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Kaiserreich進捗報告136 国民党左派

原文はこちらから。訳文には中国語版も参照した。

韓国と山西派のリワークを担当したsuzuhaだ。同じく山西派の共同開発担当のChiang Kai-Shrekと共に、このPRを書いている。前任者がチームを離れてからは国民党左派を担当し、コンテンツの拡充を進めてきた。しかしもっと手を加える余地があると考え、山西派のリワーク直後からChiang Kai-Shrekとともに、ゲーム内容や設定まで含めた新しい大規模リワークを提案した。

二か月半の集中的な開発期間、4つの開発フェイズ、大量の計画書、そして数え切れない時間をリサーチに費やし、ようやくコードを書き終えた。ここに開発進捗報告136、国民党左派のリワークについてお届けする。現在最終チェックやサブコンテンツの作成に取り組んでおり、チーム内で活発的にテストされている。

閩贛根拠地の地図。RuskieBusinessに謝辞を。

なぜリワークするのか?

国民党左派はKaiserreichでもかなり親しまれている国家だが、以前からゲーム中盤・後半のコンテンツが不足しており、特に政治コンテンツや終盤のプレイ目標に物足りなさが残っていた。また国民党左派は多くの面でやや内容が古く、拡張の余地が少なかった。今回のリワークでは多くの人物や設定を追加し、党内のさまざまな派閥(国民党以外の社会主義勢力や孫科のハワイ派など)を大きく拡張し、単に中華を統一する以上の魅力をプレイヤーにお届けしたい。

目標

リワークをはじめるに当たり、以下の目標を改善点に挙げた

  1. 派閥コンテンツの不足:現在、国民党左派の派閥は政策ごとの大まかな組み分けしかされておらず、左派を構成する重要人物やスタンスを反映していない。今回のリワークの国民党左派は、激動の軍閥時代を生き抜く社会主義勢力の集合体として描かれる。

  2. 政治闘争の不足:国民党の派閥(民権派と民生派、中特局など)の派閥抗争システムはやや物足りない。これでは史実国民党の権力闘争で見られた内紛や戦術が反映されていないし、ナラティブとしての魅力にも欠ける。すでに一部のコンテンツを先行して実装している(党名の変更など)が、更なる改良の余地がある。

  3. 終盤コンテンツの不足:国民党左派は最初の中国リワークで統一候補として開発された、統一までのプレイアブル要素が実装されている。しかし現状、統一してしまうと実質的にどの派閥もほとんど違いがない。また各派閥が権力を握ったあとの政策についても説明が不十分だ。

前回のリワーク構想からの変更点

国民党左派のゲーム内容拡充、そして完全なリワークを担当するにあたって、以前の開発者の構想を一部大きく変更した。

再建システム

再建システムは中盤の早いゲーム内容に合わせて調整し、多くのコンテンツを後半・終盤に移動させた。戦債、ディシジョン・ツリー、中国経済開発など前回紹介したコンテンツも、中盤から終盤にかけての国民精神やNF、イベント、ディシジョンに作り替えた。これによってより面白いゲーム内容となり、大規模な経済開発にもより多くの設定を盛り込むことができた。

周恩来ルートと孫科ルートの削除

これはどちらのルートも改修後の国民党左派のシナリオにそぐわなかったためだが、一部のアイデアは他のコンテンツに組み込まれた。

  • 周恩来ルート:周恩来の国家元首就任は、彼の穏健路線や政治的な慎重さを考えるとあまり適していなかった。次のリワークでも国民党左派で大きな役割を果たしているが、表舞台で指導者となることはないだろう。

  • 孫科ルート:再造派は国民党内部で浮いている、というのが今回のリワークで繰り返し登場するテーマだ。かつての「文官中道派」である孫科の政策は国民党左派シナリオでも登場するが、社会自由主義的な国民党は、将来的に別の中華派閥で登場したほうがいい。

「右翼」政党について

CC団と西山会派については国民党左派からは削除した。前回のリワーク構想では党内に残った文民右派だった(初期リワーク構想では国民党は文民色が強かった)が、歴史的文脈を踏まえて再考した。

  • 西山会議派は1924年の党改革で国民党と決別し、北伐が失敗するまで国民党主流派に合流しなかった。

  • CC団も主流派ではない。これは蒋介石が党内の「脱広東化」を進め、浙江省出身者を重用するようになったため。

これは西山会議派とCC団がKaiserreichから消えたわけではない。もしも国民党右派をリワークするようなことがあれば、登場する可能性はある。

前史

1925年まで

1919年10月10日、亡命中の孫文中国同盟会の残党とともに中国国民党を結成。同時期にフランスでサンディカリスム革命が成功。中国でもサンディカリスト政党(工団党)が結成。中仏間の勤労学生留学制度も更新される。

