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ぼっち在宅介護 ここに来てまた一つギアを切り替える父

最近、父、停滞しておりました。
2、3週間、日中がダラダラぼんやり…
ただ昼夜逆転と言う感じでもなく…
パルスオキシメーターが、90前半を指すことが増えてきました。

ただ、嚥下リハビリ時、先生が首肩のマッサージをすると99を叩き出します。
が、それも不安定になってきています。



でも、好んでいた腕回し運動や寝返り、マッサージを希望しないし、うつらうつらするばかりになってきました。
食事も三食取れず二食が続いていました。

訪看でも座位を取るのが難しく、リハビリも眠ったままで起きれない、口腔ケアも頑張れないし、食事も途中で寝落ちます。

お腹が少しずつ痩せてきたし、正直、難しい局面に移行したのかなぁ…と思ったりもしていました。


とは言え、朝、夜には起きてくれていて、その食事はとりたい意欲もあります。
睡魔が気持ちに勝てないっと言った感じでしょうか…
食べるも飲むも量は減れども、接種してくれていますので、すぐにあの世とは行かない感じはしています。


ま、介護探偵ができることというと、
何が食べられるか?
何でしんどいか?
その辺りを探るくらいです。


言葉数も減り、返事をごく浅い瞬きで表現されるので、正直、適当にしか意思疎通は取れていませんでした。
とにかくしんどくてだるいらしいのです。


ずーっとうつらうつらぼんやりが止まらないので、せん妄のお薬を減らしてみてはどうか?と思い、主治医に相談してしました。

「食事量が減ってるので、1日3錠を2錠にしてみるのはどうでしょうか?」

「いいと思うよ、やってみよう」

基本、父の主治医のF先生は、本人や家族の意向を快く受け止めてくださいます。

「パルスオキシメーターの数値とかは気にしなくていいよ。サチレーションが下がってるかどうかは、足の裏の色で判断して。黒ずんでいたら、すぐ連絡くれたらいい。そうじゃなくて呼吸できてて、眠れてるなら気にしないで行こう」

もしもの判断基準も素人でも見分けられるようなことで指示をくださるので大変助かります。


その内容を父に全て話しました。

⚫︎お薬を減らしてみること
⚫︎パルスオキシメーターの数値は気にしない
⚫︎しんどい時は先生に連絡する

その上で、お薬をどうしたいか聞いてみたところ、一回を減らしてみるとのことでした。

「じゃ、朝と晩の食事の時だけ、お薬にしようね」


すると、どうでしょう?

お昼に目を覚まして、
「飯」と言いました。
どれくらいぶりに聞いたか…

「食べんの?食べれる?」

「うん」

「お薬は?飲む?一個減らしたまま頑張ってみる?」

「うん」

「飲まないのね?」

頷きました。


あ、こりゃ、夜食べれないわっとタカを括っていたら、
夜になってうつらうつら眠りから覚め、
「飯」
と言います。

「え?食べれんの?昼食べたよ。今日はちょっとマシなの?」 

「うん」

たしかに、訪看の時、足湯だけはベッドから起き上がれました。
体を起こしたことでぐったりするかと思いきや、まさかの3食食べ…
どないなってんの?って感じです。


すごくしんどいけど、頑張って食べてるのか…
ほんとにちょっとマシになったのか…
正直なところ、わかりません。


主治医も
「正直、本人がどこまでどう頑張りたいか、頑張れるのかはわからないし、測りようがないからね。ここからは、もう何も気にしないでいこう。これまでと同じようにしていこう」
と言われていました。


これまで、何度も何度もヒヤッとした瞬間が来すぎて、正直なところ、もうヒヤッとしなくなってきてまして、あぁ、コレが緩やかな下降かなぁ…?という感じではおります。



薬を減らして数日…

ある日の昼間は、死んだように眠り続けていました。
でも、夜、目を覚まして、水分も摂れごはんも食べれました。

うーん…

その翌日は訪問看護。
寝そべり座りですが、座位で上半身の着替えをしました。
摘便も出せました。

ホッとして、
こりゃ、この後の嚥下のリハビリはつかれて寝るな〜と思ってましたが、
起きたまま、言語聴覚士の先生を待つことができました!

(先週は、どんな声をかけても、何をしてもおきれなかったので、先生は驚いていました)

「マッサージしますか?食べたりしますか?」

新しい先生とは3回目です。
大好きなN先生はもう来ません。
キョトンとしながら、先生の声を聞いています。

先週はガン寝で覚えていないので、2人には軽い緊張感がありましたが、先生が懲りずにコミュニケーションを取ってくれました。

「さっき、お話してくださったんです!お返事いただきました!」

(ご苦労おかけします…)

で、マッサージを終えると、おやつで咀嚼や嚥下のテストをすることに。
しばらく、おやつも食べれてない話をしまして…前、好きだったソフトなせんべいを出したところ…

「じゃ、そのおせんべいから行ってみますか?」

せんべいの袋を外すと、
なんと!自分で持って、口へ運ぶじゃないですか!

ボリっ、ボリボリボリボリ
バリっ、バリボリバリボリ

え?普通に食べてる?

先生も私もキョトン…

とは言え、小さなせんべいを2枚食べたら、やはり咽せてしまい、閉店でしたけど…

持つのも正直やっとやっとでしたけど…
おせんべいの軽さは持てるようです。

先生は、「すごい…Aさん、すごいですよ。咀嚼も飲み込みもいけてますよ。ちょっと喉に残ってますが、危ないとこではありません」


これは…
お薬を減らした効果か、ややせん妄気味か…

深く考えるとモヤモヤしますし…
あまり考えないことにします(笑)

言語聴覚士の先生は、
「次回は気をつけます!もう少しゆっくりと咽せないように注意します…」
と申し訳なさそうに言われました。


私は…
「いいんです。このままで。見えない部分ですから、気をつけるのは本人しかできませんから。したいようにさせた上で、喉に詰まったら咳で本人に出してもらいましょう。これが在宅の醍醐味なんで。ダメなら、ダメで、好きなものを口いっぱいにして死ねるなんてこんな幸せなことないですから。気にしないで、先生のやってみたい実験あったら、それに使ってやってくださいね」
と返しました。

父は、「何か?」くらいの顔をしていていました。ちょっとにやっとしたようにも見えました(笑)

先生は、ウチの親子関係に、面食らったようでしたけど…

「確かに…僕も好きなもの食べながら死にたいです」と。

「でしょ?」


また、父は、変なギアを入れました。

こっからは、その日その日、違う父をみることになるかもしれません。が、これが父なんです。あくまで、なるがまま、時間と自身の体に身を任せて、やれることをただ頑張ったりサボったりして、人生を全うするんだと思います。


さ、今日はどんな1日になるでしょう。


とりあえず、朝と昼と食事は摂れています。
そう言う日のようです(笑)

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