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Tea break8 保育の展開(環境の再構築)

保育は学校教育と違い、保育者の視点で教材を選び、保育内容の環境構成が検討されます。教材を選ぶ自由度が学校教育より大きいといえるでしょう。保育者は教材を選ぶうえで目の前の子どもの興味関心を軸に選ぶことができ、子どもの遊び(学び)がより深まるわけですが、施設によって遊び(学び)の経験が異なるのです。

一方、学校教育は文部科学省の学習指導要領により日本全国どこの学校に通っても一定の水準が保たれるように教育課程の基準が定められています。これによりどこの学校に通っても同じ経験や学びが保障されています。

保育の遊びはその時期にその発達にふさわしい遊びが『ねらい』として施設ごとに設定されていて、その『ねらい』は施設ごとに大きな違いはないと私は感じていますが、ねらいの内容が大きなため、教材(遊びの内容)を各保育者が選択することができるのです。このため、保育者の経験や技量により保育内容に差がでてきて、学級の差がでるのだろうと思います。

勿論、施設内の同じ学年の保育者同士は毎月の月案はもとより週案もしっかりと打ち合わせをして同じ経験ができるよう考慮すると思いますが、保育者が「何を経験させたいのか」「何のために経験させたいのか」の『何のために』の視点を持っているかどうかで違いが出てくる場合があります。

実践例:色水遊び
春から初夏にかけての園庭には教師の意図を反映した様々な小花が植えられ、その花を使って色水遊びが始まるでしょう。

保育者がこの花を教材と選択すると、この遊びで幼児がどんな姿になるだろうと『予想される幼児の姿』を検討します。
・ 初めはビニール袋に花びらを入れ、もんでみる?
・ 色が出てくることを発見し、驚き、ワクワクして何度も試してみる?
・ 濃い色水を作っている友達の色水を見て、自分も同じものを作りたい?
・ 透き通った色水を作っている友達の色水を見て、作り方を知りたい?
・ 色水と色水を合わせると違う色水ができ、その違いを驚いたり、楽しんだりする?

次に保育者は予想された幼児の姿に合わせ、どう援助するかを検討します。
この時に保育者が「何を経験させたいか」「何のために経験させたいのか」の視点を持っているか持っていないかで援助に大きな違いが生まれると思います。

個を大切にして、それぞれの子どもに思う存分色水遊びを楽しませたいと考える保育者は、色水つくりの用具や道具を十分に用意し、1人1人が遊び込める環境にするでしょう。

友達とのかかわりを経験させたいと考える保育者は、色水をジュースに見立ててお店屋さんごっこを展開し、お客役やお店屋さんなどで幼児同士がかかわったり、会話ができるようにするでしょう。そんな時に保育者が工夫するのはお店屋さんが盛り上がるように環境構成するために素敵なカップを準備することもあると思います。
私はちょっと大人みたいで、カフェみたいで、ワクワクできるカップなどを準備しました。
安価で、でもワンシーズンくらいはしっかりと遊べて、日本製、など少しこだわって選びます。

その他に、子どもの作ったジュースのメニュー、作ったジュースを並べることができるカウンター、カフェの看板、子どもの興味関心を読み取りながら環境を構成していきます。

そして、遊んでいる幼児の姿を見取り、子どもの遊びや、興味関心の変化に合わせて環境を再構成することが大切です。
これがPDCAサイクルというわけです。

子どもの遊んでいる姿を丁寧に見取り、色水で絵が描けることを発見した子どもはにじみ絵や染紙などをして遊ぶかもしれないと考え和紙や、障子紙、色水を入れるプリンカップ、古くなった絵筆などを環境として子どもが見つけられる場所に準備しておくのもよい環境構成だと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
明日も楽しい保育でありますように♡

※ Amazonのアソシエイトとして適格販売収入を得ており、コラム内の商品については個人的感想であり、何ら保証するものではありません。



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