1920年、広東軍閥(粤軍)の陳炯明の支援を受けて、孫文が帰国。広州市に居を構えるも、その後炯明との関係は悪化。

1922年、炯明は配下の軍隊を使って孫文を攻撃し広州から追放。以降2人は関係を断絶する。

同年、孫文は胡漢民汪精衛蒋介石などの最側近とともに、フランスから支援を引き出す。見返りとして中国工団党をジュニア・パートナーとして、国民革命統一戦線に組み込む。

1923年、孫文は軍勢を率いて広州に再度入城。炯明を広東省から追放し、国民革命政府を樹立。

1924年、孫文は党の「改編」を支持。党の左傾化、権威主義化を進める。

同時期に黄埔軍官学校が設立、蒋介石が初代校長に就任。多くの元ロシア軍人をはじめ、インターナショナル加盟各国から多数の教官が招聘される。

1924年11月、孫文は志半ばでこの世を去る。北洋政府(当時は国民軍と奉天派が中心)との統一交渉の最中だった。孫文の支持者たちはその後も革命に従事するが、党の指導者をめぐって派閥対立が始まる。

1925年から36年まで

1925年3月、左派と右派の対立が続く中、東征を実施。陳炯明と粤軍残党を撃破する。

上海で五・三〇事件が発生。これを受けて国民党と工団党は反海外帝国主義をスローガンに合同ストライキに突入。さらに沙基事件が発生し、革命ムードが一気に広がる。

工団党は勢力刷新を図り「中国工団主義連盟」に改名。非国民党系社会主義勢力(評議会共産主義者、アナーキスト、アナルコ・サンディカリスト、サンディカリストなど)を糾合する包括的同盟を結成。

1925年末、イギリス革命が終結し、中国全土で暴動が広がる。長きにわたる中英関係の冷却、それにイギリス撤退による権力の空白によって反帝国主義感情はますます高まり、国民党はさらに左傾化。

左派のリーダー廖仲愷の暗殺未遂事件が発生、党の左傾化が加速する。文官で右派のリーダー胡漢民が疑われ、後に死刑。

蒋介石は隷下の部隊に胡漢民処刑を命令。自らの政治的立場を明らかにし、支持者をはっきりさせる狙いがあった。

1926年7月9日、華北地域の政情不安が長引く中、蒋介石は直隷派に対する北伐を宣言。当初こそ成功したものの、蒋介石軍は武漢市を攻め落とせず停滞。

李宗仁軍が武漢攻略戦の増援として派遣され、蒋介石は南京に向けて前進。
1926年11月、ドイツ派遣軍によって広州が陥落。国民革命軍は補給拠点を失い、国民党の士気は崩壊。

1927年2月、北伐の失敗を目の当たりにして、国民党内では左派と右派の関係が決裂。

1月中旬の金華の戦いの大敗を受けて、蒋介石が何者かに暗殺される。犯人はその後も不明だが、胡漢民暗殺の報復とも噂される。

4月、宣統帝が復位。多くの国民党右派系将兵は雲南に逃れ、それ以外は方々に落ち延びた。中には戴春風一派のように犯罪者に戻り、国民党とも最低限の連絡を維持する者もいた。

汪精衛と中央委員会の大部分は工団主義連盟と合流。ヨーロッパに渡り、サンディカリスム諸国に亡命した。本土の国民革命軍残党は長江周辺に潜伏、あるいは江西省と福建省にまたがる地域に撤退。ここに新たな拠点を建設し、革命継続を目指した。

ヨーロッパに亡命中の陳公博顧孟余らが国民党改組同志会を結成。みずからを正当な国民党中央委員会と宣言し、パリ亡命政権からも認められる。

急進派は「革命評論」を創刊。国民党の組織体制を批判し、改組を主張。穏健派は「前進」を創刊。より穏健な改組を主張。

1929年、アメリカで教育を受けた孫科ら中国人知識人(当時義和団事件の賠償金を原資とする中国人留学制度があった)が、ホノルルにある孫科の生家で集会を開く。彼らは「再造」旬刊を発表。以後この新聞から取って「再造派」を名乗る。

