2024ベスト
映画
夜明けのすべて
Cloud クラウド
瞳をとじて
夜の外側 イタリアを震撼させた55日間
正義のゆくえ
辰巳
いくら見逃したのが多かったとはいえ10本も挙げられない。映画が孤立している感じを覚える。それは単に「○○見た?」と聞いても「いいえ」と言われることが今年は実に多かったことからも明らかだろう。たしかに『デューン2』とか『ジョーカー2』とか見てない私も悪いんだが、総体としての映画が〈波〉を起こさないのが非常に気になっている。たとえばサウナ業界でいえばそんな感じないわけでしょう。木が育っても森になっていかない、文字通りの「延命」にしか思えない。そのなかで、「ああ今死んでもいいや」というぐらい昂奮した6本。特に『Cloud』の雪には「おかえり」と呟かずにはいられなかった。俳優では『箱男』の浅野忠信(文語調を使いこなす台詞回し!)、『辰巳』の倉本朋幸、『SUPER HAPPY FOREVER』の山本奈衣瑠(実際彼女のおかげで最後まで座っていられた)に目を瞠る。
しかしKAATで見たオーストラ・マコンドーに対しては、本当にあれで良かったんだろうかという疑念を捨てきれずにいる。
特別上映
ムービー・オージー NFAJ
営倉 横須賀シネクラブ
世界で一番悲しい音楽 東京フィルメックス
純潔の城 TIFF
女の園 京都文化博物館
自由への闘い アンスティチュ・フランセ
南 アンスティチュ・フランセ
ゴールキーパーの不安 シネマヴェーラ渋谷
パンと植木鉢 afcc
めぞん一刻 プライヴェート
陪審員2番 プライヴェート
よりによって旅行先の京都でたまたま見てしまった木下惠介『女の園』は、帰り道飛び込んでやろうかなと思うぐらい暗かったが、木下理解が大いに深まったのだった。いずれも同じように蒙を啓かれた作品ばかり。下高井戸シネマ満席の腹いせに見てしまったイーストウッドの新作は、どうしてどうして、劇場公開運動とは裏腹に家でひっそり独りで見るほうが良いと思わせる掌篇だった。特濃イーストウッド。
その他
ピナ・バウシュ「春の祭典」、「PHILIPS 836 887 DSY」/ ジェルメーヌ・アコニー「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」来日公演 国際フォーラム
芸術激流2024 ラフティング+アート
織田作之助『放浪・雪の夜―織田作之助傑作集―』
豊永浩平『月ぬ走いや、馬ぬ走い』
スチャダラパー & STUTS Presents “シンジュク That’s the Joint”
Hiatus Kaiyote, Love Heart Cheat Code JAPAN2024
ここ3ヶ月は会う人会う人にハイエイタス・カイヨーテがすんごかったといいつづけている。というのも、「純粋に光学的で聴覚的な状況」(ドゥルーズ)が一番相応しいのはロッセリーニでもデ・シーカでもなく彼女たちだろうと本気で信じるからである。第一声のHere I amが聞こえた瞬間、私という主体が木っ端微塵に爆破されたのだ。