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そんな専門的な言葉は通訳できない 2025.1.15

先日のこと、ベトナム人スタッフから「歯を抜きたい。とても痛い」「歯科の予約を手伝ってほしい」とメッセージが来た。その日は病院(職場。歯科もある)は休みだったので、休み明けに予約をすることを伝え、いつなら受診に行けるか確認しておいた。

休みが明けてから歯科を予約し、当日すっかり忘れていたところに「もう病院で待ってます(ベトナム語)」というメッセージに気づき、受診に同行した。

待っている間、聞くと痛いのは右上の親知らずで、何もしていないと痛くないのだけれど、噛むと「顎(hàm)」が痛いので抜いてほしいという。hàmって顎だよな?上の親知らずで顎が痛いって意味分からんな。歯茎って意味もあるのかな?

そんなこと思ってたら順番が来て診察室に通された。先生に「時間大丈夫?」と聞かれる。ベトナム人スタッフも歯科も私がずっと付き添ってくれるものと決めつけている。日本語があまり通じないのでしょうがない。

診察前にレントゲンを撮る。すると先生が「たぶん大丈夫なんだけど、レントゲン撮った感じだと、親知らず抜いた時に開く穴が副鼻腔に近い気がするのよね。もしそれが穴が近くて繋がったりしたら炎症して感染起こしたりして、そうしたら違う処置が必要になったり、耳鼻科に行ってもらったりしなきゃいけない。立体的に見たらたぶん大丈夫なんだけど、そういうリスクがある。それでも抜くか聞いてくれない?」と言うじゃない。

いやいやいやいや、無理よ。「副鼻腔」も分からんし、「穴」「炎症」「処置」「リスク」も分からん。しかし、訳さないことには安全に抜けない。というわけで、単語を調べ短文で説明すると「いいよ。大丈夫。抜いて」との回答。それを先生に伝えるとじゃあ麻酔するねと早速処置開始。2回に分けて、麻酔をした後、効いてるか確認し「じゃあちょっと触るね。器具が当たるからここ(口角)が痛いと思う」と器具を入れた次の瞬間「はい、終わったよ」。「え?え?何?」と大きな声を出す私に「抜けたよ、これ」と先生。本人は感覚がないので頬を触ってキョトンとしている。「穴も大丈夫そう。きっと大丈夫だから明日以降も何かあった場合だけ来てくれたらいいや」ですって。良かった良かった。

しばらくガーゼ噛んで止血して、麻酔が解けるまで飲食(特に熱いもの)食べないようにベトナム語で説明して、会計して薬もらって、待合で薬の説明をベトナム語でして、薬の袋にベトナム語で何の薬か書いてあげて、無事お役目を終えましたとさ。ここまで専門的な内容も翻訳できるくらいになれたらいいなぁ。


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のせ
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