再造派は「革命評論」について、実質的な修正マルクス主義であり三民主義を放棄していると批判。さらには党員の再登録による党総点検構想を提言。統一戦線に巣くう「ネズミ」を排除し、1924年以前の国民党精神の回復を主張した。

汪精衛亡命政権批判の一歩手前まで踏み込んだ再造派は多くの敵を作り、「ハワイ閥」と綽名される。

上海では、黄埔軍官学校出身の戴春風が犯罪組織青幇に復帰。黄埔学校を正式には卒業できず(ほとんどを諜報活動に費やしていたため)、また正式な国民党員でもなかった戴は、犯罪の道に進んだ。その一方でかつての国民党分子ともある程度の連絡を保った。国民党側からは革命への熱意について疑問視されたが、裏社会との仲介役として重用される。その後、戴は失業した元黄埔学校卒業生を集めて「十人団」を結成、密輸と諜報で資金を稼いでいる。

1932年、朱砂会から大量の資金を得て、国民党と工団主義者連盟は上海で新たな蜂起を計画。鄧演達将軍も亡命先から極秘裏に帰国して蜂起に参加、大いに活躍する。しかし多くの革命分子が掃討され、特に華北地域では激しい弾圧を受けた。江西省の革命指導者の方志敏も命を落とした。蜂起の失敗を目の当たりにして、国民党残党の軍事指導者、李済深は福建省への撤退を決断。

残党軍の中心人物となった宋慶齢は「中華・世界人民革命宣言」を発表し、国民党臨時行動委員会を結成。以降、江西省と福建省にまたがる「閩贛根拠地」に拠点を置き、独立した行動を取る。

1933年、イギリス最大主義やサヴィンコフ主義、日本の軍国主義、ソレリアン主義の台頭に影響を受けた党内急進派は、イギリス連合にて「中華復興社」を結成。理論家の賀衷寒、実務家タイプの鄧文儀が中心となり、後に年長で名声も高い胡宗南からも支持を得る。彼らは胡宋南の意思に反して彼を「領袖」と呼び、フランスで不満を募らせる若い中国人将校からの支持を集めるようになる。

1934年、インターナショナル軍事顧問団の一員として、中央委員会は張発奎薛岳ら数名の中国人将校をバーラティア・コミューンに派遣。この計画は孫科と「再造派」が後援したもので、僑務委員会の影響力を南アジア、東南アジア地域に広げる狙いがあった。汪精衛政権がこの計画を承認したのは孫科の支持を得て、再造派との決裂を避ける目的があったとされている。

1936年1月現在、国民党は息をひそめて潜伏し、南京軍閥に一撃を加え、今度こそ孫文の夢を成就するべく、チャンスを待っている。

開始状況

国民党左派では「改組同志会」と「臨時行動委員会」が主だった派閥として登場する。他にも「再造派」、「中国工団主義者連盟」などの中小派閥もプレイヤーに関わってくる。

ゲーム開始時、これら派閥は完全に結集してはおらず、そのためこのように表記される。第一回全国大会の後、派閥はよりハッキリとした形にまとまる。

改組同志会は権威的・急進的な派閥で、党への忠誠心の強化、党と指導者への服従を理想としており、国民革命を導く選ばれた強力なエリート意識が強い。指導部にはヨーロッパに亡命していた党員が多く、内部では階級闘争の是非をめぐって急進派、穏健派に分かれている。

臨時行動委員会は「閩贛根拠地」で戦った文官や軍人の派閥で、人民主導による社会主義や民族独立を目指している。政府と一般人民のためにはとにかく行動あるべきと考えており、改組同志会と主導権争いを繰り広げる。

「中華復興社」は民主主義に失望した急進的な軍幹部の一派で、世界各国で勃興しつつある全体主義や軍事政権をモデルとしている。ゲーム開始時の復興社は主要派閥ではないが、党内で急進思想が広がれば成長する。

その他の中小派閥は党の主導権争いには参加できないが、それぞれ独自の目的で動いている。「再造派」はリベラル派の集まりで、元国民党中道派の残党。中国工団主義者連盟は複数の団体の寄り合い所帯。傘下には英仏のサンディカリスム制度をモデルとする「中国工団党(さらに「正統派」と「急進派」に分かれる)」と、20世紀初頭の無政府主義、三民主義、その他雑多な思想が合流した古参団体「世界社」が存在する。

