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以前読んだ本の感想「テレビの大罪」
TVについて、何かおかしいよね、と前から思っていました。某TV局のHアナウンサーは、なにか事件がおきたときに、犯人などに対して「信じられませんよね。こういうことをするなんて」と、正義を振りかざした物言いをします。Hアナウンサーは、これまで何一つまちがったことをしたことがないのでしょうか。自分を棚にあげて何をいっているんですか。
そんな気持ちになったことがある方には、この本はお勧めです。ウェスト58cm幻想など、たしかに幻想だと思います。年齢だってサバをよむ芸能人にあって、スリーサイズをごまかすことなんて当たり前のように思います。でも、それを真にうける少女たちがかわいそうです。そのために無理なダイエットをつづけ、健康を害することになれば、TVの責任でもあります。
六本木ヒルズで子供が回転ドアに頭をはさまれて死亡した事件では、森ビル側の回転ドアの安全対策ばかりが報道されていたようですが、森ビル側としては、「危ないですからお子さんと手をつないでください」とアルバイトに連呼させていたそうです。再発予防には、回転ドアの安全対策も必要でしょうが、保護者への安全に対する注意喚起をすべきだったと。
また、ゆとり教育をすすめる世論を大きく誘導したのはTVだろう、TVのキー局が東京にしかないので、地方の事情はTVにあらわれない、自殺報道が自殺をつくる、など影響力の大きなTVのマイナス面がつづられています。
飲酒運転のくだりは、ちょっと微妙ではありますが、その他については、うなずけることが多い。視聴率をあげるために、レアケースを一般化して報道するようなことがありますよね。
毎日、なんとなく見ているTVに影響されすぎないように、多くの人に読んでもらいたい本だと思います。
<著者>和田 秀樹 氏
新潮新書