食べ頃のアボカドを売ってくれるスーパーは天才
日本の夏。人の居なくなる日中の賃貸アパートのなんと暑いことか。
これにはアボカドもバナナもお手上げである。
アボカドとバナナ。この子らは二大「追熟が美味しさの要となる食べもの」だ。というか要どころか、すべてだ。
彼らはスーパーではたいてい、食べ頃より少し前、まだ熟し切っていない状態で売られている。遠い国で収穫・出荷され、輸入されて日本にやってきてスーパーに並ぶまでの時間の考慮や、売り場に並べることの出来る日数もできるだけ長くなるようにということだろう。(最近知ったのだが、日本では黄色く熟した状態のバナナの輸入は害虫防止の観点から禁止されているらしい。)
だからバナナやアボカドを美味しく食べるためには、お店で買ったあとに家で追熟させてやる期間が必要となる。
ここで、アボカドの追熟に適切な温度を調べてみる。【15度以上、27度以下】とあった。
一般的な冷蔵庫の温度は2度から5度。つまり冷蔵庫に入れると温度が低すぎるし、外に出しておいても夏場で冷房がなければ室温27度は余裕で超えるよな…え、じゃあ追熟できないじゃん。
アボカドを食べたくて購入し、家で食べ頃まで育てようとしても、その子が美味しく育つことのできる環境を私は用意してあげられない…こうして少アボカド食化が進むのである。
したがって、夏のこの時期はアボカドを買っても美味しく追熟させるすべがなく、食べたくても手を出せない状態におちいってしまう。悲しい。アボカドめっちゃ好きなのに。お願いだから誰か「常温庫」を製造販売してくれ。
…しかし今日、出会ってしまった。
『アボカド 食べ頃仕立て』
と銘打って売り出されていたアボカド。
我らが救世主オオゼキ(近所、と言っても徒歩15分のスーパー)での出来事である。
オオゼキさん、天才?
スーパーといえば私は熱狂的な西友信者で、西友の『みなさまのお墨付き 国産中粒納豆』以外の納豆は納豆じゃないと思っている。
これからもその地位が揺らぐことはないとは言え、引越しをして愛しの西友と離れ離れになってしまったため、私はオオゼキとしぶしぶ付き合い出した。
そしてこのオオゼキがまあまあ良いやつだということも、付き合いを重ねるにつれ感じるようになっていた。
そんなオオゼキで出会った『アボカド 食べ頃仕立て』。
手に取ったらすぐにわかる、この色、この柔らかさ。喜んで家に連れて帰った。
そしてその子を切ってみたのがこの記事のタイトル画像だ。
完璧。オオゼキさん、天才。
この状態のアボカドが当たり前じゃないことを、私は知っている。
なぜなら数え切れないほどアボカドの追熟に失敗し(ある時はアボカドをアボカドたらしめる濃厚さのまったくない固くてフルーティな状態だったり、ある時は表面は固いのに中が腐ってしまった状態など…)、いくつもの悲しい夜を超えてきた。
もうあの子(アボカド)に会うのは辞めよう。何度もそう思った。
そんな私が今日、買ったばかりのアボカドを切った。とても綺麗で、思わず写真を撮ってしまった。それどころかこんな文章までしたためてしまった。
もう私は大丈夫だ。
つまり何が言いたいかって、
食べ頃のアボカドを売ってくれるスーパーは、天才。
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