ここにゲーム開始時の各派閥と勢力争いについての図を用意した。

インドチームからの許可を得て、ゲーム開始時のタワング国境地帯をチベットに移した。この世界ではイギリスが1914年にマクマホンラインを制定せず、タワングはチベット領のままになる。

ゲーム内容

  • リワーク後の国民党左派では改組同志会と臨時行動委員会の権力闘争システムを中心として、フェイズごとの目標を達成するゲームが展開される。同時に国民党左派のファンから愛されている、プレイヤーが主体的・積極的に行動できるなゲーム内容も維持している。

ゲーム内容は四つのフェイズに分かれる。

  • フェイズ1:連合戦争

  • フェイズ2:北伐

  • フェイズ3:党国(抗日戦争)

  • フェイズ4:統一とその後のコンテンツ

Kaiserreichでは山西派に続いて2番目に権力闘争システムを実装したが、山西派とは少し違うひねりを加えた。敵に囲まれた状況と団結の必要性、統一中華の未来像の共有、そして開発チームの野心的な目標のために、国民党左派の権力闘争システムはゲーム全体の中心となり、統一まで継続して付き合っていくことになる。権力闘争の結果によって、どの指導者がトップに立ち、どの派閥が革命の栄光を導くかが変わってくる。このように国民党左派は前回の山西派とは対照的に、権力闘争システムがゲーム全体をカバーする初の国家タグとなる。

最序盤:亡命期

経験豊富な開発陣のおかげで、開発サイクルの終盤に閩贛反乱地区を亡命政権として初期国家として選べるようになった。ステートは一切領有しておらず、ダミーのNFしか存在しないが、イベントで一部の小派閥の影響を与えることができる。領土がないため、国民党左派はゲーム開始時のマップからは選択できず、メニュー画面から選ぶことになる。またこれまで八省連合に用意されていた国民党左派への切り替えイベントも残る。

序盤:連合戦争の勃発

連合戦争の開戦時、閩贛地区の中心となったゲリラ戦を再現するため、初期の師団と将軍を少なくした。

プレイヤーは連合戦争ツリーにもアクセスでき、戦いを有利に進められる。また権力闘争システムとは別に派閥対立について解説するイベントも用意した。

ちょっとしたボーナスとして、安慶派の孫立人が国民党に寝返った場合の新しいポートレイトを用意した。

戦争終結とともに新しいディシジョンが解禁される。

中盤:第二次北伐

連合戦争が終わると、生まれたばかりの革命政府の弱さと、ゲリラ戦から正規戦への移行を表す複数の国民精神が追加される。国民党左派は連合戦争の痛ましい戦禍にも悩まされており、プレイヤーはNFツリーを進めることでデバフを取り除くことができる。軍事と民間ツリーは合体させ、党国体制下の軍民バランス維持を表現した。

政治的緊張はゲームを通じて継続する。まずはフェイズ1で説明され、中盤ではさらに表面化する。汪兆銘の改組同志会と宋慶齢の臨時行動委員会の二大派閥の権力闘争システムに加え、プレイヤーは工団主義者連盟や再造派などの小派閥とも接触できる。党内の急進派も頭を悩ませる問題だ。プレイヤーが急進派に目を光らせておいた方がいい……さもないと恐ろしい勢力によって過激な方向に進んでしまう。

さらに陳友仁(国民党の外交官)を顧問として採用すると、新しいディシジョンが解禁される。そうすれば韓国独立運動、マラヤ反乱、インドシナ国民党分子と接触し、支援することもできる。

後半:統一に向かって

北京を占領すると、国民党左派は有望な統一候補から新たな体制へと変わり、中央政府としての重圧がのしかかる。満洲を手に入れるまでは完全統一を宣言することはできないが、国民党率いる中華民国暫定政権は事実上の中国の中央政府として扱われる。北京は北平に改名され、民国時代の幕開けを飾る。

プレイヤーは第二回全国大会を進め、国民党と工団主義者連盟の代表とともに国民革命の方向性について議論を重ねる。会議が終了すると、フェイズ3ツリーの民間部分がアンロックされる。

政治的緊張はますます厳しくなり、新たなイベントによって最終的な結果が決まる。

国家再建

経済分断の悪影響を解消するため、プレイヤーはディシジョンを選択し、孫文が生前に提唱した国民再建の思想に従って国中を立て直す。

陸軍再建

国民革命軍は広大な領土を支配したため、組織の肥大化と過剰な任務負担に悩まされる。軍事NFではデバフを解消したり、軍閥に仕えていた将軍たちに恩赦を与えることができる。

