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イーロン・マスク是か非か。(高校生向け)
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:マスク氏の騒動から学ぶ、経営学入門。マスクは是か非か。現代をあらわす5つのキーワードとは何か。
アララ、ニューヨーク・タイムズが珍しく・・
今日届いたニューヨーク・タイムズWeekly2023年1月1日号は、ちょっとした現代の経営学の教科書みたいだ。
この記事のタイトルが、現代の経営の問題点とは何か、を物語っているようだ。
Bosses admire Elon Musk's Harsh Methods in Managing a Company(ボスたちは、会社経営におけるイーロン・マスク氏の厳しいやり方を賛美している)。そうなんだ、ボスたち、すなわちIT業界の経営者たちは、今回のマスクさんの人を人とも思わないような解雇の仕方にブラボーを送っているのだ。
そして、この記事の言い方って、すごいな。ニューヨーク・タイムズが右寄りになっちゃったのかって思ったよ。
右寄りっていうのは、国家主義とか、権威とかが好きで新しいことや変革が大嫌いで強者の味方って意味、だよね。
左寄りのは、自由とか人間性とかが好きで、差別とか偏見とか大嫌いで、弱者の味方、そういう感じだね。
イーロン・マスクを持ち上げる人は、右寄りと言われている。
でも、高校生のキミに考えてもらいたいのは、右とか左とかよりも、あのイソップ物語だ。
北風がいいか、太陽がいいかということだ。
厳しくやって無理やり働かせるか、それとも優しくやって自主的に働かせるか、ということだ。
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一般的には太陽の勝ちだが、答えは時代によって、またキミの考え方によって違う。
そして大人のみなさんにとっては、経営とは何かという考えによって、その答えは変わってくる。
現代とはなにか
この問題の答は、時代によって違う、と言った。こういう意味だ。
今日も授業でやったんだけれど、現代という時代を知らないことには経営は語れない。でもこの記事はそのキーワードをくれている。
1.ダイバーシティ(diversity)
多様性という意味だね。男女、国籍、LGBTQ(性的志向)、生き方、考え方といった多様性を積極的に職場に取り入れることが、正しい考え方であり、それが企業の生産性を上げるという考え方だ。
2.エクイティ(equity)
文字通り公正さ、という意味だが、ひとりひとりの違いを認め、制度やルールの土台を公正にすることで、個人個人の力を最大限に発揮させようという考え方だ。
3.インクルーシブ(inclusive)
インクルーシブとは原義では包括性と辞書に出ているが、現代の経営学では人種、信条、宗教、主義主張、皮膚の色、性的試行等様々なバックグラウンドの社員が自由に経営に参加する、という意味になる。
広い意味での職場における差別反対という、現代社会、現代の職場における支配的な考え方だ。
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの3語は、現代の企業の必須の価値観とされていて、これが欠けている企業はよい企業とはみなされない。この3つを標榜していることを(DE&I)と呼ぶこともある。
4.フレクシブル・リモートワーク(flexible remote work)
何度も僕がnoteで言っていることだから、詳しくは省くけれど、いまやリモートワークを謳わないと、企業に人は来ない。
5.カンパニー・ウェルネス(company)
ウェルネスとは健康であること、の意味だが、カンパニー・ウェルネスとは従業員の心身の健康を制度や手当で積極的にサポートするしくみを意味する。
現代の企業とは、また現代とはなにかという答えは、実にこの5つに明確に表現されているよ。
経営とは何か
イーロン・マスクはこの、新しい企業の常識を完全に無視しているのだ。
しかし、同じIT業界の重鎮達は、マスク氏を手放しで称賛しているのだ。例えば、ネットフリックスのCEO(最高経営責任者)リード・ヘイスティングスさん(Reed Hastings)なんか、こんなふうに持ち上げてるんだ。
「マスク氏は地球上で最も勇敢で、最もクリエイティブな人物だ」って。
要するにIT業界は、タレント不足で従業員におもねってきたというのだ。そして(DE&I)が当たり前の世の中、エンジニアたちには腫れ物に触るように接してきた、のだ。
解雇もできない、文句も言えない、オープンで自由な社風にしないと人が寄り付かないから、みんな堂々と経営者に文句を言う。
そんな中にあって、イーロン・マスクの徹底的な従業員に対しての対決姿勢は、胸がすく快挙に映ったんだよ。
経営とはそうあるべき、ピンチになったら解雇していいし、文句を言う従業員はクビにしていい、そもそも経営はそうあるべきだ。
「こうやって一見ひどいことをしながらも、コストカットを見事にやりきったツイッター社は、これから逆襲が始まる」そう考えている経営者が多いことが、明らかになったんだ。
さあ、高校生のキミはどう思う?
答えは出さんとこう (しらんけど)
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー