日本のイチゴと”レジリエンス”の深い関係。
リジリエンス3つの意味
辞書を引いても、よくわからない単語というのがあります。
英和辞典で引いてもよくわからないので、英英辞典を調べる。それでも、ビジネスでの文脈では、辞書の定義が意味をなさないことがあります。
例えば、レジリエンス(resilience)という言葉。
皆さんも最近、よく目にし、耳にすると思います。
レジリエンスは英和辞典では、回復力、復元力、弾力などとあります。
(英辞郎より)
英英辞典を引けば、原義がわかると思い、オックスフォード辞典をひいてみました。すると、以下のように示されています。
困難や大変さから素早く立ち直る力(the capacity to recover quickly from difficulties; toughness)
ものや物質が弾けて元の形に戻る能力、弾力性(the ability of a substance or object to spring back into shape; elasticity)
まあだいたい、英和辞典と同じ意味ですね、でもこの言葉のもともとの意味は、あるべき姿に戻る力、であることがわかります。
しかし、ビジネスではレジリエンスの意味は、”適応力”を意味するようです。
を意味する単語のようです。
イチゴでわかったレジリエンスの本当の意味
しかし、僕はまだ腑に落ちません。
でも二つの文脈を得て、やっとそれがわかったのです。
一つは、日本のイチゴ栽培の競争力に関する記事です(BusinessWeek2022年3月21日号p40-41)
こんな文章です。
災害が頻発する地域でこれらのハウスを作れば、イチゴはハリケーンだろうが、地震だろうが、その他のどんな天災にあっても、もっとリジリエンスになるだろう。(Building these kind of facilities in disaster-prone areas will make them more resilient in the event of a hurricane, an earthquake or other calamity)
これでリジリエンスの意味が分かった気がしました。まさに、文脈が教えてくれています。
つまりリジリエンスとは、どんな災害にも負けない、びくともせず、自分を失わない、という意味なのです。
これはレジリエンスの原義である、元に戻る力という意味を考え併せても、納得がいきます。
どんな困難にあっても、元に戻ろうとする、現状をとどめようとする、というニュアンスです。
もう一つの文脈は、昨日の記事で、使ったものです。
Euro is resilient ユーロはリジリエンスだ。
僕はこれを「ユーロは打たれ強い」と訳しています。
しかし、今日はそれを訂正します。
「ユーロはどんな困難も弾き返す力があり、孤塁を守ってきた」
”打たれ強い”では弱くて、レジリエンスはどんな困難ニモマケズに、自分を失わないというニュアンスがあるのです。
日本のイチゴもユーロも、どんな困難にも負けないしぶとさが身上です。
ユーロを花で例えると
存在そのものがレジリエンスな植物があります。
それは”雪椿(ゆきつばき)です。
僕は現在の大学で教える前は、新潟の加茂市にある大学で教えていました。
加茂市の花、が雪椿です。
雪椿は、その名の通り、雪の中で美しい花を咲かせます。
それは風雪に耐えて開花した、ユーロと共通点があります。
レジリエントという。
英語で雪椿を使って自己アピールしましょう
みなさんがこれから外資系に転職するなら、どうでしょ、
「私の長所はレジリエンスです」
っていうPRは。
その時、この雪椿の写真を見せて、
「僕は、私はこの雪椿のように、逆境をモノともせずにしぶとく生き延びてきました」
なんて英語でスピーチできれば、転職、成功すると思いますよ。
やっぱベタ過ぎてつまんないか(笑)
さて、おあとがよろしいようで。
じゃあ、また明日。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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