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【気になる生態】 #31 意外に落ちたらOUT 「グンカンドリ」
聞いたことあるけど、あまり見たことない。
見たことあるけど名前がでてこない。
この二つのどっちにも当てはまりそうな鳥。
グンカンドリ。
この鳥にどんな生態が隠されているのでしょうか。
求愛ディスプレイ
やはり特徴的なのは赤いのど袋。
これはオスだけにあり、メスにアピールする球のものだと言われています。
オスは空を飛ぶメスに対して、地上から求愛行動を行います。
あまり聞きなれない鳴き声とともに翼を広げ、のど袋を膨らませています。
大きく膨らめば膨らむほどメスへのアピールにつながるそうです。
ここまで風船のように膨らむのど袋は一体どんな感触なのか気になりますね。
弾力がありそうです。羨ましい。。
高い飛翔能力
赤いのど袋に目が行きがちなグンカンドリですが、実は優れた飛翔能力を持っていてほとんどの時間を空中で過ごしています。
2ヶ月以上飛び続けたという研究結果もあるということです。
以前紹介したアマツバメと共通する部分が多いのかもしれません。
グンカンドリは「ジェットコースター飛行」と呼ばれるパターンを利用していると言われていて、積雲の下にある対流を利用し、羽ばたかずに大気の流れの中を滑るようにして高度を上げることができるそうで、これによってエネルギーを消費せず、数分間睡眠を取ることができるということです。
全長100cmとアマツバメよりも大きな体で飛び続ける能力が備わっているのは驚きです。
軍艦と呼ばれる由縁
そして、グンカンドリの飛翔能力は飛び続ける力だけでなく、瞬間的な速度も出すことができます。
主に水面近くの小魚やイカなどを嘴をうまく使って捕食するのですが、狩りがとても下手らしく、他の海鳥が捕まえた餌を奪い取ることがあるようです。しかも、吐き出させるまで追いかけ回すというなんともえげつない性格です。
この姿が黒い翼と相まって軍艦鳥と呼ばれているそうです。(あまりしっくりくる由来じゃないですが)
そこまでのガッツがあるなら自分で餌を取りなさいよと毎度思ってしまいますが…
意外な弱点
グンカンドリの最大の弱点。
それは…水です。
……海鳥なのに!?
泳ぐこともできず、何より羽に撥水効果がないため濡れたら終わりです。
そのため、海鳥を追いかけ回して餌を吐き出させた後に、その餌を取ろうと水面に落ちてしまうともうどうすることもできません。
海に生きるのに、泳げないというのはなんとも悲しい運命。飛翔能力と引き換えに泳ぎを捨てた鳥。まるで悪魔の実を食べたかのようです。
ただ、泳げないとなるとグンカンドリが飛び続ける能力が高いことも、他の鳥を追いかけ回して餌を奪う理由も納得できますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!