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フリマサイトなどで同人誌、グッズの出品は違法になるのか?

おはようございます。

ここ最近法律関係で色々問題が起きてますね。
最近は任天堂vsポケットペアの件、セルシスの件が表沙汰になってました。
任天堂のお知らせを読みましたが、訴訟に至った詳しい理由や何の特許権侵害をしたかが任天堂側から触れていなかったのと、ポケットペアのお知らせを読んでみて、どちらも擁護せず静観した方がよさそうな気がしました。
ところでKONAMIvsCygamesの件はどうなったんでしょう。
個人的にこっちの特許権侵害が気になっているんだけど……。まだ裁判結果出ていないみたいなのであと1年は待たなきゃいけないかな。

セルシスの件もお知らせを見るに、GitHubソースコードを配布することについては触れておらず、騒ぐほどのことではなさそう。
この件でLAME午後のこ〜だというMP3エンコーダーソフトがあることを初めて知りました。

どちらの件も公式がすでにお知らせを出したのに騒ぎすぎている印象が拭えない。
お知らせ以上の憶測は陰謀論みたいなポストを見かけて、言い得て妙だなと思いました。



さて、本題に入りましょう。

おすすめTLでMIKEMIKEという女性向け同人系フリマサイトが炎上しているのをお見かけしました。

炎上元になった?らしい記事を読んでみましたが、凄く分かりやすく説明して下さっててとても有難かったです。
個人的に「おかしい!」と思ったところは感じなかったものの、気になったことがいくつかあり、調べたことを備忘録として記事に残します。
今回は短いので目次を作りません。
(追記)
言い忘れましたが、note主はどこにでもいる無知な創作者というスタンスで、分からないことは調べたり知識ある人に聞いていますが、認識を誤ったり誤読している可能性はあります。
そうならないように人に聞いて認識を擦り合わせているつもりですが、もし間違っていたらコメントで指摘してくださると助かります。



同人誌でたまに奥付に「転売禁止orオークションサイトやフリマサイトなどの出品を禁じます」「手放す際は可燃ゴミでの廃棄をお願いします」みたいなのがあります。
同人誌は前からお世話になっているけど、これを見かけるようになったのは割と最近じゃないかな。注意書きがあるにも関わらず、守ってくれる読者はいない、と。
このブログでも同人系やR18モノの出品を禁じているメルカリでさえ出品があり、運営側も取り締まる余裕がないだろうと推察しています。 


そもそもオークションサイトやフリマサイトなどの出品を禁じることは可能なのか?
答えはNO

何故なら1996年頃から様々なゲームのメーカー企業などが中古ゲームソフト撲滅運動を起こし、1998年から中古ゲームソフト裁判を起こしました。
しかし、2002年に最高裁がメーカー側の上告を全て棄却して、中古ソフトの自由流通は合法とされたそうです。
詳しくは以下の記事、Wikipediaを読んでみてください。

同じようなので本や同人誌などの判例はないことから、中古ゲームソフトと同じく出品を禁じることは出来ないとみなされています。
当然「作者がするなと言っているからダメ」は通りません。
自分が作った同人誌がこういうサイトで売られてショックを受ける気持ちは分かります。しかし同人誌を作った以上、中古店やフリマサイトに出回ってしまうことは覚悟して活動をしましょう。

それでも二次創作の作者が奥付に出品を禁じるように書くのは何故か?
二次創作でよく見かけるルール、悪い言い方するなら因習村ルールというのはあくまで性善説前提で出来ているからでは?
公式は何も言ってないけど、みんなが言いまくれば守ってくれるであろう!という押し付けみたいなのを感じる。
人間全員が性善説に従って生きているなら、二次創作は悪にならないの?
法律では悪なのに、わざわざお目こぼしをしてくださっている。これは性悪説だと思いませんか。
みんなの言うマナーはお気持ちの押し付けでしかない。

ブログ内でも営利企業はモラルよりリスクを取るとおっしゃっていて、これは性悪説に近いと思う。
MIKEMIKEの運営者は、本来なら違法である同人系やR18モノの出品を取り締まれず無法地帯になってしまったフリマサイトなどの状況を鑑みて、せめて合法なやり方で要らなくなった同人誌を一般人の目に触れないようにしようという考えらしい。
それならば「MIKEMIKEに出品を固く禁じます」と書くのではなく、むしろ「同人専門店、および同人専門フリマサイトに売却してください」と書くべきでは?
やっていることは駿河屋とかと変わらないどころか、メルカリとかに流されるよりは精神的に安心だと思う。


この方は元々同人出身で、現在進行で二次創作もしているそう。だからこそ、寄り添ったサイトだと感じます。女性向け創作をしたことがない僕には一生縁が無さそうだけど……。
代行とかも違法に当たらないなら、頼れる知人がいなかったり都合が合わず現地限定セットなどを泣く泣く諦めていた地方民は助かるんじゃないかな。
きっと数年したらメルカリみたく規模が大きくなるかも。

かのアンジェリークを作った襟川恵子さんがおっしゃっていた「誰も作らないなら私が作る」という精神は大事ですからね。
失敗しても運営者にとって大きな経験になると思います。


で、僕が特に気になっていたのはフリマサイトに古物商許可は必要ないのか?

