20年後、再びガソリン車の時代が来る。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:電気自動車?ブーム?米中政府も全部EVにするって言ってる?いやアダム・スミスによれば、ガソリン車が勝つってさ。
ガソリン車が勝つよ
高校生のみんなはまだ車を運転してないと思うけれど、もう来年には免許取れるんだね。
EV(電気自動車)か、ガソリン車かどっちにするんだよ?
僕はガソリン車を勧めるよ。
なぜならば、そのほうが経済の勉強になるからだ。
「いきなり何を言うんだ?」って?
じゃあ、今結論だけ言おう。
それは「経済って、便利よりも欲望だから」だ。
最近僕はやけに、経済学の父・アダム・スミス先生のことを引き合いに出して、「神の見えざる手」なんてことをネタにあることないこと言ってる。
そうさ、権威に乗っかって「市場原理」ってものを考えたいのさ、キミとね。
これは予言だ。
市場原理でこうなるんだけれど、
「キミたちがおじさんになる20年後には、電気自動車じゃなくて、ガソリン車が道路にあふれるよ」。
「逆だろ」、ってキミは言うんだろ。
電気自動車の時代なんて言ってるけれど、そうじゃないんだ。
ガソリン自動車がまた復権するよ、信じるか信じないかはあなた次第です。
20年後、人類のストレスは頂点に達する
これも予言だ、そしてガソリン車の再ブームの根拠でもある。
人々は、もうサスティナブルとか、ダイバーシティ(diversity)とか、インクルージョンだとか、SDGsとか、LGBTとかに飽きてきてるんだよ。
そりゃ、そうあるべきだってわかってるよ、環境を、多様性を、公平性を、ジェンダー平等は大事です、はい、守りますってわかってるよ。
でも本音は違う。
それはいつまでたっても、そうした正論に対してのアンチがやまないことでもわかる。
いい、悪いじゃない、それは現実なんだ。
そして、いいことって、なかなか実行するのが大変なんだ、疲れちゃう。そしてストレスが貯まる。
いまサスティナブルがどうの、SDGsがどうの、って言ったけれど、これって、ガソリン車やめて電気自動車にしましょうっていう世の中の流れと同じさ。
電気自動車に移行することが、正しいに決まっているよね。世の中のため、地球のためにはさ。
地球温暖化は防止できるし、公害も撒き散らさないし、電気自動車のほうがデジタルいっぱい積んでるから安全だし、エネルギー問題も解決できるし、地球にやさしいからだ。
でも、どっちが楽しい?
アダム・スミス先生は「楽しいが正しいに勝つ」って言ってるよ。
答えは、ガソリン車、だ。
電気自動車は静かなんだよ、ブーンって言わないのよ、エンジンを入れるとフギャーって音を立ててドヒャーって発進しないのよ。
カーブを回るときのキキィーって感じもないのよ。
ガソリンスタンドでさ、セルフでガソリン入れるじゃん、あれって何か可愛い赤ちゃんにミルク上げるような感じなんだよね。
めんどくさいオイル交換だって、時間と手間はかかるけれど、ドライビングの楽しさのひとつなんだ。
電気自動車はそんなの必要ないよ、バッテリチャージ・ステーションでただ入れるだけ。
大人しく、無難に走ってくれるさ、電気自動車はね。
でも、どっちが楽しい?
決まってるだろ、ガソリン車だよ。
運転したことのないキミでも、ガソリン車のほうが楽しそうに感じるだろ。
さっき、アダム・スミスが勧めるからガソリン車にまず乗れ、といったのは、スミス先生はキミに「fun to drive運転の楽しさ」を知ってもらいたいからだ、ってさ。
もちろん、スミス先生は「運転の楽しさ」を知ることが、経済を深く知ることにつながることを知っていて、キミにまずガソリン車を勧めているんだ。
レコードが流行にみる20年後の未来
30年も前だろうか、MDやらCDやらが流行って、針のレコードを駆逐してしまった。
しかし、今はどうだ、レコードの売上がダウンロードを上回る勢いだ。
それはまさに僕の言う「20年後はガソリン車が復権する」と同じ理屈だよ。
MDやらCDやらダウンロードやらは、便利だけれど、楽しくないんだ。
音が悪いからさ。
電気自動車は便利だけれど、fun to driveがない。
運転の楽しさがないクルマなんて、音の悪いCDやMDたちと同じで、そんなのクルマじゃないよ。
言い方を変えれば、人類は音の悪いCDのおかげで、本当の音楽ってレコードのことなんだってわかったんだよ。
クルマもそうなるよ。
50年後、人類史の片隅に、こういう論評が載るだろう。
そうそう、最後にもう一度、言っておくよ、「20年後には人類のストレスがピークに達する」と。
人々を楽しく、ハッピーにするもの、それが永久のブームになる。キミも今からそれに備えろ。
信じる、信じないはあなた次第です。(笑)
野呂 一郎
清和大学教授