東洋医学の「脾」を発生学から考える
こんにちは、hanaこと玻名城です。
今回も「東洋医学の捉え方」として表題について考えていきます。
これまでは、運動器の解剖学から、経絡や経穴について考えてきましたが、今回は、内臓器の解剖生理学と「臓器の歴史(発生学)」から東洋医学の「脾と血」に迫っていけたらと思います。
1.なぜ、疑問に思ったのか
常日頃から「東洋医学」と「西洋医学」の一致点を探っている私は、東洋医学の「脾」と「血」が深く関わる理由を「西洋医学」の視点からも知りたくなりました。
実際に「血液」についての生理機能をもっている臓器ですが、東洋医学の「統血」とは距離のある機能に感じていました。
結果的に「発生学」から答えに近づけたので、皆さんに共有できたらと思います。
2.造血機能の歴史を振り返る
はじめに、西洋医学の臓器の歴史を「造血機能の歴史に限って」振り返りたいと思います。
臓器の歴史とは臓器の「発生学」や「比較解剖学」を振り返ることになります。
生物はアメーバのような単細胞から始まり、大海原で魚類に進化し、両生類で上陸へと近づき、上陸後に爬虫類、鳥類、哺乳類へと進化したといわれています。
そして胎児は、母体の中でこの生物の個体発生の過程を経ているといわれます。
哲学的に思う方もいると存じますが、
「風のささやき」
「太陽のほほえみ」
「怒涛 ※荒れ狂う大波の意味」
「眠れる大地」
と自然現象を生きもののように表現することも、
星空を生き物のすがたに見てとる(星座)のも、諸現象に個体発生の何かしらの面影を感じていたのかもしれません。
※【発生学】生物の個体発生を研究対象とする生物学の一分野。医学では胎生学ともいう。(デジタル大辞典)
※【比較解剖学】各種生物の器官の形態・構造を比較し、系統上の類縁関係について研究する形態学の一分野。(デジタル大辞泉)
■ 造血機能の歴史 ■
現在、ヒトの血液は基本的に骨髄で新生(造血)されます。そのことを知った上で歴史を振り返ります。
※現在は、骨髄の幹細胞を起点に分化を繰り返し、赤血球や血小板、白血球へと移りかわっていきます。
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