僕の認識はフリマサイトは駿河屋みたく運営が販売している形式ではないので、MIKEMIKEでも持つ必要が無い、むしろ持つべきはサイト内で出品する人のみと思っていました。
実際この認識は正しいと教えてくれました。
ただ出品側は条件があって、ただ出品するだけだったり所謂転売ヤーみたいなのは必要ないとのこと。

そもそも古物商とは?古物商許可は何のためにある?

古物商(こぶつしょう)は、古物営業法に規定される古物を業として売買または交換する業者・個人のことである。
なお、古物をレンタルしたりリースしたりする場合であっても、顧客に貸与するまたは顧客から返還を受けることが同法の「交換」に該当し、古物商に該当する(後述の「古物」ではない物品を仕入れてそれをレンタルなどする業態は、古物商に該当しない)。

古物商 - Wikipedia

古物の売買等は、その営業の性質上、盗難品等の犯罪被害品が混入することも多く、これを放置すれば、古物営業が盗難品の流通の場となるおそれがあることから、これを防止するために「許可制」となっています。
(一定の欠格要件に該当する者については、許可が取得できないこととなっています。)

引用元:古物営業許可申請等の手続き(必読)|佐賀県警察本部

古物商許可は盗品などを特定するために必要らしい。
フリマサイトに関しては運営が介入しないので、特定の出品者が必要になる可能性もある。
例えばブックオフなどの古物を売買する企業や、古物を売って生計を立てる個人がフリマサイトなどを経由して売る場合、必要になるとのこと。

転売ヤーはほとんど新品を購入して転売しているため、古物商扱いにならないそう。
例えば製造終了したPS4を製造終了前に新品で買って在庫を抱えた状態で転売する行為は問題なく、製造終了後に中古屋などで中古品または新古品としてPS4を買って転売する場合、古物商許可がいる。
新品か、新古品or中古品かの違いなので、もし転売ヤーが新古品や中古品を扱うなら古物商許可を貰わないといけない。
転売行為自体はそれを禁ずる法律がないから違法とならないみたい。転売が違法になってしまえば、僕らがいらない本やグッズを売りに行くことが出来なくなりますね。

フリマサイトは要らなくなったものを出品することで成り立っているので、運営側は古物商許可の許認可証を必要としない。
もし必要だったら、メルカリやヤフオクで個人に古物商許可の許認可証を要求してこないと思う。
ブックオフや駿河屋などの中古店は企業側で古物商許可の許認可証を持っているから、売る側は持ってなくても個人情報を記入するだけで済んでいる。

結論:フリマサイトそのものは違法ではない。
そして、フリマサイトと称しているMIKEMIKEは古物商許可の許認可証を持たなくても営業出来る。
ただし出品側で必要になる場合は個人で提出した方がよい。

(追記)

読み返して伝わりにくそうだなと思ったので、もっと噛み砕いて説明します。

出品そのものは規制出来なくとも、メルカリなどのフリマサイトで同人誌や同人グッズの出品を禁じているのは知的財産権を侵害するものに当たり、その理由が「公式と誤認されかねない」からではないかと。
フリマ系の運営は言われてから対応するより、最初から出品を禁じた方が楽だからそういう規約になっているのだと思われます。
そもそも二次創作そのものが本来は違法なので同人誌や同人グッズなどの出品自体が良くないと言われれば、駿河屋みたいなのは既に無くなっていますし、公式も二次創作を禁じなければいけなくなります。
その規約がありながら無法地帯になっている……と嘆いているのがMIKEMIKEの運営者です。
だから公式と非公式の区別がつきづらい一般人が使うメルカリなどのフリマサイトで出品をさせるより、最初からターゲットが決まっているMIKEMIKEに出品をした方が安全だと僕は認識しています。
でもMIKEMIKEを嫌っている創作者たちは「そもそも売るな」という認識なので、相容れないのです。

結論の通り、出品すること自体は違法ではありません。
「自分(創作者)が売るなと言ってるから、このサイトは違法だ」と言っているのはただのわがままです。

今回の件で「因習村ルールは思った以上に危ない考え方」だと改めて思いました。
二次創作はOKだけどフリマサイトはNGって規範的(法律などの絶対ルール)で見れば「何言ってんのこいつ?」ってなります。
僕が見かける創作者の考え方は赤信号みんなで渡れば怖くない精神で、ローカルルールで好き放題にやっている無法地帯者にしか見えませんね。
今回の件で是非とも人のふり見て我がふり直せということわざを覚えて帰ってください。



