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Kaiserreich進捗報告122 国民党左派のゲーム内容の改修+アイルランドの予告

(原文はこちらから)

始めに

皆さんこんにちは、こんな状況ですが元気でしょうか。私はDSFDarker、最初の中国リワークのリリース数か月前から国民党左派のコーダーを担当しています。それ以前にも三年以上にわたって、さまざまな形でこのmodに貢献していました。なぜこんなことを話すのかというと、このゲーム内容の作り直しの根幹に関わる部分だからです。とはいえ中国を愛する皆さんの時間を取らせるだけの価値があるものを出せればと願っています。極東に興味がない人であっても、国民党左派のユニークなゲーム内容には興味を持ってもらえるのではないかと願っています。それではまず初めに簡単な開発の経緯から説明して、原点を理解してもらいたいと思います。

リワークの理由

私たちのDiscordを覗いている人だったら知っている人も多いでしょうが、そうではない人に説明すると、中国のリワークは万事順調だったわけではなく、チーム全体を限界まで追い込みました。これは国民党左派でも変わらず、開発担当は複数回変わりました。そうして私に順番が回ってきたのも、はっきり言ってあまりやりたがる人がいなかったからです。この時の私はまだコーディングに慣れていなかったので、この国家タグが持っていた構想を維持するのはとてつもない試練でした。やる気はありましたが、かなり苦労しました。

そうして中国リワークがリリースされる頃、当時の私は毎日ぶっ続けで国家タグの準備に向けて作業を進め、他のほとんどの中国担当チーム同様、完全に燃え尽きました。チームのほとんどが去る中、この国家タグをなんとか完成に持って行けたのはうれしかったのですが、同時にリリース版にはかなり不満を抱いていました。アップデートから一か月も立たないうちに(2020年2月)、どうやって国民党左派に愛を与えようか考えていました。だからこのリワークの中身は……愛の結晶なのです。

さて、それでは皆さんお待ちかねの本題、国民党に入っていきましょう!

変更の中身

さっき説明したように、今回は主にゲーム内容のリワークなので、初期の状況はあまり変わりません。ゲーム内容は大きく変わりますが、目標は中国の統一から変わりません。この目標を達成する過程を、フレーバー要素と楽しいゲームプレイの二つを念頭に作り直しました。

国家方針ツリーは4つの段階に分かれ、それぞれがゲーム内の特定のポイントを反映します。第一段階は生き残り、第二段階は国家基盤の建設、第三段階では再征服、第四段階は発展です。このツリーが抱える国家方針の数を考慮して、国民党左派の早いゲーム展開に合わせて国家方針を短くしました。これが連合戦争直後から要求日数が多くなるリリース当時のバージョンとは大きく違う点です。もう一つ欠けていたのがフレーバー要素です。これで複雑な政治情勢がより分かりやすくなり、ゲーム中では多くの興味深い事件が起こるようになります。

方針ツリーを拡大せずに政治ルートを表現するため、国家方針ツリーとディシジョンを組み合わせた「ディシジョン・ツリー」を実装した。

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ディシジョン・ツリー。現在のツリー左上の国家方針がディシジョン欄に移動している。

この何のひねりもない名前はさておくとして、このツリーでは主流派閥に応じた政治方針を達成することができます。最初の段階ではどのディシジョンも選択できますが、下からは独自のルートに進みます。

第一段階

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旧八省連合での戦争勃発によって、国民党は混乱に乗じて絶好のチャンスを掴む。とはいえ、これだけの短期間で他の中華軍閥と闘える国を作るという課題もある。第一段階では、建国とその課題の中を進む。

初期状態は変わらない(ゲーム内容のリワークであることを思い出してほしい)が、いくつか変更点がある。中央委員会には二つの派閥、CC団西山会派が追加される。

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どちらの派閥も与党にはならないが、他の派閥に影響を及ぼす内容が多く含まれている。彼らは主流派閥が党全体にどのような影響を与えているかを示している。

それで、何故この派閥が存在するのか?

