速読に疲れた僕が2人の師匠から教わった、6つの読書の方法
0.何の話?
マキシマリストな読書家を目指していたけど、
ついて行けずに疲弊したから、
2大読書ブロガー様に相談したら、
自分なりにいい方法を確立できたから、
このスタイルを続けるぞという決意表明をする
……という話
こんにちわ! クマのコドウです。
皆さんは読書がお好きですか? 僕は読書が大好きです! たくさんの知識を得られたり、見たこともない景色を見せてくれたり……何より、自分が「変わった!」と思える瞬間! ゾクゾクするほど素敵ですよね。
そして、読書家の皆さんなら、誰しも憧れたことがあるんじゃないでしょうか。
「速読」という蠱惑的な響きに。
「早く読みたい!」「多く読みたい!」「内容をバッチリインプットしたい!」「ついでにバッチリ、アウトプットもしたい!」
僕はそんな贅沢な夢を追い続けて10年近くになります。
1.速読にとりつかれた日々
書店や図書館に行ったら、読書術コーナーの本の帯が魅力的に誘ってくることありませんか?
「これであなたの人生を変えます!」「最小の努力で最大のインプットを!」「アウトプットこそ最大のインプットです!」「TVで話題沸騰!」「他の本は置いといて、一旦この方法を試してみませんか?」
僕はめちゃくちゃあります。
それに釣られて何冊も読書術の本を買いました。
で、何が書いてあったかと言うと……
「眼球を隅から隅まで動かせ!」「根性だ!」「この音楽を聞け! αかβかよくわからん波を聞け!」「読んでいる行と次の行を同時に読め!」「やっぱり根性だ!」「実は読まなくていい!」「メモを取れ!」「本にはノートのように書き殴れ! 借り物だからできない? それじゃダメだ! 投資なんだから買え!」「できなかったあなた……根性が足りない!」
思い出してもよくわからないものばっかり。
結果、どうなったか。
いろんな意見を取り入れすぎて、ぐちゃぐちゃになり、やること難しすぎて諦めたり、めんどくさくなり、とにかく疲れてしまいました。
「え、こんなに速読のこと考えても実現できないの……? セミナーに大金を払うしかないの……?」
そう思って、速読とは逆に、半年ほど読むことから逃げて、ゲームばっかりやっていました。
コレが数ヶ月前。
2.思い切って聞いてみた。
「10月かぁ……あれ、もうすぐ2020年終わっちゃうんじゃない? コロナで大騒ぎだったけど幸い仕事に影響なかったし、そもそも読書なら関係なくない? でも今年読んだ本って……あれ、思ったより少なくない!? え、今年、全然読んでなくない!?」
このままではイカン、と考え、僕はついに思い切って相談する……いや、相談させていただこうと考えたのです。
お相手は……読書における2人の師匠。
一人は「スゴ本」でお馴染み「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」のDain様に、ブログで。
もう一人は正体不明だけど博覧強記な知の巨人、読書猿様の著作『独学大全』とブログの過去記事から。
お二人ともブログが大人気で、本まで出版されている大先生。10年ほど前にネットで偶然見かけて、「文章おもしろっ。読んでる本も面白そ〜」と流れでブログを読み続け……良くも悪くも文章が面白いから、「読みたいリスト」が大量に溜まりました。逆に、もう、何を読んだらいいのかよくわからなくなるくらい。
人のせいにするな? だって、二人とも読むの早いし文章面白いから仕方ない!
両先生! ブログ、これからも拝読します! 応援しています!
だから相談させていただくなんて、本当にご迷惑じゃないだろうか、とすごく心配していたんです……。
で、相談した結論……もっと早く相談すればよかった! スッキリした!
ということで前置きが長くなりましたが、今回は過去の「なんでも読んでやろう」というマキシマリストだった自分から卒業して、「本当に読みたい本に集中する」というミニマリストになるために、自分がこれから読書というステップをどう踏むのか、皆さんに紹介……という形で自分の決意表明をします。
もし、同じように「速読に疲れた」とか「なんか読書術って胡散臭いの多いよね」と感じている方がいたら、良ければ御覧ください。やってることはホントにシンプルなので。
ただ、『独学大全』と『アイデア大全』を参照します。気になった方は、ぜひ手にとってご覧ください。絶対に役立ちます。
僕の考える「読書」の過程はこうです。
1.探す 2.選ぶ 3.楽しむ 4.理解する 5.書く 6.広げる
一つ一つご紹介します。
その1【探す】
言わずもがな、図書館や書店でお目当ての品を漁ることですが、僕は主に図書館ユーザーです。
過去に書店で自分に合わないものも含めて、本を大量にジャケ買いしてしまい、母にめちゃくちゃ叱られたからです。その時まとめてブックオフに売ったら、合計で2万円しました。中古で2万円ですよ? 異常でしたね……。
だから、できるだけ図書館へ行きます。何を読みたいか、とかは主にAmazonレビューとか、昔好きだった作家さんの最新作とか、自分が興味あるジャンルの初心者向け図解本とかを手にとっています。
さて、書店なり図書館に来る前に、読書家の皆さんはブクログのようなアプリなどで「読みたい本リスト」を作っていらっしゃると思います。
ですが、あまりにも読みたい本が溜まってくると、「次、何を読みたいんだっけ?」「この本……今では大して読みたいと思わなくなったぞ?」と、新鮮味が失われてしまうこと、ありませんか?