フェイズ3の軍事ツリーが解禁されると、プレイヤーがフェイズ2で国民革命軍系のバフを取得していなかった場合、フェイズ3でも獲得できるようになる。

軍事ツリーには日中戦争に関するNFも用意されている。日本が国民党左派に宣戦布告すると、"The War of Resistance"が解禁され、プレイヤーは日本の猛攻に備えて沿岸部を要塞化できる。

海軍と空軍

海軍と空軍のツリーも拡張した。プレイヤーは中華民国の旗艦や航空戦力を用意し、海と空の敵に立ち向かえる。

国家統一

やがて国民党は全国の再建に成功し、日本との激戦にも勝利を収める。北洋政府が崩壊し、日本を追い出し、すべての対抗勢力を下すことができれば、国民党は中華全土の統一政府となる。南京で開かれる第三回党大会ではすべての派閥が参加し、党と国家の運命が決まる。

終盤:革命闘争の継続

権力闘争と急進派がどうなるかによって、3つのシナリオが解禁される。ひとつのシナリオにはそれぞれ4つのルートが用意され、終盤コンテンツが解禁される。好きな派閥の支持率が十分に高ければ、プレイヤーはそのルートを選択できる(大規模な政治変革を表し、ゲーム中の選択に多様性を持たせる)。

国民党左派は派閥に関係なく共通の外交ツリーが用意され、指導者ごとに若干内容に違いが生まれる。どのルートでも中国の国境を1912年以前に戻す野望を叶えることも、(戦争支持率と地政学的状況が許せば)アジア太平洋地域を広範囲にわたって「解放」することもできる。

革命の後継者:汪精衛体制の継続(急進社会主義)

何事もなければ、汪精衛は政権に反対する勢力を下し、分裂した国と対峙することになる。また協力した派閥との小競り合いを経て、総理の任命など国民にどう向き合うかを決める。

  • 主席として:公館派は汪精衛の参謀や家族、側近たちのグループで、軽侮の意を込めて『宮廷派』とも呼ばれている。長年にわたって汪の秘書を務めた曽仲鳴が中心となって、急進的な改組同志会を冷遇し、テクノクラートとプラグマティズムを柱とする訓政を実現し、主席とその側近たちに権力を集約する。

  • 革命家として:革命への熱狂が広がり、陳公博率いる同志会急進派の支持率(全体社会主義のスロット)が十分に高ければ、熱狂的なマルクス主義、あるいは全体主義とも呼べるような訓政が実現する。

  • 政治家として:汪精衛が他の派閥に譲歩し、顧孟余率いる同志会穏健派の支持率(社会民主主義)が十分に高ければ、高踏的なエリート主義の側面を残しながらも、やや穏健な訓政を実現する。知識人が中心となって、全国的に準備が整ったと考えればかなり早い段階で民主制を導入し、必要とあれば他の派閥とも協力するだろう……

外交では、汪精衛は平和主義かつ内向的なアプローチを維持する。外交の専門家を雇い、亡命者や難民の帰国を奨励し、他の社会主義諸国と平和的協力を図る。また社会主義諸国の革命支援のため、より多くの義勇兵を送れる。親仏派の公館派が勝利すれば、特定の条件下でなら第三インターナショナル陣営に加盟できる。

行動起来(すぐに行動を)!:宋慶齢と反主流派による汪精衛放逐

宋慶齢が反汪精衛派をまとめ上げることができれば権力争いに勝利できるが、各派閥はそれぞれ元の鞘に収まって政争を繰り広げ、宋もその真っただ中に巻き込まれる。最有力派閥を率いる宋の対応で国の未来が決まる。

  • 赤いナポレオン:親友の鄧演達や、章伯鈞何香凝などの文官、同志会の残党(穏健派の顧孟余が指導者)、四大元老とともに、宋は強化された革命委員会のもとで国民党を統一しようとする。反動的な再造派や破壊分子である工団主義者連盟は追放される。

  • 永世総理の遺訓:社会自由主義の支持率が高ければ、宋はしぶしぶながらも再造派へ譲歩し、1924年の第一次改組以前の国民党に戻ろうとする孫科の構想を実現することになる。党は民主的な穏健左派路線に移行し、革命政党でありながらもゲーム終了後も実質的な派閥構造は残ったままになるだろう。

