【短歌】風年度
春風だ(はる)春の顔した風だ(かぜ)さかい目は溶け合った(はるかぜ)
似合ってはいない似合ってはいけない あまがえる這う剝き出しの藍
しらんけど しらんの しらん しらんのん ひかりに匂うデンドロビウム
夕焼けが公共性を飲み込んで右や左や向かいに居ます
昼補佐と夜補佐が張り合っていて輪番だったはずの日だった
ちょっと下手くらいがちょうどいいことを知る日ずいぶん低く飛ぶ鳶
風年度 目配せすれば体言で止められていくひとひらの愚痴
めしあがれ ミモザだけしか咲かぬ土ならば黄色は黄色でしたか