ハラジュクヨヨギトーキョー
ハラジュクが嫌い、原宿には詳しい
素敵なタバコの吸える人のいない抜け道から、
深夜までやっているオモテサンドーのスイーツ屋さんまで迷わずに案内してあげるね、きっと
多分私よりも平成終わりかけの高校時代をハラジュクで過ごした女の子はいないと思う、なぜなら昔の彼氏が原宿に住んでいたからです。
トーキョーの端っこ、田舎育ちで駅から家まで歩いて30分の女の子の私はいいとこ育ちのこと付き合ってて貧しいを痛感したし、私の家もこうだったらなと何回も夢想しました。原宿に家があるなんて凄いなぁ、実家パワー、、、
でも私の高校生活は素敵な彼に出会うことによって狂わされました、DVでした、DV男って最初で最後だなぁ最低だなぁ、首絞めたりケータイ壊されたり私のこと全部バカにしてお財布まで管理してたね、挙句の果てに季節を売って来いって脅して。売ってきたら学校を退学したくなければ続けろと
私が原宿で過ごした時間の殆どは「待ち時間」です
彼が1回家で寝る時間、ほかの友達と遊んでる時間
親と話す時間、夜ご飯の時間、彼が家を抜け出すまで彼の親が寝るまでの時間
思い出すのは真夏の炎天下
楽しそうな女の子達を片目に
ロールアイス屋さんの前で5時間待ち続けました、
今はきっとロールアイスなんてもうないよなぁ
私は実家の都合でケータイを持っていないことが多かったのでただ待ち続けました、おかねもなかったしやることは散策だけ入れないってわかってるカフェのメニューを見たり、古着屋さんに入ってみたり、暑い時には本当にラフォーレ原宿に助けられました。あとはwegoにも
冬の寒い中ヨヨギコーエンで始発まで待たされることもあったし彼氏とクレープを二人で食べたことなんて大人になるまでなかったなぁ
晴れの日も雨の日も、雨だったら神宮前駅に助けて貰って
青の洞窟なんて言葉本当に嫌いだよ
1人でただ連絡を待って毎日見に行く物じゃない
全部欲しかったものが目の前で壊されていく感覚
経験じゃなくて、ただ見るだけ
知らないことは価値でもあるのに
それで私の高校時代は終わりました
私は原宿の本来の楽しみ方を知らないしお店の並びだけをただ知っているつまらない女の子になってしまいました。最近は開発が進んでもっとよく分からないヘンテコな駅回りになりましたね、私の知っているところもまたどんどん減ってきてしまうね
いつも原宿にくるとあいつの事が頭をよぎります
楽しくはなかったけど悪くはなかったかとか
b級映画より酷い演出みたいな雨の中で家から傘を持ってきてくれたな
家の近くで私を終電前に引き止めてくれたね
終電がおわったら私は家に帰らないといけないからね
父親に殴られるなら、涙を流して謝らないといけないのなら、親は選べないなら私は
自分が選んだあいつと辛い思いをする方がまだ私の小さな世界の中では大きな幸せだったと思う
あそこの銀だこも潰れましたね、あなたはまだあの家にいるの?私は顔も思い出せないけど私の付き合う人っていつもどこかあなたに似てる気がします
服も顔も喋り方も声も
あなたは私の事きっと忘れているでしょうね
そういう人だから分かります
自分のことしか考えない、いつもあなたのことが嫌いでした
私ときっと似てたんだね、君の中に私を見つけてそれが嫌いだったんだと思う
大嫌いをべっとり覆い隠すほどの大好きと依存と未来への不安で私たちは成り立っていたね
少なくとも私はそうだと思う
よく考えたら私たち結構似てたのか、合わせたのか
分からないけど楽しかったのかもね
間違いなく私を東京の普通の女の子からトーキョーガールにしたのはあなただよ
良かったのか悪かったのかは結局わかりません。
あなたが当時ぐちゃぐちゃにしたラークは今は廃盤になりました、隠れて吸っていたのにカバンを漁ってタバコの箱を潰すのはやりすぎですよ。
嫌煙家だった癖に再会したらピースを吸っていてひどく気分が悪くなったし面白かったです。時の流れはゆっくり人を蝕み変えてゆくものだと思うと笑えます、不変のものなどないのだと
あなたと過ごしたハラジュクのことを少し、
猫のブランドを今の彼氏が気に入ってよく着ています
私あの猫は可愛いけどあなたを思い出すから嫌い。
そんな事言えずにおそろいでサンダルを買いました。
supremeは未だに1人ではいる勇気が出ません
失敗された美容室はいつもの通りにまだあるね
薬膳スープ屋さんは潰れました、あそこ狭かったし美味しくなかったし当然
あなたの家でUberしたご飯は零したらいけないからいつも食べる気がしなかった。あなたといる時おなかいっぱいまで食べ物を食べた記憶がないです、いつもびくついて緊張してた
食べ方を指摘するしうんざりだから私は食事は諦めていたよ、友達と食べに行く学校の近くのラーメンとかが好きだったな。
うどん屋さん、当時はすいてたけど今では有名になって並ぶ気もしないな。昔は今より原宿って空いてたよね、深夜だからかな
よく分からない鹿はまだあるのかな、最近近くのタトゥー屋さんに行きましたよ、その日も雨
あなたといる時間は本当にストレスが多くてそのおかげで太らなくてすんだのかも。無理なく痩せれてたね当時は、はーうんざり。
おじや屋さんはあなたと行くとタバコが吸えなくてイライラした、気に入ってよく使っています
お店選びのセンスだけはあなたの事を褒めてあげたいよ、つまんないカブキチョーの店とかに連れていかずにいつもいい店を探してくれたね、高校時代だとは思えないくらいに。分不相応だったと思うけど私の知らないお店を沢山知ってて、誰かと原宿に行くと流行りの変なお店に行くことになってつまらないからあなたの連れていってくれた安牌をとってしまいがいです
私とお揃いだった水色の服は捨てた?私は川崎に越した時に捨てたよ
最近電話をくれたくせに嫌味なやつでびっくりした
友達と二人で笑い転げました
外から見える女の子たちと扇風機とクーラー
潔癖症なところも
今思えば、何も感慨が無いわけじゃなかったから書き始めたのかな
あなたとの写真は1枚もないよ、高校の先輩だったのにね
私の選ぶ人はいつも私の写真を撮らない
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