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ソーシャルグッドな時代には、アトツギが主役になる!?

~コテンラジオ深井龍之介さんの講演から学ぶ、未来のビジネスの姿~

先日開催されたアトツギベンチャーサミットにて、「コテンラジオ」の深井龍之介さんが登壇されました。深井さんは歴史を俯瞰し、現代社会が迎えている変化をわかりやすく紐解きました。そして、「ソーシャルグッドの時代」が到来し、その中でアトツギ企業こそが主役となる可能性を語りました。その講演内容を、メモを元に整理してお届けします。


歴史に見る新勢力の台頭

深井さんはまず、「歴史は旧勢力が衰退するたびに新勢力が台頭し、その役割を補完してきた」と指摘しました。この流れを理解することで、現代社会の変化を捉えるヒントが得られると語ります。

1. ローマ帝国の崩壊とキリスト教会の台頭
ローマ帝国が崩壊し、中央集権的な統治が失われた後、その空白を埋める形でキリスト教会が台頭しました。教会は統一的な価値観と秩序を提供し、社会の柱となっていきました。

2. キリスト教会の限界とプロテスタントの誕生
やがてキリスト教会も腐敗し、新たな価値観が求められるようになりました。宗教改革を経てプロテスタントが誕生し、教会中心の秩序から、より多様で個人主義的な社会が形成されました。

3. 国民国家の台頭
宗教の影響力が弱まり、代わりに台頭したのが国民国家です。イギリスやフランス、日本、アメリカなどが代表例で、教育やインフラ、福祉といった社会の基盤を整備し、近代社会の秩序を築きました。
(ごめんなさい、この辺、もう少し詳しく説明されていたと思いますが、メモが追いつかず、ちょっと思い出せない)


ビジネスパーソンが国家を補完する存在へ

深井さんはさらに、現代社会を「国民国家の限界が訪れ、ビジネスパーソンがその役割を補完する時代」と位置づけました。この背景には、国家が抱える課題と企業の台頭があります。

1. 国家の限界
国家は高齢化や格差拡大、財政の逼迫など、多くの課題を抱えています。これにより、教育や福祉、インフラ整備といった国家の基本機能が十分に果たせなくなりつつあります。
(グローバルな話だけではなく、日本でも、人口減少著しい北海道では、サツドラさんやコープさっぽろさんの事業は、もはや民間行政)

2. グローバル企業の台頭
これに対し、イーロン・マスクが率いるTeslaやSpaceXのようなグローバル企業が国家規模の課題に取り組むようになりました。例えば、エネルギー問題や交通、宇宙開発といった分野です。また、Googleの年間予算はカナダの国家予算を超えており、企業が国家を補完する存在へと変化しています。
(アメリカの司法省がChromeを分割するようにGoogleに提案しているというのが載っていたのも頷ける)


リーマンショックが変化の契機に

特に深井さんが指摘したのは、2008年のリーマンショックが社会の大きな転換点となったことです。儲けを得ようと社会を壊してしまった。この金融危機をきっかけに、「お金を稼ぐことだけが目的」という価値観が見直されるようになりました。社会がビジネスパーソンにたいして「持続可能性」や「社会的価値」を求めるようになり、企業にもこれらへの責任が問われるようになったのです。


ビジネスの限界と次の時代の幕開け

こうして台頭してきたビジネスパーソンも、すでに衰退の動きが見ているといいます。

1. 短期的利益の追求の限界
オランダ東インド会社に象徴されるように、ビジネスは利益を最優先し、人権や環境を犠牲にしてきました。しかし、このモデルは持続不可能であり、限界に達しています。

2. 消費者と人材の価値観の変化
現代では、消費者や人材が企業に「社会的価値」を求めるようになっています。単なる報酬や価格競争では人や市場を動かすことが難しくなり、企業は長期的に社会に貢献する必要性が高まっています。
(コテンラジオでも、年収が半分になりながらもエンジニアが大手IT企業から入ってきてくれたそうです)

3. エリート教育の限界
欧米型のエリート教育は、短期的な成果や市場ニーズに応じたスキルを育てる一方で、「総合的な価値の創造」という視点が欠けていると指摘されました。社会の本質や関係性を深く理解する力(割と東洋哲学、仏教哲学的な考え方)が必要とされる中で、エリート教育だけでは対応できない課題が増えています。


ソーシャルグッドな時代とアトツギ企業の可能性

では、このビジネスパーソンの時代が衰退するとしたときに、何が次に来るのか、そこで深井さんは、「ソーシャルグッドの時代」が到来すると語り、その中でアトツギ企業が重要な役割を果たすと強調しました。

1. 地域や歴史に根ざした価値観
アトツギ企業は、地域や歴史、文化に根ざしており、「儲けるだけではいけない」という価値観を持っています。東洋的なこの感覚が、社会的価値を重視するソーシャルグッドな時代において大きな武器となります。

2. 矛盾を乗り越える柔軟性
アトツギ企業は、短期的な利益と中長期的な社会的価値という、一見矛盾する課題に対応してきました。この葛藤を常に抱えているのがアトツギといえます。永続するためには、儲けないといけない。でも、そのために社会をないがしろにすると永続できないということも先代からの教えで学んでいる。
この柔軟性が、次の時代を切り拓く力になるといいます。

当社SHONAIやXLOCAL、チイキズカンに掲載している企業でも、将来生み出す価値や意味に共感してどんどん優秀な人材が集まってきているので、深井さんのお話には、深く共感しました。


深井さんのメッセージ

深井さんは講演を通じて、アトツギ企業や地方で挑戦する人々に次のようなメッセージを送られたと感じました。

『あなたの感覚は間違っていない。
 葛藤を強みに変え、次の時代を創る主役になれ!』

深井さんの講演を聞き、私自身も改めてアトツギ企業が持つ可能性に大きな希望を感じました。ソーシャルグッドな時代の中で、アトツギ企業こそが未来を切り拓く存在になると強く確信しています。

AVSを主催された一般社団法人ベンチャー型事業承継の皆様、最高のイベントを開催いただき、本当にありがとうございました!そして、コテンラジオの深井さん、素晴らしい気づきを与えてくださり本当にありがとうございました。

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