ここで僕は、Dain先生に伺った最初の方法をご紹介します……が、実際に教えていただいたところを読んでもらったほうがいいかもしれません。
下の記事のコメント欄で教えてもらっています。
いや、本当に、全然関係ない記事だったのにこんなに丁寧なご回答をいただき、感謝の極みです……。
と、このように僕の場合、読みたい本はグーグルのスプレッドシートにまとめています。これもDain先生から教えてもらったのですが、こうやって読みたい順番を整理しておいたり、何度も同じ本を登録できるようにしておくと、自分が読むべき本をすぐに把握できるようになります。
そして、読みたいな、と思った本は、図書館にすぐに予約したり、予約待ちが長すぎるなら思い切って買ったりして、とにかく一度目を通します。いわば、試し読みです。それが次のステップです。
その2【選ぶ】
ここでの方法は、読書猿先生の「3びきのくまテスト」を参考にしました。
「3びきのくま」テスト
1ぴきめのくまの質問(やさしすぎる?)
・その本は何度も読んだことがある? (はい・いいえ)
・内容を楽々理解できる? (はい・いいえ)
・でてくる単語は全部知ってるものばかり? (はい・いいえ)
・どこでもすいすい読んでいける? (はい・いいえ)
……「はい」が3~4個あるなら、その本は今の君には「やさしすぎる」かも
2ひきめのくまの質問(むずかしすぎる?)
・1ページに5つ以上わからない単語がある? (はい・いいえ)
・読んでいて、何の話をしているか、混乱したりわからなくなったりする? (はい・いいえ)
・何度もつっかえるし、へとへとになる? (はい・いいえ)
・わからないところを質問したり教えてもらったりする人が身近にいない? (はい・いいえ)
……「はい」が3~4個あるなら、その本は今の君には「むずかしすぎる」かも
3ひきめのくまの質問(ちょうどいい?)
・その本ははじめて? (はい・いいえ)
・分からないところは、あっても1、2カ所くらい? (はい・いいえ)
・知らない単語はあっても1ページに数個だけ? (はい・いいえ)
・わからないところを質問したり教えてもらったりする人が身近にいる? (はい・いいえ)
……「はい」が3~4個あるなら、その本は今の君には「ちょうどいい」!
まずは「3びきのくまテスト」。一言で言えば「とりあえず1ページ読んで見る」です。物語なら最初、ノンフィクションなら途中のページを適当に開いて、少し読んでみます。簡単すぎ? 難しすぎ? それらを考えます。第一印象で読めないと思ったら、頑張ろうとせず、お別れです。
次に(ノンフィクション系だけですが)「序文と目次に目を通す」→「本の内容の把握」→「何でこの本を読みたいのか自問自答」と進めていき、自分がその本を読む目的を明らかにします。
もちろん、ここでも楽しめなさそうだったらお別れです。
そして、「三匹のくまテスト」などで得た第一印象を、「読みたい本リスト」であるスプレッドシートに書き込みます。
ここでこうやって書き込んでおくことで、僅かながらも記憶にとどめておくことができ、再び手に取るのかの参考になります。
手放したけどまた読みたい。だけど難しいからお別れ。それでもまた読みたい……という本だってあるはずです。それこそが、自分の読むべき本、なのでしょう。
その3【楽しむ】
やっと本題。読みます。ここで意識することは2つ。
①物語でもノンフィクションでも、ぐっと来たところがあったらそこに付箋を貼ります。「あ、今、『自分』が揺さぶられた」と思ったところです。読んでいると時々ありますがレア物です。忘れないうちに付箋を貼ります。
②読むのがしんどい、と思ったら素直にお別れ。ここで、次に目を向けるべきは、その本より一段階易しい本を読むことです。
古典ならもっと優しく翻訳したもの。
ノンフィクションだったら著者の考えや予備知識がわかるような別の本。
著者の知名度によっては別の本が出たり、メディア展開していたり、Youtuberさんやブロガーさんが解説しているかもしれません。
「その本が何を言いたいのか」「何故そんな主張をするのか」を知っておくだけで、再び手に取ったときの印象が全く違うはずです。諦めるのではなく、迂回したり踏み台を使う。そうまでしてでも読みたい本が、きっとあるはずです。
大事なことは、時間を無駄にしないことです。集中力や時間は有限なので、無理なら諦める。諦めたくない本なら迂回する。そうやって、自分に最もあっている読むべき本を選んでいくことが大切です。
その4【理解する】
読み終わったら、「結局この本を読んで、自分は何か変わったのか」を考えます。コレもDain先生に相談しました。またこの記事のコメント欄をご覧ください。(全然関係ない記事で相談してスミマセン……そして温かく答えてくれてありがとうございます……!)
