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フジドタバタ会見で思い出した、カイジ「兵頭会長」の至言。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:フジの会長が日枝さんじゃなくて、「兵頭さん」だったら。そもそもあの社長はなかっただろうな、などと考えた。えっ?兵頭さんがなんて言ったか、って?「ピンチの時に役立たずはいらん」って。トップ画はhttps://x.gd/twj1w
「港社長」は指示待ち人間か
カイジには、様々な名言、名場面がありますが、先日のフジのドタバタ会見で、「兵頭会長」のことを思い出してしまいましたよ。
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このシーンは、カイジの憎き敵・利根川のボスである兵頭会長が、カイジにカード勝負で負けたトネガワ専務のことを、心なくなじった場面です。
兵頭:
「はげたな、おまえの化けの皮」
「二流だ・・! しょせんおまえは指示待ち人間・・!」
これって、兵頭会長がいたら、「港社長」にも同じことを言ったと思われます。
「指示待ち人間」とはなんでしょうか。
それは「自分で考えない人間」のことであり、「イエスマン」のことであり、そうでないと出世できない日本のサラリーマン全員のことです。
指示待ち人間とは、「忖度する人」にほかなりません。
そういう社員は、港社長のお誕生パーティに出ないという選択肢はないのです。
兵頭会長の矛盾
なぜ忖度しないと出世できないのか。
それは、日本が高度な人間関係のみで出来上がっている社会だからです。
誰と誰が仲が良い、慶応の学閥がどの程度支配しているのか、役員候補の上司に結婚を勧められて断ったら一生平社員かも、などなどの非公式な情報にてんで興味を示さない、泰然としたあなたは、美学に生きているのか、出世を諦めているかのどちらかに違いありません。
そもそも、人間関係が9割の日本社会で、こうした井戸端会議的な情報に無関心というだけで、昇進は難しいのです。
なぜならば、人間関係に興味がないと、社外でも仕事の根本を知らない「バカ」の烙印を押され、仕事を取ってこれないからです。
なぜならば、他社もあなたの会社と同じ穴の狢で、色々つながっているからです。
取引先A社の社長は、あなたの会社の部長とゴルフ仲間であって、でもあなたは部長とは仲が悪い。
A社の社長に物件を買ってもらおうと日参して、直談判しているのに、木で鼻をくくったような反応の理由がわかりました。
しかし、優秀だけれど、人間関係にうといあなたは、いつも「のれんを手で押しているような塩梅」なのです。
ダメですって。
そのつきあいの悪さ。
社内外の人間関係なんて、「そんなの関係ねえ」って言っている口癖をなおさないと。(笑)
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出世するにはそんな具合で、「指示待ち人間」でなくてはならないのです。
そうです、指示待ち人間とは、何をやるにもまず「人間関係を探る」ことが習い性になっている僕であり、あなたなのです。
兵頭会長が言っていることは、だから矛盾しているのです。
出世するには指示待ち人間でなくてはならず、でもそういう人間は「フジの10時間記者会見」を上手に切り抜けられないのです。
大詰めに弱い人間しかいない企業
続いての兵頭会長名言・名場面はこれです。
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兵頭会長
「大詰めで弱い人間は、信用できぬっ・・!」
フジのあの10時間会見はまさに「大詰め」です。
ずらりと雁首並べた幹部たちは、みなヘタをうちました。
しどろもどろで、論理も破綻、言い訳に終止し、起死回生の一言などまさに一言も発せない醜態をさらしてしまったのです。
まさに兵頭会長のいう
「大詰めで弱い人間は、信用できぬっ・・!」状態。
でも、これまた仕方ないことなのです。
指示待ち人間しか出世できないのですから。
指示待ち人間は自分で考えることをせず、上の顔色をうかがっているばかりなのですから、どうして「大詰めで強い」なんてことがあるでしょうか。
提灯持ち、男芸者、ゴルフわざと負け接待、こう言うことができないと出世なんてできない・・・
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こう言うと派手な実績を上げてきた社内伝説の男、あなたがすかさず僕に反論しますよね。
「おまえは会社がわかってない。出世はな、実力の二文字だよ」、と。
しかし、それは運がいいだけだったんですよ。
もしくはあなたは、勝利者の人間関係ってやつをご存知だった。
日本社会は「嫉妬」の社会です。
契約を取ってトップになったら、下のものを全員奢らなくてはなりません。
「お前たちのおかげで、営業トップになった、ありがとう、ささ、今日は無礼講だ!」という具合に。
先輩たちのジェラシーには、おそらく勝利者のあなたは「そのグッチの財布カッコいいですね、お目が高い」などとフォローを入れていたはずなんです。
社内の目に見えない嫉妬空間、は男の大奥でもあり、伏魔殿でもあります。
「実力」だけじゃないのは、あなたが一番よく知っているはずです。
しかし、どうやって「大詰め」に強い社員を作れるのか。
それが人事部のエースのあなたの今年の課題です。
野呂 一郎
清和大学教授