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なぜ、経営学にプロレスが必要なのか

経営学の教師の宿命は楽しませること

夢を持つ、ために大学にいってゆるゆるでもいいからキャンパスライフを経験しろ、と言った。でもゆるゆるの正反対の千葉商科大学の例をだして、情熱さえあれば、学習効果ははかりしれないという話をした。

最初っからあきらめている、というような話をしたが、やはり教師はどんなに学生に冷遇されようが、渾身の努力を傾けて少しでも聞いてもらえるような講義を準備し、現場で工夫をすべきだろう。

もちろん、少数の聞いている人たちの権利を守るために、ルールや規律を設けて、例えばケイタイを取り上げるとかして、クラスの雰囲気を良くすることが先決だ、という意見もあるだろう。

しかし、「経営学はお客を振り向かせる学問」と大見得を切った手前、ケイタイを取り上げたり、私語を禁止などできない。

イソップ物語の北風と太陽の寓話ではないが、あくまで太陽を気取らなくてはならないのだ。経営学の教師の宿命と言えるだろう。

太陽としては(笑)常に燃えてなくてはならない。そのためにはベストを尽くすことだ。自分がこれは絶対面白くて、ためになると信じたトピックを選び、それを工夫をこらして料理すれば、外れても悔いがない。例えば前日ワールドカップ予選決勝で日本が勝った、安室奈美恵電撃結婚などは、外せない。

そこに岡田監督のリーダーシップだの、安室の結婚がキャリアにどう影響を与えるか、夫Samの育休取得は日本の社会では許されないだのの、経営学的視点を無理やり結びつける。

学生の反応を気にせず、ベストを尽くす。そうすると彼ら彼女らの反応が変わってくることがある。大げさに言えば情熱の伝播だ。「あいつ、オレたちが聞いてないのに、一生懸命やっているじゃないか。少し聞いてやるか」ということかもしれない。

とにかく、ビジネスの観点から見れば、学生はお客様、何とか楽しませ、授業に出る価値があったと満足してもらわなければならない。

パソコンの中に当時の自分でこさえた授業のテキストが残っていた。一部を記してみよう。プロレスが多いね(笑)。

20年前の千葉商科大学での講義タイトル(一部)

1.ビジョンとは何か 対決編
~WWF対新日本プロレス ビジョナリー戦争はどちらが勝つのか?~
2.経営戦略とは何か エイベックス、新日本プロレス編

3.新製品開発入門
~橋本真也弁当とEE―Jumpはどっちが売れるのか?~
4.サザン桑田「波乗りジョニー」とコカコーラ新広告戦略
5.蝶野正洋、WCW米Monday Nitro入場シーンにみる異文化戦略
6.小泉内閣の構造改革は成功するのか~
7.サッカー協会、トルシエ解任の意思決定
8.日本水連はなぜ、千葉すずを代表から外したのか
9.タイガーマスクに学ぶ、経営学における衝突とは何か

今、パソコンにあるこれらのファイルを見て考えさせられた。すごく丁寧に時間をかけてまとめてあるのだ。

やっぱり、教師の情熱なんだな

自分で言うのも変だが、相当の情熱がないとこんな自前のテキストは作れない。20年前、俺は純粋だった、情熱に溢れてたんだ。そうか、いま俺が学生のやる気がなんてぐじゃぐじゃ言うのは、俺にあの頃の情熱が失われているからなんだな。

なんか、わかってきたよ。

すべては教師の情熱しだいなんだな。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。

じゃあ、また明日会おう。

                              野呂一郎

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