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修羅場で共に踊れる?チームでのレジリエンス
FASS検定という経理や財務に関する検定試験を受けました、最高のAランクを目指しましたが結果はBランク。勉強の計画設計、ペースづくり、日々の時間の作り方、甘い点があったと思います。受験前は勉強以外せず間が空きましたが、ジブン株式会社スクール、12月の4限目です。
実戦・備え・リーダーシップ・フィードバック
実社会では、規模の大小も様々にチームとして物事に取り組むことがほとんどです。個としてのレジリエンスについて高めていくことは勿論、チームとしてのレジリエンスも重要であり、メンバーそれぞれのレジリエンスをいかに高めるか、あるいはどのようにメンバーのレジリエンスをいかに見極めるかということについて、
・実践を通して見極める
・失敗のパターンに備えておく
・リーダーシップを全員が持つ
・フィードバックを持つ
という点で解説されています。
模擬戦ではなく短期間の実戦でチームのタフネスを見極める。がんばる人、折れてしまう人、斜に構えて行動しない人。実戦だからこそ見えてくるものがあり、物事が大きく動いていく前に見極める。
失敗は起こるもの、想定される失敗は率直に遠慮なく洗い出し対応を議論し決めておく。
朝礼でもなんでも、リーダーシープを取る人を順繰り回していく。特定の人にぶら下がる、当事者意識のない人をなくす。
上手くいったことも失敗したことも、フィードバックを行い共有する。率直に、遠慮なく。
「失敗は起こるもの、起きて当たり前」がまず前提であり、「失敗してはいけない」という考え方が個人のメンタリティとしても非常に脆弱であり、そしてチーム全体のもろさにつながる。
課題図書「HARD THINGS」
課題図書として、ベン・ホロウィッツ著「HARD THINGS」が紹介されました。
ITバブルの崩壊、社員のレイオフ、関係先の裏切り、筆者がCEOとして数々の困難に向き合う様が生々しく描かれています。
本の構成として前半に筆者が経験してきたことを振り返り、後半で個々の事象についてどのような考え方が重要だったのか、その経験からどんなことを学べたのかと語られます。実体験であり、ストーリー性もあり非常に説得力を感じます。
困難の中で、知識が心を助けることがあると思いました。「・失敗に備える」という観点で、起こった出来事が何を意味するのか、分からない事は非常に不安です。筆者は試行錯誤の中、後進の起業家へのアドバイスという形で知見をまとめていて、この本を読んでいる、いないで、起業家が身に起こる出来事に対し、向き合い方は変わるだろうなと思いました。
認識のズレ
印象に残ったのは、筆者が、社員たちにかなりのハードワークを課すことになった時期を、あの時は苦労を掛けたと負い目に思っていたのを、のちにある社員が当時を振り返って、あの時は楽しかった、とても充実した時間だったと書いていた文章を読んで驚いた、というエピソードでした。
おそらくその社員は、会社にとって困難でそして大事な時期であることを十分に、そして自分達の仕事がその困難を乗り越える力だということを理解していたのでしょう。この主体性・当事者性は「・リーダーシップを全員がもつ」ことの表れだと思いました。
また、CEOと社員で出来事に対する認識にずれがあったことも興味深いです。これはポジティブな例ですが、組織においてはそうした齟齬が頻繁に起こるもの。小さな齟齬が疑念を生み、組織の機能を損なうことも大いにある。「・フィードバックを持つ」ことの重要性です。また、ハードワークのなかで社員の主体性が発揮されたことは「・実戦の中で見極める」に当たりますが、筆者はそのことにしばらく気が付いていませんでした、ここもフィードバックの必要性を感じるところです。
「シュラバ」
話は変わりますが、同時期にイーロンマスクの伝記を読んでいて、比較してみると興味深いです。
「HARD THINGS」では社員に常ならざるハードワークを課すことにベン・ホロウィッツ自身の逡巡が見られましたが、イーロン・マスクは「シュラバ」と称し、数か月単位でかかるようなことも1週間でやれ、などとことあるたびにウルトラ・ハードワークに突入します。そこに逡巡は見られず、むしろそうして生きる実感を得ているかのようです。
ホロウィッツは社員のレイオフに対するCEOの心の問題について語りますが、マスクはウルトラ・ハードワークに適さない社員をすぐさま解雇し、ホロウィッツは経営陣の解雇についても慎重に注意すべき点やCEOの心の在り方を語りますが、マスクは経営陣も必要と思えばすぐに躊躇なく入れ替えます。
イーロン・マスク自身がアスペルガー症候群であることを公表し、それが他社への共感性をあまり持たないという性格として表れているそうですが、比較して考えても、性格によって心のありようは違っても、最終的には誰に何を言われても決断するのは自分。どちらも同じ結論に辿り着きます。であるならば、同じ決断、行動に行き着くとしても、その心の道筋は人それぞれ。自分の心の有り様を理解して対処する事。そして、チームとしては他のメンバーの心の有り様も違うものだと認識する事。
マスクはそういうのすっ飛ばしちゃってますけど、自分としてはホロウィッツの語ることは参考にしやすいと思います。多くの人にとってもそうなのでは。
首をかけるのは自分から
また、どちらの本を読んでも解雇という事について日米の違い感じますが、日本がアメリカに比べて会社が社員を解雇するのが容易でないとしても、それは必ずしも社員が守られている状況とは言えないと思います。解雇が容易でないということは、ある意味チームが腐りやすい、ともいえるのではないでしょうか。
自分は今チームを率いる、チームを新たに作るという立場にはいませんが、「HARD THINGS」で語られるのは起業家、CEOの在り方ですが、転じて見れば、チームの一員、社員としてどのような在り方が求められているかも見えてきます。
まず、チームのレジリエンスに自分がいかに貢献できるのか、主体性をもって考え行動すること。
そのうえで、もし改善が見込めないチームであるならば、会社が社員を解雇できないなら、自分からチームを見切ることも、主体性をもって判断しないといけないな、と感じました。