駐留米軍は民主主義の孵卵器なのか?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:タリバンは例外としても、各国に駐留する米軍は民主主義の伝道者なのかもしれない、という仮説検証。俺流Base Nation論。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3njcFma(米軍基地拡大反対運動)
米軍というインフルエンサー
昨日、ブルームバーグ社が「アメリカが20年も駐留していたのに、タリバンは民主主義の影響を全く受けてなかった、思い違いだった」と社説で振り返っていたことを紹介しました。
しかし、そうでないケースもあるように思うんです。
他ならぬ日本です。
Base Nation外伝
Base Nationという本のレビューをnoteで始めたわけですが、考えてみればこの本を僕はもっと身近に感じなければいけませんでした。
子供のころ、米軍基地があった東京・立川の近く、中央線がとおる国分寺の近辺に住んでいたんです。
電車でよく、基地関係者と思われるアメリカ人に出くわすことがありました。
分厚いペーパーバックを読んでいたり、英語で楽しそうに話す彼ら彼女らの姿を、自然に目にしていました。
彼らの存在が、自由と明るさだけではなく、民主主義のエネルギーをも発散させていたとしたら。
いや、実際そうだったのです。
さすがにマッカーサーのGHQ進駐軍の時代とは違うので、「ギブミーチョコレート」とは言いませんでしたが、そのころの日本人がそうだったように、僕にもどこかにアメリカへの憧れがあったように思います。
当時英会話ブームの走りだったこともあり、僕は機会を見つけて中央線に乗っているアメリカ人に話しかけたことを思い出します。
外人に話しかけると英語がうまくなるなどという、無責任な風評も手伝い、度胸試しとばかり、やってみたのです。
彼らは少年の稚拙な勇気を、いつも前向きに受け入れ言葉を返してくれました。
こんな質問を投げかけたことを思い出します。
「ウーマンリブについてどう思うか(What do you think of women's lib?)」。
ウーマンリブ運動とは、女性解放運動などと訳された、今よりはるかに女性の権利が認められていなかった時代の、尖った女性のライフスタイルを意味した、時代のワードだったのです。
その言葉を言い出すのがやっとで、相手の返してくれた言葉の意味を理解できるだけの、英語力を持ち合わせていませんでした。
当時、ペンパル(pen pal文通友達)という言葉がありました。
雑誌などがさかんに「アメリカ人のペンパルを持ちませんか?」と呼び掛けていました。
アラバマ州に住む少女と、文通を開始したのも米軍の存在がどこかにありました。
米軍キャンプは民主主義の孵卵器たりうるか
基地のある地域に限るかもしれませんが、アメリカの影響は紛れもなくあったと思います。
別にアメリカが日本の政治や経済に介入することがなくても、中央線界隈の日本人は、影響を受けていたと思います。
もちろん、映画や音楽でアメリカは日本を世界を席巻していましたから、その影響も計り知れないものがあったと思います。
当時ロックンロールが流行っていた米軍キャンプは、グループサウンズやキャロルの腕試しの舞台にもなりました。
米軍基地の存在は、少なくともアメリカ文化を日本に普及させることに、大きな役割を果たしたのではないだろうか。そう感じるのです。
同時にその背後にある民主主義も、自由の空気とともに日本人に吸収されたのではないだろうか。そう感じるのです。
仮説にすぎませんが、米軍の駐留が民主主義的価値観を広めるかどうかは、相手次第です。
日本には、功を奏した。
しかし、イスラム原理主義というある種反米のイデオロギーを掲げるタリバンには、通じなかったのです。
でも米軍が去った途端に自由や権利を奪われ、いま戦っているアフガンの女性たちは、民主主義の薫陶を間違いなく受けたのです。
以上、極めて主観的な俺流Base Nation論を述べてみました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー