
【新卒】ベンチャー1年目の挑戦と苦労の備忘録
4月にニューズピックスに入社してから、早くも3ヶ月が経った。
「会社のビジョンに貢献したい」「御社のバリューに惹かれて・・・」と就活では言っていた気がするが、正直半分くらい、いやほとんど忘れてしまった。
それは、会社が楽しくないということではない。
働くことは楽しいと解釈できるほどの精神状態だと思う。
言いたかったことは、働く前と後では、見える景色も考え方もまったく違うということだ。
『現状維持は後退の始まり』
とは上手く言ったものです。
この言葉からすると、少しは成長できたということだろうか。
では、「新卒入社3ヶ月」を振り返って、
・チャレンジしたこと
・チャレンジできなかったこと
・3ヶ月の学び
を書き起こしていく。
JobPicksマーケターとして奮闘
私は、経済メディア『NewsPicks』の姉妹Webサービスである『JobPicks』のマーケターを務めた。
具体的な業務内容としては、
・SEO
・SQLを用いたデータ分析やダッシュボード運用
・キャンペーン施策
・カスタマーエンゲージメント施策
・SNS運用
・メルマガ運用マーケティング
など、幅広く業務を担当することができた。

仕事量が多くて、一つの業務に長い時間を注げないこともあったため、そのことを何度か上長に相談したこともある。
ただ、ある日 AlphaDrive/NewsPicks のCTOに相談することで、その悩みは解消された。
CTOさん :
「新卒のうちは、自分に制限をかけることなく、限界を引き延ばしてみる経験をした方がいいよ。
一番ダメなのは、最初から制限をかけすぎて『仕事に飽きちゃう』こと。
飽きないように、いろんなことに挑戦して自分に合うものを見つければいい。」
この一言で、なんとなく救われた気がして、気持ちが続く限りいろんなことに挑戦してみた。
そんな新卒生活で、特にやりきった施策について2つ抜粋して話していく。
「ダッシュボード構築」
1つ目はダッシュボード構築だ。
JobPicksはWebメディアであるため、チーム内に編集部がある。
武器でもあり、課題でもあったことは、「彼らがクリエイターであること」だ。
ライターや編集者は、書く記事にこだわりを持つため、
「PV(ページビュー)をどう伸ばすのか」がフォーカスされる。
一方で、JobPicksチームでの目標は、「会員獲得」なので、目標の認識に乖離が生まれる。
編集部チームがミーティングで振り返るのは、PVや「どうすれば読まれるか」だった。

PVとその要因を振り返るものだった
この課題感に対して、「編集部がどれくらい全体目標(会員獲得)に貢献したか」を可視化できるダッシュボードを構築することで、適切なPDCAを回せるのではと考えた。
そのことを、当時JobPicks編集長を務めており、現在はニューズピックスのCCO(Chief Community Officer)を務める大先輩ルミさんに相談したところ、
編集長ルミさん:
私も実はそれやりたいと思ってた!
一気に導入するとチームが混乱しちゃうほどの大きな方向転換だから、仮のものを作成して見せてよ!
と二つ返事がきた。純粋に嬉しかった。
他の業務も詰まっていたが、ダッシュボードの作成は楽しくて、夜な夜な作業した。
返事から2,3日で80%ほど作成し、先輩に見てもらった。

見せたダッシュボードに対して、編集部からのフィードバックや要望をもらい、最終版を完成させ、翌月から編集部全体での運用を実施することができた。
結果として、編集部全体と、JobPicksチーム全体の目標認識が一致した。
データを可視化することで、記事の制作方針にも変化を生み出すことができた。
変化前)読まれる記事作成
変化後)会員登録につながる記事作成・手段としての記事PV
今や、「記事からのコンバージョンはどうか」や「SEO流入をどうやったら増やせるのか」など普通の編集者からは出ないような単語が多く飛び交っている。
「メールマガジン流入増加」
2つ目はメルマガによる流入数増加です。
「メルマガなんて昭和かよ・・」と思うかもしれない。
メルマガは、過去にアプリを使用していたユーザーに対して、再来訪してもらうことを促す手法としては優秀だったりもする。
ぼくが設定したミッションは、「メルマガを改善して離反ユーザー数を伸ばす」だった。
結果としては、改善開始の2021年12月から約300%の改善を達成できた。