何にもなければ大したことない本だったので、さようならです。レビューを書くこともなく、次に読みたい本に進みます。
「この本、良かったな……!」と思えたら、本のどこに心惹かれたのかを考えます。主に付箋を貼ってあるところだと思います。
ここで参考にするのは読書猿先生の『独学大全』41の技法(鬼滅の『型』みたいだな)「刻読」。(気になるようなら読んでみて!)
良かったと思える箇所を抜粋して手元に写していき、さらに感想を一言添えるやり方ですが……これを全て手作業でおこなうのはめちゃくちゃ集中力使います。なので、大半はグーグルドキュメントに書き写していきます。
そして、「コレはほんとにいい一言だった!」と思えた文章は抜粋して、自分用のノートに書き写します。
または、『独学大全』36の技法「問読」。読んだ本(特にノンフィクション系)に対して、「タイトルに〇〇って書いてあったけど、なんで?」とか「この章に書いてある〇〇って何のこと?」とかの疑問を書き出し、その答えを本の中に探し、抜き出す。そうすることで要約が完成します。
その5【書く】
仕上げの作業です。
「この本で自分、変わったなぁ……」って思えたら書く。書けば、より頭に落とし込めるし、レビューを書くことで周囲におすすめできる。なければ、しなくて良し。
コレに関しても、Dain先生のこの記事で相談させてもらったことです。
①「自分の中で何が変わったか」
②「それはどこで変わったのか」
③「何で変わったのか」
……について書けば良くて、「この本の真髄は……」とか「作者が言わんとしていることは……」みたいなフカヨミは辞めましょう。追い続けるときりがないので。あくまでも自分がどう変わったのか、を書く。
なので①の時点で「最初は〇〇だと思ってたけど△△に変わった」と、読む前に持っていた思い込みについても書くと、より具体的になります。
あと、個人的にはあまりうまく書こうとしないで、気持ち悪くても、自分の中の完璧主義者が異論を唱えようとも、ひとまず最後まで書ききる。編集はその後。
ただ、順番も落とし所もわからないまま、いきなり書き出そうとしても、上手くはいきません。そこで、コレについては読書猿先生の『アイデア大全』5のツール「ノンストップ・ライティング」を使います。
1. 書く準備をしてタイマーを15分間にセットする。
2. タイマーがなるまでなんでもいいからとにかく書き続ける。
3. 怖い考えやヤバイ感情に突き当たったら(高い確率でそうなる)、「ようやくおいでなすった」と思って、すぐに飛びつく。
15分間、手を止めずにひたすら書くことで、自分の焦りを抑えて頭の中からアイデアを引っ張り出す。スパルタですけど、こうすることで最大の批判者である「自分」を振り切ってアイデアを形にすることができます)
その6【広げる】
ここが最も大事なところ。記事をSNSで公開します。今ならnote。
共感してくれた人から新たな1冊を教えてもらえるかもしれません。
SNSが進化した現代では、本と本、つまり本を読んだ人同士が繋がりやすくなりました。そうやって、「この本に感動したならコレもありだよ!」とか、「私はこのブログで本の情報を集めています」とか、本に関する情報を直接会わずとも広げられるようになりました。
この「自分が知らなかった考え」を本からではなく人から教わることで、自分という器を広げられるようになります。
終わりに
選んで、読んで、書いて、また選ぶ。長くなりましたが、コレが自分の「読む」という過程です……というか、そうすることにしました。
「速読」とか「最強の読書術」とか、書店に行って惑わされるのは、もう疲れました!
自分の今までの方法は、「何でもかんでも吸収してやろう」というマキシマリストの考え方で、そんな考えに自分の体がついていけるわけがありません。だって、時間と集中力と、本を買うお金は有限だから。そうではなく「本当に自分が読みたい本は何?」と自分に問いかけるミニマリストの考え方で、これからも末永く読書を続けていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見ありましたら、教えていただけると幸いです。
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