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牛乳を捨てたくない酪農家たちの情熱が生み出した「生キャラメル」のお話

牛乳の宅配から始まったノースプレインファームにとって、「おこっぺ有機牛乳」は原点となる大切な商品ですが、私たちが特別な思いを寄せている商品があります。それは、「生キャラメル」。

今回はノースプレインファーム副社長を務めております私、吉田が、生キャラメル誕生のお話と、当社の生キャラメルへの思いをお伝えします。
…副社長と言いましても私たちは大企業ではありませんので、機械の修理をしたり、人手が足りない現場に入ったり、時にはオンライン酪農ツアーの案内役をしたりと、なんでもしています!

ほとんど犬と遊んでます。

いつもラフな服装で過ごしているフランクな副社長ですので、どうか気楽にお読みください。

大切な牛乳を捨てたくない
その思いに支えられた新商品開発

そもそも、「なぜ牧場でキャラメル?」と思われる方がいらっしゃるかもしれないですね。

実はキャラメルの主原材料には、生クリームとバターと、二つの乳製品が使われています。生クリームもバターも牛乳から分離した乳脂肪分なので、それらを原材料とするキャラメルには、たくさんの牛乳が必要となるのです。

牛乳から分離した乳脂肪分

私たちが生キャラメルを発売したのは2006年のことですが、それより少し前の2000年前後、牛乳の販売量の低下や食生活の変化などによって、全国的に牛乳の消費量が落ち込み、生産量の方が上回るという事態になっていました。
そうなると余った生乳は、「生産調整」によって廃棄されることになります。

おこっぺ地域も例外ではなく、大切に育てた牛のミルクを廃棄しなければならない現実に胸を痛めながら、創業以来、実践してきた地産地消に限界を感じ始めていました。

そんな流れの中で代表の大黒が考えるようになったのが、全国の方におこっぺに来ていただき、ここで召し上がっていただくという地産地消のスタイルでした。

やがて、牛乳の有効活用を目指し、かつ、おこっぺに来ていただく足掛かりを作るべく、私たちは牛乳を使った新商品への開発へと乗り出しました。私がノースプレインファームを知ったのも、ちょうどその頃でした。

開発は当社だけではなく、牛乳の消費拡大の志を同じくする地域の大手乳業メーカーの方や農業研究施設、道内の大手菓子メーカーの方々の協力も得ながら、日々、新商品のアイデアを議論していました。

地域の牛乳と産物が凝縮された、まったく新しいキャラメル

歯にくっつないキャラメルを作れませんか

話し合いは続きますが、どの案にも決定打を見つけられずにいるころ、大黒がある方からそんな言葉をかけられます。当時は子供のお菓子というイメージしかなかったキャラメルですが、大人向けの、風味も食感も良いキャラメルは、新しいし、おもしろそうだ……。

そう考えて試行錯誤を重ねていった結果、生クリームをたっぷり使った新食感のキャラメルが誕生したのです。冷蔵販売する点も斬新でした。

ちなみに、冷蔵が必要な「生」のキャラメルなのだと思われることがよくありますが、生クリームをたっぷり使って作るから「生」キャラメルと名付けられています。生チョコレートと同じですね。

主な原材料は、生クリームやバターです。バターは自社製造ですが、その原料でもあるクリームは、地域の大手メーカーから分けていただきました。それは、その工場に搬入されるこの地域の生乳を使用することを意味します。

砂糖やはちみつ、塩、果汁などの原材料もできるだけ地元オホーツクのものを厳選。
生キャラメル1粒にたくさんの方の力を貸していただき、地域の生乳と生産物をぎゅっと詰め込んで、お客様の喜びを地域全体に還元することを目指しました。

一つ一つ丁寧に心を込めて作ってます

こうして生まれた生キャラメルは、2006年の発売と同時に、予想を大きく上回り、生産が追い付かなく、おこっぺで購入できないというお叱りを受けながらも、札幌の直営店での販売で精一杯な日が続きました。やがて各地でも生キャラメルの製造販売をするお店が増えて、当初の目標のひとつである牛乳の消費拡大に一役買うことができたのでした。

しかし、残念ながら爆発的な人気は数年で落ち着き、販売量は一気に低落してしまいます。

生キャラメルは、私たちが目指す酪農を実現した商品

はからずも一過性のブームの運命をたどってしまった生キャラメルですが、このような背景の商品を生み出したことは、ノースプレインファームにとってとても意義のあることだと思っています。

牛乳の消費拡大に役立てたこと、牛乳の新しい価値を提案できたこと、地域への貢献ができたこと。これらは創業以来、私たちが掲げている理念に合致しています。

また何より、生キャラメルをきっかけにして、たくさんのお客さまがおこっぺにお越しいただけるようになりました。

おこっぺの直営店「ミルクホール」

生キャラメルは、口に入れたとたんにやわらかく溶けて、ミルクの甘さと香りが口いっぱいに広がります
一般的なキャラメルのイメージをもって食べると、その違いにきっと驚かれることでしょう。

今でも、製造技術を守るべく少量の製造を続け、直営店のミルクホールで販売しています。時期によってはオンラインショップでも購入することができます。

札幌のメープル専門店「ギャニオン」さんとコラボしたメープルの生キャラメルと、オホーツクの塩を使った塩バター生キャラメル。

私たちの思いがこもった生キャラメルのやさしい口溶けを、ぜひ皆さまにもじっくりと味わっていただきたいと思います。

【数量限定】塩バター生キャラメル
【数量限定】メープル生キャラメル


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