創作者も買う側も誤解されがちなんですが、奥付の注意文はお願い以上の拘束力はない。
MIKEMIKE関連ポストで見かけた、BOOTHなどで「購入をもって○○禁止に同意したものとみなします」と書いて販売することも不当条項にあたる可能性があり、実質拘束力はないそう。
これは二次創作ガイドラインと同じ。
詳しくはいくつか前の記事、反AIたちのポストを眺めていたら、思考停止しかけた話内の最後にある無断転載と学習禁止をbioやポストなどに表明することに意味はあるか?で話しています。
読みに行くの面倒くさい人向けに引用しておきました。

あとこれもみなさん誤解しがちなんですが、運営が出しているガイドラインって双方同意が必要な規約ではないんですよ。僕もこないだ初めて知りました。
あくまで利用にあたっての“お願い”だったり、運営の対応方針として書かれているだけだそうです。

例えば「二次創作ガイドライン」で検索しますとANYCOLOR、ホロライブプロダクション、東方Project、Fate/Grand Order、ウマ娘プリティ―ダービーなどのサイトが出てきて、どれも同じようなことが書かれていると思います。Vtuberやゲーム作品が多く、集英社とか漫画雑誌の二次創作ガイドラインは無いようです。
R18やグロ描写を禁じているのはむしろ珍しく、ウマ娘プリティ―ダービーとかぶいすぽっ!辺りが適用されていると思います。これは過去のやらかしがあって追加されたはず。
ガイドラインの内容をざっくり説明すると「二次創作してくれてさんきゅー!この約束を守って遊んでくれたらこっちから著作権侵害で訴えないから、約束を守って好きに創作してね!お問い合わせはグレーラインにあたるものは全部Noって答えるしかなくなるから、出来ればしないでよねっ。違反した場合、運営判断で動くからメッされたら大人しく従ってくれよな。従わない奴は法廷で会おうぜ!」って感じで、このガイドラインは強制だぞ、絶対守れよって感じじゃないんです。

ちなみに、同人誌の注意文にある「オークションサイトやフリマサイトなどの出品を禁じる」「違法行為に対して1ページor1冊につき○万円」について、売る行為に関しては個人による処分行為のため、法律的に問題ないとされている。
違法行為〜云々に関しては金額が適当ではないことから、不当条項にみなされる可能性があるので、書くなら「無断転載については閲覧数×販売価格の金銭を請求させていただく場合があります」辺りなら認められやすいそう(海賊版サイトでの転載や電子書籍のコピー販売など)


よくみんなが「こう書けば民事で勝てる!」とか言いますが、その注意文を背いてやらかしたことによる判例は無断転載しか見当たらず(そもそもこれは注意文に書かなくても法律で禁じられているため、関係あるかと言われたら……)

二次創作の同人誌で注意文を背いたので訴訟しましたって判例は見当たりません。
引用で「判例があるから勝てますよ!」みたいにドヤ顔していた方もいたんですが、どこで見たんでしょう……?

奥付の注意文としては二次創作物であることを主張することくらいしか書くことがなさそうな気がします。法律で禁じている無断転載禁止も本来は書く必要は無いらしい。
知らなかったじゃ済まないから念のために……という気持ちで書くなら「この本は二次創作で公式とは関係ないよ!個人的にこの同人誌は廃棄処分してくれたら嬉しい、もし売るならせめて同人専門店が助かるかな〜。無断転載など法に触れるようなことしたら損害賠償請求する可能性があるからやらないでね」辺りを硬い文章に直すのがベターっぽい。



二次創作をする方々が対人間での社会的マナー、著作権法に無知であることはさておき、お金や名誉が絡むと人は正常な判断が出来なくなるのではないかと数々のマイナージャンルの二次創作界隈を渡り歩いて感じています。
承認欲求ほど怖いことはないとずっと感じているからこそ、僕は利益や数字を求めるような二次創作はしないです。
最初からメジャージャンルで二次創作を始めていたら天狗になっていたか、心が折れていたかもしれません。
昔、初めて字書きでの二次創作をする際に「ああいうのは関わっちゃダメだよ」と教えてくれた存在がいたことは大変に恵まれていたと感謝しています。無知過ぎたゆえ、あの方には迷惑ばかりかけていましたが……。

誰かが出したか分からないルールやモラルを優先した考え方より、法律を軽く勉強したり、過去の公式のお知らせや実際にあった判例を読むなどをした方がいざという時、恥をかかずに済むのかもしれません。
無知であることを自覚している人は変に口を出すより、静観するかそっち系に詳しい人に聞いてみた方が良いと思います、僕みたいにね。



この記事を書くにあたり、参考にさせて頂いた他のニュースや記事も載せておきます。


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