  • 大同の夢に向かって:サンディカリスムの支持率が高く、工団主義者連盟内部で世界社が優勢なら、宋は世界社の思想を一部採用しながら訓政を続ける。党の権威主義路線は今後も続くが、ある程度段階を踏みながら、どこかの段階でより開放的な社会主義国家になれる可能性もある。このルートでは史実の延安時代の共産党のプロパガンダを元に、社会主義の理想により近い解放が実現する。

  • 労農の統一:サンディカリスムの支持率が高く、工団主義者連盟内部で工団党が優勢ならば、宋は統一戦線の強化に舵を切る。中国のプロレタリアートを後援しながら、旧臨時行動委員会の支持基盤となった農民との連携も維持する。このルートでは統一戦線との盟約をとことん実現しようとする、ある意味では最も理想的なルートで、抑圧された中華人民に平等がもたらされることだろう。

外交では、宋は第三世界の人民の糾合を目指す。国民党の汎アジア主義的側面をより強調し、「中華=太平洋友好協会」を創設する。インドに融和的な態度で接し、赤色インドを陣営に招くこともできる。さらに社会主義大国から第三世界へのさらなる投資を呼び掛け、解放されたばかりの国家を植民地経済構造から救おうとする。工団党と協力するルートなら、特定の条件下で第三インターナショナル陣営に加盟できる。

第二次国民革命:胡宗南の復興社クーデター

党が過激思想や権威主義的派閥を放置すると、新たなルートが解放される。その第一歩に中華復興社が勝利し、胡宗南将軍を指導者とする全体社会主義的な軍事政権が樹立する。激しい反発は必至だが、将軍の部下たちも負けず劣らずの激しい抗争を繰り広げる。新政権の政策が固まれば、反動派と革命派(それに文官派の残党)が影響を及ぼす。

  • 民族復興:全体社会主義の支持が高ければ、賀衷寒(復興社のイデオローグで政策全般の源泉)が力行社(復興社の中枢組織)で傑出した存在となる。賀は中国をソレル主義、サヴィンコフ主義と自らの民族主義的社会主義思想を掛け合わせた全体主義国家に変えようとする。

  • 赤い軍事政権:新政権内部で反動勢力が優位に立てば、これまで通り(若干権威主義職は薄まるが)軍事政権が存続し、社会主義ながらも現実的で国粋主義的な政策を目指す。

外交では、国粋主義的な胡宗南は衛星諸国や(他の国民党ルートよりも)少ない同盟国とともに、中国独自の勢力圏確立を目指す。中国を二度と帝国主義の餌食にしないため、激しい報復政策か強固な孤立のいずれかを選択できる。

第二次改組:陳公博のカウンター・クーデター

一定の条件が揃えば、陳公博が中華の覇者となり、党内穏健派に縛られずに行動できる。公博は行政院総理の座に収まり、柔和な曾中鳴を傀儡の大総統としながら、自らの急進的で権威主義的な、マルクス思想に基づいた社会主義政策を実現させる。

  • 主席の遺志:公博と中明が有意義な協力関係を築くことができれば、二人は汪精衛の後継者として党の分断を修復し、政府の支持基盤を広めるだろう。

  • 革命世界観:公博が自ら権力を握れば(全体社会主義の支持率が目安)、中明を見限って放逐する。公博はより大胆な政策を実現し、自らの足跡を国に残そうとするだろう。

外交では、公博は中国主導のポスト社会主義アジア諸国の民生発展を目指すだろう。熱烈な民族主義者でもある公博は「民生経済合作組織」を中心として、他のアジア諸国に中国モデルの社会主義を導入するだろう。

最後に

Kaiserreichを、特に中国を楽しくプレイし続けてくれてどうもありがとう。この地域により愛情を注ぐことができれば何よりの喜びであり、プレイヤーの皆さんに楽しいゲーム内容、細部まで練り上げられた架空史設定、面白い展開を備えた大規模リワークをお届けできればと思っています。コード面での改修・リワークは二か月前から始まっていましたが、前任のKR中国開発陣のたゆまぬ努力と教訓がなれば実現できなかったでしょう。この記事と共にリワークに関する情報も解禁されますので、質問があればKR公式discordのask-a-devチャンネルでsuzuhaaとckshrek321にお気軽にピンを飛ばしてください。しかし、リワークがリリースされるまで秘密の要素もたくさんありますのでご容赦を……

最後に、今回のリワークで登場する新旧の顔ぶれをお見せします。

それでは次回のバージョン0.26"Blue Sky, White Sun"でお会いしましょう。国民革命万歳!

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