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ルイアゲハ -涙を食べる蝶- その10

蝶の舌

 蝶は食べ物を探し、ヒラヒラと飛んでいた。
 白い建物が見えた。
 窓が開け放たれていて、大きな人間が二人、小さな人間が一人いるのが見えた。
 
 三人とも涙を流していたので、蝶は彼らに近づいていく。

 大きな人間が流している涙は、過去に何度か食べていた。匂いで分かった。

 なので小さな人間の涙を食べようと思った。

 過去に一度だけ、食べたことがある味だった。

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