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【読書】『グロテスク 上』桐野 夏生(著)

東電OL殺人事件をモチーフにしたといわれる「グロテスク」。

主人公である“わたし”の心には、「意地悪をしたくなる」という悪魔が潜んでいる。その悪意の対象となるのが妹のユリコと、“わたし”と同じ女子校にかよう同級生の佐藤和恵。ユリコは周りを畏怖させる美貌から、そして和恵には身の程知らずという理由から“わたし”によって徐々に陥れられていく。

ちょうど昨夜、女子校卒の友人に当時の学校生活について聞く機会があった。
階級社会はあるのか、同級生同士の足の引っ張り合いはあるのかなど、本書を読んで気になったところをいくつか質問したのだが、「似たところはある」ようだった。

人間関係は男のほうがカラッとしていそうな気もするが、なかにはネチッこいのもいるので、そう簡単に性別で分けられそうにない。どちらかといえば、人を貶めるよりは貶められるがわでありたいとは思う。

これほど人間について考える機会を与えてくれるのは、筆者の生活ではいまのところ小説か映画しかない。それ以外は、あまりに直線的か関係そのものが遠すぎる。

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