読書録 「同志少女よ、敵を撃て」 「推し、燃ゆ」
この1週間、通勤時間を使ってAudibleで2冊の小説を聴きました。
大人になってからはもっぱらビジネス書を読み漁っていたのですが、中学生くらいまでは好んで小説を読んでいたことを思い出しました。
せっかくならと有名な受賞作品を数冊ダウンロードし、
1冊目は本屋で見かけて表紙とタイトルがカッコいいなと印象に残っていた
「同志少女よ、敵を撃て」(著者:逢坂冬馬)
を選びました。
第二次世界大戦下の独ソ戦に巻き込まれた主人公の少女が復讐の道に進むストーリーなのですが、まさに戦渦にあるロシアのウクライナ侵攻を思い起こさずにはいられませんでした。
主語を大きくして見たときには戦争自体はもちろん悪なのですが、戦地に送られている兵士一人ひとりを思うと、それぞれに正義があり、守りたいものがあり、戦わざるを得ない事情があることを考えさせられます。本書に登場する兵士の彼ら彼女らも、戦争という異常な状況において自らを守るために思考も感情も適応するしかなかった、そんなことを感じました。
Audibleのレビューに書かれていた「白と黒、善と悪とはっきり分かれているのではなく全てはグラデーションになっている」という言葉がとても印象に残りました。
2冊目はキャッチーなタイトルに惹かれて
「推し、燃ゆ」(著者:宇佐見りん)
を選んでみました。
こちらは周囲に適応できない女子高生が生きづらさを抱えつつも、アイドルの推し活を生きがいにして生きていくというストーリーです。推しが炎上し、最後には推し活が終わってしまいながらも、自分なりに懸命に生きていこうとする姿で締め括られています。
正直ちょっと難しかったです。。笑
途中から「何がテーマなんだろう」「何を感じ取るのが正解なんだろうか」と、意味や正解を探してしまったあたり、ピュアに作品を楽しめていなかったなと少し反省しています。。
この2作品に共通して「生きること」へのモチベーションという要素があったように感じます。かたや復讐(と女性を守ること)、かたや推し活と毛色は全く異なりますが、いまの自分は?とここのところ何度もしている問いを思い浮かべました。
小説からしか得られない気づき、響かない気づきがあるなぁと思う読書録でした。