俺の車校ルポ【3】 -出会い-
漏れ、18歳高校生。 「車に乗って初日で事故する」という1発芸で車校を風靡した社会不適合者。
前回と同じことを言うが、車校は猫より暇な時間が多い。 授業と授業の間が2,3時間開くこともザラである。 初期のころは、車校で卒業式の答辞を書いていたと記憶している。
答辞のテーマは「出会い」。コロナ禍で人と人との繋がりがめっきり減ってしまい、出会いも少なくなった。しかし、その僅かな出会いを一生モノにしよう。というクッサい駄文である。みんなのパパママからは高評価だったらしい。
出会い。それはクラス・部活・塾の様々なところで生まれた。そして今、車校でも新たな縁が生まれんとしている。
CR先生。 30代中後半の若いガングロ先生。香水と髪型に気を使っている。
いわば、ギャル男である。
CR「はい、よろしくお願いします! コンタクトつけてるね! それじゃ行きましょ〜う」
前評判通りの物腰の柔らかさと優しさである。しかし、油断してはならない。ハンドルを握ると人は変わるというように、補助ブレーキを踏むと人は変わる。
CR「北犬さん、左方車が来てるの見てましたか? 今の絶対事故してましたよ。 そもそも合図出すのも遅すぎるし、右折も小回りすぎて危ないです。ちゃんと教本見ましたか? 見てないですよね。もう1回この道通るので、次はしっかりやってくださいね。次は二度と同じミスしないでください。」
え、厳しすぎない!!??
「厳しさの中に優しさがある」という言葉を聞いたことがあるはずだ。しかし、それは厳しい側が言った格言であろう。「事故していましたよ」という絶対に言い返せない論拠を元に、人をボロクソに叩くのは本当の優しさだろうか。
前回の煽り続ける先生とは違い、常に寡黙である。何考えているのかは全く分からない。23年前の青春と教習生の姿を重ねてい…
キキーッ!!
CR「北犬さん! ちゃんと道路の溝見てますか! 脱輪しそうでしたよ今!! 事故です!」
漏れ「ご、、ごめんなさい。」
CR「私に謝っても意味無いですよ。人がいたらどうするんです? 車に当たったらどうするんです? 責任取れるんですか? あなた?」
気づいた。今気づいた。OD式安全性テスト、めっちゃ大事やん。
自らを棚に上げていたので、身の上話をする。私北犬は人生がド下手である。人よりも認知能力と判断能力が著しく欠けている。コミュニケーションも苦手。
障がい児学校、子どもの心療内科、言語療法士、あらゆる公共サービスを受け、血税を井戸水のように使ったが効果は乏しかった。自らの社不エピソードをあげればラーマーヤナに対抗できる長さの叙事詩ができるだろう。
しかし、車を運転することが夢だった。2歳で初めて喋った言葉は「パパ」でも「ママ」でもなく「ビービー」だった。bB、昔好きだったトヨタの車である。
だから、一生懸命努力はする。靴も車も舐める。ハンドルをおらに握らせてくれ─────────。
閑話休題(よこみちにそれました)
車校では上達しないと次に進ませてもらえない。ずっと左折し続けたり、クランクを曲がり続けたりするのである。次に進めるか否かは、授業の最後に決まる。
そして、怒鳴られながら2度目の教習が終わった。
CR「北犬さんは、
『次に進んでください』
また今度も頑張りましょう!」
ひょえぇぇぇぇぇぇぇ
優しさの塊である。一生ついていきます! CR先生!ご鞭撻の程よろしくお願いします。というか、一体何を見てOKサインを出したのだろうか、、、、
CR「じゃあ次回の予約取りましょう!
2,3月は結構人気なんですよね〜
次北犬さんが乗れるのは〜、
20日後ですね!」
辞めてやる、今すぐに。
今日のまとめ
怒られてもムキにならず、言われたことをしっかりと吸収しよう
助手席に乗っている時から、気をつけるべき所に目を配ろう
学科の授業に集中して、ルールを早く覚えよう