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ネーミングの遊び心と意図

名前をつけるときは遊び心と意図を両立させる必要があるよというお話。


日曜で雨☔️。

こんな日はコーヒー片手に少し昔を思い出してみるのも悪くない。noteに残したいネタを探しながら脳内探索をしていると一つのことを思い出しました。

前置きの話

少し前置きが長くなりますが、後の話の糧になりますので😅お付き合いを。

マウス(コンピュータの付属品)ってご存じですね。
はい、パソコン使ったことがある人なら知らない人はいないと思います。でもそのマウス、なぜ「マウス」というのか考えたことある人はどのくらいいるでしょうか。

コードがコンピュータにつながれ、操作するデバイス側がねずみに似ていることからマウスと名づけられました。

このマウス、かなり昔からパソコンにはポインティングデバイスとしてキーボードと一緒に付いてきました。正確に言えばキーボードしかなかった時期があり、マウスが後追いで追加されたという感じです。

当時のパソコンの入力はCUI(Character User Interface)でキーボード主体でした。CUIは👇のようなやつ。

CPI実験室から抜粋

マウスが出てきたのはGUI(Graphical User Interface)が出始めのときです。
GUIはもうみなさん使っているはずです。👇のようなやつ。

What is the full form of GUIより抜粋


マウスが出てきたときは、「ぜんぶキーボードでできるぜ!マウスなんていらねぇ‼️」というヤツもまわりにたくさんいました笑。しかし今はもう「マウスがないとやってられねー」ですね。

みなさんが違和感なく使ってるマウス。実は開発当初は画期的だったのです。そしてマウスを使ったアプリケーションを作る側にとっても夢あふれるデバイスでした。

マウスを使った開発

CUIの頃からコンピュータでいろんな開発をしていました。

開発では入力がないと始まりませんから、『キーボードからの入力を取ってきて処理して〜』みたいなことをしていました。で、マウスが出始めたときも『マウスから入力を取ってきて〜』とやるわけです。

キーボードもマウスもコンピュータで使うにはそれだけでは役に立たなくて、ドライバ(デバイスドライバ)という周辺機器とアプリケーションの間に立つ役割の小さなプログラムが必要なんですね。

例えばマウスの場合、小さなプログラムはマウスの動きを感知して一定の単位に変換しアプリケーションに伝えてくれる、アプリケーションはその情報をもとにマウスポインタを動かすという仕組みです。

さぁ、マウスが出てきました。やってやろうじゃないの。と意気込んでマウスのドライバの説明書を読みました。

マウスの単位にびっくり

開発ではさまざまな単位を使います。しっかりと意味付けがあってその単位を間違えようものならえらいことになるというくらい、単位は重要です。学校教育でいえばメートルがよい例でしょうか。

1mという単位があって、cm、kmがある。1m=100cmと決まっている、などですね。これは誰もが知っておくべき単位です。

マウスにも実は単位がありまして、それがきちんと説明書に載ってました。その単位は、

1mickey

なんて読むんだ?これ(笑)

最初はそう思ったのですが、普通に読めばミッキー。
そう、マウスの移動単位は1ミッキー、2ミッキーというわけです。

最初から違和感の塊でこの単位を使ってました(なんでミッキーなんだろうと)。そしたら横からこんな声が。

このコンピュータはアメリカでつくられたんだ。
アメリカでマウスと言えば?

この問いにすかさず、

ミッキー!(これしかない)

いらすとやより抜粋

というわけですな(笑)。日本人の自分でも即答できました。
すごいでしょ?このネーミング^^

ネーミングの遊び心と意図

単位なんていろんな人が何度も接して何度も口にする言葉。意識しようとしまいと何度も脳に刷り込まれる言葉。そして単位はそれを使う人の脳にすっと入り込まなければならない。

気圧の単位なんだったけ?・・・ミリバール?(今はヘクトパスカル)などとなってはいけない(笑)。すっと頭に入ってくるにはジョークでも風刺でもいいから誰もが知りえるものであるべきである。そしてそれを見たとき「ニヤっ」とできるものでなければならない。

アメリカ人の開発者と話したとき、みんな口をそろえてこのネーミングセンスは最高だね、と言葉の表現は違えど称えます。

ネーミングは自己中で考えてもいけないし、世の中に迎合しすぎてもいけない。

誰が名前をつけたかなんて時間が経てば忘れ去られる。単位に名前が付けられることも多いけど、名前ではニヤっとできない(笑)。

でもネーミングに込められた遊び心と意図がきちんと含まれていたら、尾ひれはひれ付いて伝わったとしても語り継がれる。そういうものだ、という話でアメリカ人の開発者とは完全同意して話は終わりました。

アメリカでたまたまミッキーが有名だったからできたこの単位。アメリカ人ならではのユーモア感には当時とても感心させられ、今でもこのユーモア感とその背景にある意図はネーミングの本質であることに変わりないな、と思います。

身近な単位の由来を探してみても面白いかもしれませんね。

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