営業組織を次のフェーズへ。元セールスフォース・ジャパン執行役員 川崎哲也がNOT A HOTELに参画した理由
2023年11月、NOT A HOTELのSales/Relationsにセールスフォース・ジャパンで執行役員を務めた川崎哲也が参画した。新卒で入社したセイコーを経たのちにのち、日本オラクル、そしてセールスフォースと、IT業界で20年超のキャリアを歩んできた川崎。そのキャリアを紐解くと、その中心はいわゆる“営業”という職種ではなく、“カスタマーサクセス(既存顧客支援)”だったことが分かる。
現在、NOT A HOTELのビジネスチームは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、オーナーリレーションと役割が分けられている。急速な事業拡大に伴って最適なセールス組織体制の構築が求められる今、経験豊富な川崎に寄せられる期待は大きい。
今回のインタビューでは、入社直後の川崎に、なぜ執行役員を務めていたセールスフォースからスタートアップであるNOT A HOTELに参画する決断をしたのか、その理由を語ってもらった。
IT業界での20年超のキャリアを経て、今NOT A HOTELに参画する理由
ー川崎さん23年11月にNOT A HOTELに入社したばかりですが、まずはNOT A HOTELに参画する前のキャリアについてお伺いできますか。
長くIT業界でキャリアを積んできて、NOT A HOTELが4社目となります。新卒では時計のブランドとして知られるセイコーに入社しました。理工学部出身だったこともあり、システム部に配属され、ユーザーシステムのサポートに従事しました。その後、日本オラクルへ移り、ERP(サプライチェーン製品)のユーザーサポートに携わりました。今からちょうど14年前に前職であるセールスフォース・ジャパンに転職したのですが、当時はまだ「クラウド」という言葉すら世の中には定着していませんでした。大規模なサーバーを前提としたERPパッケージを取り扱っていたオラクルの仕事とは対照的なクラウドビジネスを展開するセールスフォースに移るにあたり、多くの人に「なぜ?」と言われたのを覚えています。
それでもセールスフォース入社を決めたのには、大きく二つの理由があります。まずは、世の中がクラウド化していく流れを感じ取っていたこと。そして、セールスフォースが「社会貢献」を全面に打ち出す稀有な会社であったことです。セールスフォースでは創業以来、「1-1-1」という社会貢献モデルを掲げ、製品・株式・就業時間それぞれの1%を活用し、社会への還元を続けています。会社が本気で社会貢献に取り組もうとしているスタンスに共感したのも、入社の決め手の一つになりました。
ー20年以上の長きにわたりIT業界でキャリアを歩まれてきたわけですが、NOT A HOTELは純粋なソフトウェアというより、建築というハードも絡んでくる業態です。キャリアチェンジの背景にはどんなきっかけがあったのでしょうか。
少し話は逸れますが、10年ほど前に地元広島の同級生が尾道に「ONOMICHI U2」というホテル・レストランから成る複合施設をつくったんです。それ以前は宿泊者がさほど多くなかった場所に、U2ができたことが契機となり、一気にインバウンドも含めて全国から人が集まる地域になりました。一つの新しい建物がきっかけとなり、人を呼び込み、雇用を生み、街を変えていくーーそんな仕掛けが可能なことを目の当たりにしたことで、自分のやりたいことが明確になっていったんです。いつか地方を元気にするようなビジネスに関わりたい……そう思うようになった矢先、出会ったのがNOT A HOTELでした。初めてNOT A HOTELを知ったとき、心の底から自分がワクワクすると思えるサービスに出会えた感覚を得ました。何より地方の価値を高める存在になりえるとも感じたんです。
ーというと?
