フレームワーク 〜 磨き その先へ 〜
TL;DR
フレームワークはコンサルタントにとっての武器の1つである。武器の習熟度をあげることも、状況により武器を使い分けることも大切である。
ただ、これからのコンサルタントにはフレームワークを活用した分析結果を提示するだけの仕事はなくなっていき、お客様と協働する頼れるバディ的な能力が必要になる。
自己紹介
こんにちは、ノースサンドのいずもです。SIer、コンサルティングファーム、事業会社でキャリアを積み、ITサービスの企画、開発、運用、全てのフェーズを経験し、ノースサンドでフルスタックなITコンサルタントをやっています。
4歳児の父親です。道産子なので私服はメゾンキツネとカルフ(クマ)でキメてます。最近、加齢を感じるのが悩みです。
そんな装備で大丈夫か?
コマンド
「大丈夫だ、問題ない」
「一番良いのを頼む!」
もし、持っている武器が金槌しかなければ、すべての敵を釘のように、ひたすらトントン、カンカン叩くしかなくなる。敵の属性ごとに有効な戦い方は異なるはずなのに... 世界一の金槌使いは別として、多くのコンサルタントは、クライアントからの要求に応えるため、自分のもっている武器、つまりフレームワークを使い分ける能力が必要になる。
ここでいうフレームワークとは、自社を取り巻く現状を分析する「SWOT分析」、企業戦略を考える際に環境分析を行う「3C分析」、事業資金の配分を決定する「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析」等を指す。
僕個人でいうと、ITサービスマネジメントの世界で戦ってきた経験から、「4P分析」の習熟度が高い。利用者視点でITサービスの提供を改善していくための視座として、
People(人)
Processes(プロセス)
Products(製品・技術)
Partnerrs(パートナー)
上記4つの分野があり、全ての分野で適切な対策をとる必要がある。というフレームワークだ。
業務改善は推進する部門により、4つのPのどの分野に力を入れるかが偏る。人事部門であれば組織(人)だし、企画系部門であればプロセス、情報システム部であればツール(プロダクト)を導入して課題を解決しようとする。当然、全ての分野で対策が必要なのだが。
フレームワークがあれば、改めてそのことに気付かされる。お手軽にバイアスを排除してもらえるのだ。便利で可愛いやつなのだ。
適切なフレームワークを利用することで、クライアントにとっての特別な課題は、あっという間に丸裸にされる。先人の知恵が体系的にまとめられたフレームワークは、漏れなく、ダブりなく全体を網羅し、ロジカルなアウトプットが出来上がる。とてもCoolである。
まるで魔法使いみたい。空だって飛べる(はず)。
ただし、ポイントは「適切な」の部分にある。
木を削るときにはカンナ、小さな穴を開けるときはキリが適切だ。金槌では、木は削れないし、小さな穴は開かない。目的に合った適切なフレームワークを活用することが大切。
大量の業務に埋もれるコンサルタントにとって、車輪の再発明を防ぎスピード感を持ち、一定以上の品質を確実にだせるフレームワークはまさに武器になる。
メジャーどころのフレームワークはある種プロトコル的な役割を果たし、利用するだけでコンセンサスを得やすくなるという特性まである。
とにかく便利なやつだ。
天元突破フレームワーク
そんな便利なフレームワークも、それさえあればハッピーというわけではない。限界があるのだ。
フレームワークの活用は、穴埋め問題を解く感覚に近い。テンプレートがあり、空欄を埋めることで、仕事をしたような錯覚に陥る。
しかも、分析には中毒性があり、分析に分析を重ねるうちにおかしなテンションに入り、いかに綺麗に穴をうめるかばかりに注力してしまい、分析すること自体が目的にすり替わってしまう恐れがある。
一方、分析結果を受け取る企業側もAnalysis paralysis(分析麻痺症候群)と呼ばれる状況に陥りやすい(アナパラ沼)。
データの収集や、分析、いわゆるファクトベース思考が行き過ぎてしまうと、ビジネスの現場を無視したような過度にロジカルな分析、スマートなプレゼンテーションばかりが重視されてしまう。結果、現場の実態とかけ離れた、ビジネスの目標と乖離した施策がとられてしまう。
ギクッとした人もいるかと思うが、実はよくある話なんじゃないかと思う。僕自身も分析にハマった時期があった。
ビジネスはロジックだけで成功できるほど簡単なものではない。文字にすると当たり前すぎて照れちゃうが、自身がプロジェクトの当事者になると案外忘れがち。やれやれだぜ。
そもそもフレームワークを利用したアウトプットは、ただの分析結果だという割り切りが必要だ。旧来のコンサルタントにとってそれが最終成果物になっていたのかもしれないが、今は違う。分析結果から導き出された施策を情熱をもって実行していくことが何よりも重要視される。
コンサルタントをアップデートせよ!
ビジネスがハイスピードで変化する世の中で、システム開発は、ウォーターフォールからアジャイルに進化した。
コンサルティング手法は、自らの経験に基づくシルバーヘアコンサルティングから、ファクトベース・フレームワーク重視のコンサルティングに進化した。
ただし、デジタル化の波によりさらにハイスピード化したビジネスに応えるには不十分である。速度がまだ足りない。
映画 トップガン(1986年公開)でトムクルーズも言っていた。
“I feel the need… the need for speed.”
俺は必要性を感じるんだ、スピードに対する必要性を。
フレームワークや同業の事例は一瞬で共有され、模倣され陳腐化する。つまり、フレームワークから導き出された効果の賞味期限が極端に短いのだ。ダラダラと分析に時間をかけている場合ではない。
コンサルタントの転職先の3割が事業会社であるように、弁護士、会計士などのいわゆる士族の転職先も事業会社が増えている。企業は専門家をインハウス化し、ハイスピード化したビジネスに対応しようとしている。
コンサルタントも自らをアップデートする必要性があるのは言うまでもない。
これからの「コンサルタント」の話をしよう
働き方改革により、フリーランスの活用がますます進み、正規社員、非正規社員の垣根が無くなっていく中、コンサルタントだけがいつまでもエリート然としたポジションではいられない。
時間をかけて分析結果からアクションプランに落とし、場合によっては実行も支援します。というウォーターウォール的なコンサルティングではなく、分析結果を一つの仮説として、証明するためのアクションを高速で起こす。この活動を短いサイクルで繰り返し続ける。
分析、実行、分析、実行、分析、実行... ビジネスに終わりなんてない。安西先生も言ってた「諦めたらそこで試合(ry...
フレームワークを使い倒せるロジカルな思考をベーススキルとして持ち、その多様な経験を還元し、自らリスクをとる覚悟をもってクライアントとコラボレーションする頼れるバディこそがこれからのコンサルタントの姿だと思う。自戒の意味も込めて
我々ノースサンドでは、これからのコンサルタントを実現するため、企業文化をとても大切にしている。ノースサンドのコンサルタントをバディにするとどうなるか?をわかりやすくする為だ。
NSフィロソフィーと呼ばれる8つのルールが定められ、ノースサンドらしさを探求している。NSフィロソフィーの詳細については、またの機会で。
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これからのコンサルタントの姿に共感いただける仲間も募集しています。
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Twitter もみてね。最近わりとちゃんとやってます。
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