実際には、いくつの課題に対して、このような解決策を講じた。
(以下、実例)
課題1)
・フォーマットの作成時間に対するコスパの悪さ
・フォーマットを作るのに、毎度クリエイティビティを要する
⇩
解決策1)
・既にあるコンテンツを埋め込むだけのオペレーションでありながら、高い効果を実現するフォーマットを開発
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
課題2)
・最初のメルマガ紹介文が長く、遷移リンク到達までにスクロール量を要する
・一番上にJobPicks TOPページへの遷移リンクを置いていたが、TOPはメルマガ読者に求められているページではない。
→
解決策2)
・メルマガ紹介文の量を削減し、最初に到達する遷移リンクを記事ページに設定。
・タイトルを変更し、遷移リンクとの整合性を持たせることで、読者の期待値調整、期待に合うコンテンツを提供。
再現性を持たせるべく、情報共有ツールesaに過去の施策PDCAを記録していたのだが、
「2フォーマット計10バージョン」のテストを繰り返すことで、約3倍の成果を生み出すフォーマットを開発することができた。

入社して1週間、Uzabase社員80名へのSQL講師をすることに
JobPicksのマーケター業務と並行して、あるボランティアを陰で進めていた。
それが、ユーザーベース社員への「SQL2ヶ月集中講座」の実施だ。
講座開設の発端は、自分の原体験と、組織への課題意識からだった。
ぼくは2021年4月まで典型的な「文系非エンジニア」だった。
SQLを全く知らない状態から、リアルな実践を通じてSQLを習得できた過去から、こうした体験を他の人にもしてもらいたいと思った。
また、SQLを習得して気づいたことは、
「エンジニア以外で、SQLを理解できる、書ける人の少なさ」だった。
聞いた噂によると、メルカリやDeNAといった優れたメガベンチャーはマーケターだけでなく、営業の人も自分でSQLを書くという噂さえもあった。
こうした背景から、「現場を想定した、リアルなデータテーブルを使用する超実践習得型のSQL講座」を開催するに至ったのである。

約80名が参加した。
当初はニューズピックス社員20人ほどの参加を想定していたが、新卒歓迎会でUzabaseのco-CEOである稲垣さんに講座について話したところ、
稲垣さん:
それUzabase全体に告知しちゃってもいい?
ぼく:
???!
といった流れになり、結果として、約80人が講座に参加することとなった。


講座を実施していると、追い風が吹いた。
Uzabaseで「Play Engineering制度」がはじまり、SQLを業務レベルで習得する人にはプラスの手当てが支給されることになったのだ。
またPlay Engineering制度に伴って、希望社員向けに研修を実施することとなり、SQL研修担当を新卒の自分が担当することになった。

約50人が参加
ちょっぴりとした課題への違和感から起こした行動を、組織の価値へと昇華できた新卒3ヶ月であった。
会社に行くと、「SQL講座助かってます!」と声をかけられることも増え、「井の中の蛙が大海へと出てみる」ことの価値を身をもって知ることができて、純粋に嬉しかった。
入社後2ヶ月:副業を始めてみた
実は、副業バイトをはじめた。
六本木にある「awabar」というスタンディングバーでのスタッフアルバイトだ。
(HPはめちゃめちゃ古いですが載せておきます、情報も全然違うww)
ニューズピックスのマーケターとしての自分と正反対のことに挑戦したかった。
「コンフォートゾーンを抜け出すことが成長になる」
と自分なりの考えがあったからだ。
本業(マーケター) : フルリモート、PCと向き合う、数字を扱う
副業(awabar) : 対面、人と向き合う、会話力やノリが大事
正直、コミュニケーションが得意ではなかった。俗にいう人見知りだ。
接客業では圧倒的に不利だった。
今後も仕事をする上で、人とのコミュニケーションは付きものなので、コンフォートゾーンから抜け出して挑戦する決意をした。
ただ、ぜんぜん上手くいかなかった。今も上手くいっていないです笑
人から上手く話を聞き出せない。周りが笑っているのに、自分は笑えない。
そこで、自分は「A/Bテスト」を繰り返した。
つまり、さまざまな自分像を試してみたのだ。
テンション高めの自分、聞き出すより情報提供を多めにする自分、あえて全く話さない自分。などなど
マーケターをしていて良かったのは、テスト思考というか、課題に対してテストしながら、最適化する思考が身についたことだ。
結果、少しずつではあるが、顔見知りの客も増え、コミュニケーション能力も上がってきた気がする。
お店に一度も行ったことなかったのに、雇ってくれた店長には感謝です。。
「度胸」と「愛嬌」 + αで勝負する
新卒入社からこれまでを振り返ってきた。
本業でも副業でも「度胸」「愛嬌」 + αが求められるということを学んだ。
これはニューズピックスで記者を務める平岡さんからポロッといただいた名言。
新しいことに挑戦する、初めて会う客に話しかける度胸。
自分一人でできそうだけどあえてチームメンバーと施策を進めてみる、積極的にフィードバックをもらいにいく、その場のノリで話を盛り上げる愛嬌。
加えて、職種の仕事内容によって + αが必要だ。
この3要素を満たすことで、周りから信頼を獲得し、自然と結果が付いてくるのではないかと感じた新卒3ヶ月だった。