過去は背後に?
「これまでを振り返る」など、過去の出来事に焦点を当てるときに顔の向きを変えるイメージがある。ならば、デフォルトの状態では未来に顔を向けていることになる。英語でも”back then”という表現があるので、過去は背後にあり、やはり通常は未来に顔が向いていると考えられる。動詞は、時の流れと人称の概念を併せ持つ。英語の動詞には過去形と現在形がある。不定詞や動名詞にはない時の要素と人称の要素がある。否、時の要素と人称の要素を持たせないために、不定詞や動名詞があるので、形としてそれらを持ち合わせているといってよいだろう。過去形と現在形の存在は、ことばとして過去と現在の点と成り得、その2点をを結び線分とする。線分の端を伸ばして自分が知り得ない過去や未来とつながる直線が引ける。さて、がっちゃんの英文法の本を読んでいて思ったことなのだが、過去分詞は「振り返る」「逆を向く」ということではないだろうか。過去形と過去分詞と区分されるということは、似ているけれど違う。その違いは、過去は背後にある出来事を述べることができ、過去分詞は後ろを振り返るので、直線上の今から後ろ(過去)を振り返ってみる。そうすると、生まれてから今まで(あるいはX年間や範囲をしていた時空)を見渡すことができる。そのようにして物事を伝える現在完了表現や、過去のある時点からそれ以前(背後)を見渡して伝える過去完了、さらには未来のある時点からそれ以前(背後)を見渡して伝える未来完了となるのではないかと思った。そうすると、受身の表現に過去分詞を用いるのも自然に思える。主語から目的語に向かうというデフォルトのエネルギーの流れが”逆”になるのだから。