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お客様の気配を見る

京都 ふしぎの宿の物語
NHK BS で、俵屋旅館のドキュメンタリーの再放送をやっていました。

ちょうどテレビをつけた時に映っていたのが、客室で夕食を取られているシーンでした。
ほのかに光を落とした昔ながらの和室で、英国人男性が美味しそうにお刺身を食べているのですが、ちょうどそのお皿の食事を食べ終えた頃を見計らって、客室係の女性が「Excuse me」と襖越しに声をかけてくるのです。

お客は驚きます。「なぜ、彼女は私が食べ終わったのがわかったのだろうか?」

訝しみながらも、次の食事も味わって食べ、最後の一口を口に入れ、さて、この後どうなるのだろうか?と注視していたら、まるで部屋の様子を見ていたかのように、同じように「Excuse me」と襖越しに静かに声がかかり、スウッと襖が音もなく開きます。

男性は驚いて「なぜ、あなたは私が食べ終わったのがわかったのですか?」と聞いたのでした。

雰囲気のあるドラマを見ているようで、思わず見入ってしまいました。

狐につままれているかのような、ちょっと不思議なあやかしのドラマでも見ているような気分でした。
なぜ、見えるはずもない客室の様子が手に取るようにわかるのかな??
監視カメラでもついているんじゃない? などと思ってしまったくらいです。(サスペンスの見過ぎですねw)

秘密は、女将の指導にありました。
料理は全て、料理長の監督のもとに作られるのですが、次のお皿を作り始める指示を出すのは、客室係の女性たちです。

彼女たちは、女将から「お客様の気配を常に感じなさい」と言われるそうです。
そして、お客様の好みや嗜好、食事をどのくらいの時間で進めるのか、お酒の量はどのくらいか、といったことを、数分で見抜くように指導されているそうです。

エスパーなの? と思わず思ってしまうくらい、すごいですよね。
訓練してできるようになるのかわからないですけど、もし、訓練してできるなら、女将の指導力も半端ない。OJT凄すぎです。

でも、日本人ならその能力はあるかもしれないな、と、漠然と思ったのでした。
それは差別的な意味ではなく、そうした相手を思いやる感性や感覚は、四季の豊かな自然と共生してきた日本人のDNAの特性に感じるからです。

例えば、「雨が降る」ということについても、季節や量で事細かに呼び名をつけるように、日本人には、微細なものを感受する繊細な感性があるのでは、と思うのです。

女将さんは、客室係の女性たちにこう伝えます。
「世間一般では‘心’と言われるが、おもてなしは‘知恵’である」

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私たちがお伝えしている「思考のテクノロジー」は‘心’という目には見えない分野を扱っています。
しかし、その目に見えないものを扱う技術があります。
無意識をはっきりと明確にするシステムがあり、目の前の現象が起きる仕組みを理解することができます。

人間関係でいえば、相手を自分として理解できるテクノロジーなのです。
今まで戦っていた相手、理解できずに悩んだ相手とも、調和して生きることができる叡智、知性です。

明日も引き続き、リモートセミナーを開催します。
明日は夫婦・家族編ということで、イライラしたり、怒りが止まらなかったり、引きこもったりする人間関係の悩みを紐解いていきます。
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