NOT A HOTEL AOSHIMAがある宮崎県青島は、かつて廃墟だったエリアが豊かなランドスケープへと変化した事例ですし、実際に青島地区の地価上昇率が宮崎県内トップになったニュースは大きな話題となりました。私も先月、AOSHIMAに宿泊してきましたが、地域の方々がNOT A HOTELができたことに深く喜びを感じているんですよね。それが何より嬉しかった。地域に入り込み、その土地の魅力に焦点を当て、次の世代に受け継いでいく。これがNOT A HOTELの本質的な魅力なんじゃないかなと思っています。
約5年前に執行役員となり、もちろんセールスフォースに残り続ける選択肢もありました。ただ、数年前から55歳(現在、54歳)をキャリアの一つのマイルストーンとしていたんです。何か新しいチャレンジをするのであれば、早く動き出さなければいけないと思い、NOT A HOTELへ進む道を決めました。
セールス組織をよりなめらかにするーー横断的な体制づくり
ーNOT A HOTELのセールス組織に入られたわけですが、経営陣とどんなコミュニケーションを取りながら役割や期待値を調整していきましたか。
入社を決める契機になったのが「カスタマーサクセス」という役割に対する期待の大きさでした。ただ、現状や課題を直接聞くなかで「カスタマーサクセスといえど、既存顧客の支援に限定するのではなく、その手前から入り込み、より横断的な体制づくりを担ってほしい」というミッションをいただき、これはチャレンジングだし、ワクワクするなと感じたんです。セールスフォース在籍時も、Webの施策からセールス、そして既存のお客さま支援などを関連部門と協業しオペレーションしていましたので、機能を独立させるのではなく、ワンチームで回すイメージはありました。
ー実際に入社してみて、NOT A HOTELの雰囲気はいかがですか。
スタートアップらしいスピード感や組織のフラットさは目を見張るものがありました。それこそ、みなさんと濵渦さん(NOT A HOTEL CEO)の距離がとても近いじゃないですか。先日、開業から1周年を迎え、総販売金額が100億円を突破したリリースがありましたが、その背景にはこうしたスピード感と組織の一体感があったからなのだと納得しましたね。
あと、NOT A HOTELの特徴の一つに魅力的な建築がありますが、それに加えてイノベーティブな発想でどんどん新サービスを仕掛けていくのも大きな特徴ですよね。たとえば、先日発表されたNOT A HOTEL DAOはその典型じゃないかなと。入社前は、ミッションで掲げられている「すべての人にNOT A HOTELを」に対して、「本当にできるのかな?」と若干の疑問を持っていたのですが、NFTやDAOの取り組みをみていると、本気で成し遂げようとしているのが伝わってきます。
セールスチームとしても、一方的にサービスを届けるのではなく、会社のミッションやビジョンに照らし合わせつつお客さま毎のストーリーに沿うかたちでコミュニケーションしていきたいと考えています。メンバー全員が高い解像度で会社のビジョンを、お客さまのみならず、家族や友人も含めたステークホルダーに語れる組織は強いですからね。
ユーザーストーリーに寄り添うスタイルと目標数字の両立
ーでは最後に、改めて川崎さんがNOT A HOTELを通じて成し遂げたい展望について聞かせください。
目指すところは、お客さまのユーザーストーリーをお一人ずつしっかり想像し、つくり込んでいくマインドを持って販売すること。NOT A HOTELを介して一冊の本(お客さま毎のストーリー)がどんどん増えていくようなイメージで、「あなたがいたから、私のこんなストーリーが始まったんです」と言っていただける関係性を築けるセールスチームを目指したいですね。
先日、オーナーの方々を招いたクリスマスパーティーを開催したのですが、あらためてコミュニティの大切さを実感しました。大変嬉しかったのは、ご家族、グループだけでなく、お一人でご参加いただいた方がいらしたことです。まさに、オーナー同士のつながりを期待されてるからこそですよね。このような接点から、お互いのストーリーが広がっていくコミュニティを目指していきたい。NOT A HOTELにとってもサービス改善の気付きだけでなく、新たな施策を考えるきっかけにもなりますからね。オーナーリレーションを閉じたかたちにするのではなく、対外的に感動をシェアする仕組みをつくり込むことは、改善点というよりも可能性とも言えるかもしれません。
私個人としてはNOT A HOTEL唯一の50代メンバーとしてシニア層のユーザーフィードバックを吸収するのもミッションと捉えています。お客さまのなかにはソフトウェアと一体となったNOT A HOTELの体験に戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。世代が近いからこそシニア層のリアクションやフィードバックを受け取り、NOT A HOTELのサービス向上につなげていきたいですね。何を隠そう、会社のミッションは「すべての人にNOT A HOTELを」。役割は大事にしながらも、手段を問わず挑戦していきます。
採用情報
現在、NOT A HOTELの営業戦略・セールスやリレーションシップマネージャーをはじめ複数ポジションで採用強化中です。カジュアル面談も受け付けておりますので、気軽にご連絡ください。
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