CC団の指導者、陳果夫は中央委員会のメンバーで、北伐敗退後も国民党に残留した。弟の陳立夫は「左派」の影響を受けていたため、二人は自然と協力した。汪精衛と行動を共にせず、福建の宋慶齢と共に残留を決め、やがて地域の民間情報網を担当した。CC団は本質的には主要派閥ではなく(かろうじて存在している程度だ)、のちに紹介する戴春風の勢力拡大の余地を表しているのが役割だ。孫科が権力を掌握した場合は若干増大するが、それでも傍流の派閥のままだ。

林森が指導する西山会派は、国民革命軍や特定の高級軍人と協力していない右派を示している。CC系と同様、西山会派も中央委員会内部である程度の権限を有してい入るが、ほとんど無視できる規模だ。彼らも孫科が権力を掌握した場合は若干増大するが、それでも傍流のままだ。

連盟戦争が混沌とする中、中央委員会は軍の維持に必要な財源が不足しているため、戦債に頼ることになる。

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戦債は軍には悪影響を及ぼさないが、経済を大きく損ねる原因になり、長期間にわたって対処しなければならない課題となる。40日ごとに戦債が積み重なり、Very Highまで上昇する。

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戦債の解消は非常に遅く、プレイヤーが中央政府を樹立すると初めて大規模削減に取り掛かれる。戦争が長引くほど経済に大きなダメージが入るため、この要素はプレイヤーをよりリスキーな行動を促す。

第一段階の方針ツリーは期間限定の非常に特殊な内容となっている。時間内にすべての国家方針を達成することは不可能だが、その代わりに戦争の後方支援に専念するか、戦債拡大を抑えて経済にも気を配るか、どちらかのルートを選択できる。

第二段階

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八省連合戦争終戦イベント。後に紹介される‘Devastated Interior’のデバフ国民精神が付与される。

連合戦争が終わると、再建事業が待ち構えている。回復プロセスはさまざまな国家方針で進み、‘Devastated Interior’の補正が徐々に削減されていく。また第一回大会後、国民党左派は新たな陣営を立ち上げる。

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ツリーを進めると、国の将来と中国の統治形態を左右する選択を下す。インターナショナル陣営寄りのスタンスを取るか、中国の団結を強化するかを選ぶことができる。

中華陣営との交渉も変わり、招待したのちに併合することができる。これは全ての中国国家タグも陣営に参加できるようになるため、国民党が孤立することもなくなるだろう。ここにもっとも参加数の多い対中央政府連合を貼る。

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他の地域列強と対抗するため、国民党は中国全土で産業計画を進めす必要もある。すべての計画が完了すれば、ゲーム中を通じて「黄金時代」を実現できるだろう。

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計画では戦債の返済も管理する。最初はゆっくりと始まり、中国での支配地域が多くなるほど、より多くの債務を解消できるようになる。

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改革が実行され、地域の復興もひと段落すると、中央委員会選挙が開催され、国民党の方針を決める。有力候補は民生派の指導である汪精衛、民権派の宋慶齢だ。状況が許せば、他の候補の台頭もあり得る……。

民権派はゲーム開始時に最大の支持を集めていて、汪精衛を推挙し、北伐の二の舞を避けようとしている。そのため政治や社会の改革を実行し、中華民衆の利益を最優先しようとしている。汪精衛の主張によれば、北伐の失敗の原因は、党が民主改革の未来を示すことができなかったからだ。国民革命軍の敗退後、汪精衛と民生派がさらなる集権化を目指したのも当然だ。この思想が原因で汪精衛はほとんどの軍閥と協力できず、国民党の同盟国は少なくなる、だがその代わり、汪精衛はフランス・コミューンから支持されていて、国民革命軍の再建に向けた支援を得ることができる。

民権派の宋慶齢は民生派の経済方針にある程度は同意しているが、中国経済にある程度の自主管理を導入し、(国民党に参加した)各地の省長に自治権を与えようとしている。汪精衛と違うのは、宋慶齢は非漢民族系の地域に一定の自治権を与え、地方の民族性を保護しようとしている点だ。もしも連省派が両広で権力を握った場合、自治重視の宋慶齢は、国民党指導者の中では連省派と手を組む可能性がもっとも高い。

民族派(ゲーム開始時は穏健民権派)を率いるのは、孫文の息子の孫科で、現在ハワイのホノルルに在住している。海外に住んでいるため、中国国外の国民党員のほぼ全員が孫科に同調している。父の威光で尊敬されてはいるが、孫科自身はカリスマ性や秀でた才能を持ち合わせていないため、指導力は三派閥の中ではもっとも弱い。大衆民権派の宋慶齢や民生派と違って、穏健民権派は「汪精衛思想」を支持しておらず、社会の激変を防ぐためにも、汪精衛の改革を指し戻そうとする。

