断推理』は、コメディ寄りの推理もの。
何にでも黒糖シロップをかける天才のロンと、警視庁のお荷物のトトが漫才を繰り広げながら事件を解決していくのが大まかな流れ。
大抵のコメディでは天才がボケに徹するが、この作品でもしかり。
ロンはある事件をきっかけに探偵業をしてはいけないことになっているため、トトが代わりにロンの推理を代弁する。
またロンには犯人を追い詰め過ぎてしまうところがあるのだが、それを止めることができるのがトトだけであるため、ロンにはトトがいないとダメなのだった。
そして天才によくある孤独設定、<天才が唯一親友と言える存在はその相棒だけ>というのも織り込まれている。
骨組みとしてはよくあるものだけど、その骨がまとう肉とも言えるストーリーの部分で面白みがある。
そこは原作が『家庭教師ヒットマンREBORN!』の作者である天野明が手がけているからだろう。
事件のトリックも現代的要素を取り入れていて、使い古された感じはない。
声優さん狙いで見始めたとはいえ、この作品は当たりだった。
それにしても私は何も知らずに見た割には、また新しいシャーロックとワトソンを見つけてしまったようだ。
全くもっておかしな話だ。
引き寄せてしまう何かを持っているのかもしれない。