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教採対策コツコツ1問 A#01 教育心理
昨日の記事、教員採用試験対策の教育心理の問題の正解と解説です。
改めて、問題はこちら。
発達に関する心理学の研究に携わった人物に関する記述として適切なものは、次の 1〜5のうちのどれか。
1 スキャモンは、全ての個人を動機付ける欲求の階層の概念を発案し、人間の最高の目標は自己実現であるとした。最初にあるのが欠乏欲求を構成する生理的欲求、安全の欲求、愛情欲求、自尊欲求の四段階で、高次のレベルには成長欲求があるとした。
2 ハヴィガーストは、表象能力を、動作的表象、映像的表象、言語的・象徴的表象の三つの段階にまとめ、これらは文化要因によって異なる発達の様相を示すことを実証し、学校などの制度的要因やコミュニケーション活動の道具の獲得などの吟味の必要性を唱えた。
3 マズローは、幼児期から老年期までを六つの発達段階に分け、各段階の発達課題を体系的にまとめ、老年期の発達課題として、退職や収入の減少に適応することや、柔軟な方法で社会的役割に適応することを挙げた。
4 コールバーグは、道徳性は、幼児期から思春期、青年期の全体を通じて、前慣習的水準、 慣習的水準、後慣習的水準の三つの水準に分けられ、さらに、それぞれの水準が二つの段階を持つ構造の、三水準六段階説を唱えた。
5 ブルーナーは、発達に関する数量的なデータについて、年齢や時間経過の関数として発達曲線をグラフに表し、身体器官の発達のパターンを、リンパ型、神経型、一般型、生殖型の四つのタイプに分類した。
正解は4番でした。
道徳性の発達についての理論は、問題のコールバーグとピアジェのものをおさえておきましょう。
・ピアジェ、コールバーグの研究について
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今回正解になったコールバーグの理論は、道徳性には3水準6段階の発達段階があるということです。
前慣習的水準では、とにかく罰を回避すること、そして少し進んでも負の結果を最小限に..という個人を中心に考えた道徳性。慣習的水準になると、世間体や秩序を重視した道徳性に成長、そして後慣習的水準(脱慣習的水準とも言う)では、法を超越して行動できる道徳性を身につける、と段階を踏んで道徳性が発達していくと考えています。
みなさんのお子さんや児童・生徒さんはどうでしょうか。
ピアジェの理論でおさえておきたいのは、脱中心化というワードだと思います。小学生となり『具体的操作期』に入ると、多様な視点を獲得し、自己中心性がなくなっていく。それが「脱中心化」です。その段階を経て、中学生以降の青年期になると、共感性や道徳性をどんどん獲得していくことになります。
皿の例えを使った研究も面白いですね。
その他の選択肢について、正しい人物名を挙げておきます。
1 欲求5段階説を唱えたのは、マズローです。低次の欲求が満たされないと、それより高次の欲求の充足が困難になるという理論です。学校や家庭で、生理的欲求や安全の欲求といったものを確実に満たしてあげることができているか、見直さなければなりません。
2 3つの表象の理論を唱えたのは、ブルーナーです。ブルーナーは、発見学習の提唱でも有名です。
3 6段階の発達課題の提唱者は、ハヴィガーストです。それぞれの発達段階の課題の特徴はおさえておきたいです。児童期は主に『社会生活への適応』『自他の区別』、青年期は『親からの精神的自立』『男女関係』などが挙げられます。
5 発達曲線を示したのは、スキャモンです。
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生後20年間の発達を4つのパターンに分けて曲線で示しています。
リンパ型は12〜13歳頃までに急激に成長し大人レベルを超えたり、逆に生殖型はリンパ型の著しい成長が落ちてきた頃から、第二次性徴で急激に発達してくるなど、具体的にイメージしどれがどの曲線だかおさえましょう。
児童・生徒の発達を考える上で参考になるデータ・理論が集まっていました。
先生方も暇がある時に読んで、担当する子どもたちと結びつけてみてください。
本日もご覧頂き、ありがとうございました♪
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