中国の戦狼外交(せんろうがいこう)
西暦が2000年に入り中国のGDPが増大するとともに、徐々に中国外交に変化が見られるようになった。軍事費の増大とともに攻撃的な外交スタイルに変貌していった。この用語は、2017年のランボー風のアクション映画『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』からの造語である。穏健的な外交スタイルとは対照的に、より好戦的で恫喝的外交である。ソーシャルメディアやインタビューなどで、中国への批判に対しては声高に反論や反駁(はんばく)をしてくるのだ。その現れとして台湾や日本の沖縄、尖閣諸島の中国における位置づけは、核心的利益だ、と国際社会に向かって表明している。領海領空侵犯は常態化し、徒党を組んでは盗掘や窃盗を繰り返す有様だ。各国の是正発言は完全に無視する形で日に日にその行動はエスカレートしている。尖閣における日本漁船の追い回し事件や、少し前のフィリピンが、オランダ・バーク仲裁裁判所に提訴した南シナ海の領有権問題、中国の主張には法的根拠は無いと判断されるが、中国はその判断を遵守するかと思えば、その逆で、判断は紙くずだ、と言い放し自国の主張を通そうとする。俯瞰すれば、中国は相手を怒らせ、先に軍事的に手を出させようとする行動ばかりをとっている。双方のやり取り、攻めぎ合いの中で隙あらば、その弱点を突き自国の主張を上段に構え反駁(はんばく)攻撃してくるのだ。