最後のグループ、中特局を率いるのが戴春風だ。かつて蒋介石から重用された戴春風は、北伐後の大敗後も率先して中国に残留し、国民党の地下活動の組織化を支えた。最初は各細胞の最低限の連絡維持といった地味な仕事を任されていたが、戴はやがて中特局を閩贛(ビンカン)根拠地に並ぶ国民党の戦略上重要な組織を育て上げた。中特局は明確な政治的傾向を持ち合わせてはいないが、政治アクターとしての自覚を持ち始めていて、他の国民党上位メンバーともつながりがある。それに多くの中国青年にとって、国民党のイメージは中特局を通じて得ている。

第三段階

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中央委員会の選挙が終わると、国民党は外に目を向け始める。もちろん、すべてのルートで中国統一を目指し、そのための方針を決めることになる。先に西を目指すか、北京を確保するか。どちらも他の中華政権の状況によって有利不利が変わってくる。例えば、両広がどちらも国民党に味方していれば、北に向かう方がいいだろう。

全国統一の途上で、奉天との衝突は避けられない。しかし、もしも奉天派を山海関の向こうまで追い返せば、「山海関危機」が発生する。

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このイベントが発生すると、国民党と奉天は和平を結び、奉天の領土はすべて占領国の手に渡る。その上で、国民党は追撃か、休戦かを選ぶことができる。だが追撃すれば日本の介入は避けられないため、ある程度は再建に時間をかける必要があるかもしれない。

第四段階

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北京を確保すれば、中国のほとんどが国民党左派を中央政府と捉える。彼らはやむなく承認するか、反旗を翻そうとするだろう。第四段階のツリーは外交と社会・経済に関する幅広い問題を取り扱う。外交では統治すべき領土を決め、社会経済では中国工業を西洋基準まで引き上げ、公約に掲げていた数々の社会改革を実行する。

亡命政権

一時的に国民党左派の亡命システムを取り除いたことで、システム全体を刷新し、より愛せる仕組みを与えた。両広だけに亡命オプションを付与するこれまでのシステムに代わり、東部の拠点が滅亡した場合、雲南・両広・四川も国民党左派を形成することができる。三つの国家タグが左派政府に味方し、1938年以前であることが条件となる。

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どの国家タグも国民党政権指導部の樹立に関する独自のコンテンツを有している。この中には独自の国家方針ツリー、ディシジョン、そしてもちろんイベントも含まれている。どの地域もプレイヤーに独自のゲーム内容を提供し、KRの中国プレイを毎回違ったものにするという目標に一歩近づくだろう。

あとがき


リリースされればもっと多くの要素が見つかると思いますが、大きな変更は網羅しました。以下はみんなから寄せられると思う質問について答えます。中国の開発全体は大きくスローダウンしています。これは中国のリワークが公開されて以降、多くのメンバーが他のプロジェクトに移ったからです。しかし、国民党左派以外の作業もないわけではありません!中国のコンテンツはこれからもリリースされますが、ペースは遅くなり、一個の大きなパッケージにまとまることはないでしょう。みんながKaiserreichを楽しみ、そして国民党のアップデートや今後の中国コンテンツを楽しんでくれることを願っています。

選出できる国家元首候補は?

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左から孫科、戴笠(春風)、胡宗南、汪精衛(兆銘)、周恩来、宋慶齢

選出されないけど重要な人物は?

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左から陳果夫、林森、陳独秀方志敏

国民党左派はどの陣営に参加できる?

今後は他の中国陣営と同様、独自の陣営を結成し、そこに他の軍閥が参加する形となる。東アジア国民連盟は削除されるが、国民党左派がアジアでの革命に関与できなくなるわけではない。また史実同様、中国は西洋諸国を全面的に支持したいとは思っていないため、第三インターナショナル陣営にも参加できない。だが交流は存在する。


アイルランド

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先日公開されたリワーク後のアイルランドの初期国家画面。マイケル・コリンズが国家元首、シン・フェイン党が与党なのは変わらないが、ある程度民主的な統治体制であったり、アルスター地域に特権を認めて併合したなど設定がより細かくなっている。Kaiserreich wikiにはより詳細な情報が載っている。

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