現代ビジネスの答え。それはタイガーマスクだ。
ビッグデータなんて、捨てろ
高校生の皆さん、元気ですかー!
現代における戦いに負けはない、といった。それは現代は多様性を認め、それに価値を見出すからだ。また昨日勝ち負けすらないといったのは、戦いは永遠に続くレースだから、勝ち負けは一過性の出来事に過ぎないのだ。
結局、現代の戦い=ビジネスにおいては、競争相手との勝ち負けではなくて、市場が求めている価値をどう創るかが、最も重要なファクターと言える。
しかし、現代企業が陥っている罠はまさにそこにあるのだ。
常に市場や顧客の動向を調べ、今何が求められているかのデータをもとに、製品やサービスの開発が行われる。結果、似たような新製品、サービスが市場に並ぶ。
現代の戦いの答えは”タイガーマスク”だ
現代企業は皆、この袋小路にはまり込んでいる。
解決策はないのだろうか。
ある。
それはタイガーマスクだ。
タイガーマスク。活躍は1981年から2年弱に過ぎないが、彼の登場はマーケットリサーチに基づくものではなかった。
市場や潜在顧客から「どんなレスラーのどんなファイトが見たいか」を丁寧に聞き出して、創ったレスラーではないのだ。
タイガーマスクはプロレスファンの想像を遥かに超えた存在だったからだ。
今更だが、タイガーマスクのデビュー戦のファイトを見てみよう。
アントニオ猪木の夢想から現れたタイガーマスク
タイガーマスクを生み出したもの、それはデータなんかではない。
ロマンと非常識だ。
タイガーマスクは、決して無から生まれたものではない。当時、タイガーマスクは、巨人の星、あしたのジョーで知られる最強劇画作家の梶原一騎がすでに生み出したキャラクターだった。
アニメや劇画ですでに存在したタイガーマスクの実写版を創ったらどうだろうか、というアイディアがあった。
こいつにタイガーマスクを被せて、躍動させたら面白いんじゃないかとのシナリオが浮上。これがリアル版タイガーマスクの誕生につながったのだ。
この間の経緯は諸説あるが、僕は、アントニオ猪木の潜在意識にある”ロマン”と、猪木の生き方である”非常識”がタイガーマスクを誕生させたのだと思っている。
ロマンと柔軟な頭こそが真に戦いに勝つ決め手だ
当時、タイガーマスクが大活躍を始めた頃、一部でタイガーマスクに批判があった。それは「タイガーマスクは色物だ。猪木の求めるストロングスタイルと真逆じゃないか」というものだった。
しかし、真実は違う。
アントニオ猪木は、世に言われるようなストロングプロレス原理主義者ではなく、非常に柔軟な頭を持っていた。
モハメド・アリと戦ったのも、ある種のやわらか頭であるし、政治家になったのもそう。要は個人の実力を、最大最高に発揮させ、世間を驚かすことをするのが「プロレス」だと定義していたのだ。
そこにプロレスの原点である強さがあれば、見せ方はむしろ奇想天外がいいと思っていたのだ。タイガーマスクは猪木の”ロマン”をアントニオ猪木以外の形で実現させたものだった。
これに応えたのが、天性の肉体的素質を持った佐山サトルという新人レスラーだった。
かくして一介の若手レスラーだった佐山サトルは、虎の仮面をかぶりタイガーマスクとなり、プロレス史上もっとも経済効果を生み出す金の卵になったのである。
高校生のみんなは、だから、今からマーケティングやデータ分析などはやらないほうがいい。柔軟な頭で、夢想してればいいんだ。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
また明日会おう。
野呂 一郎